ワード:「懲戒処分」

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 企業秩序に関係を有する場合に限り、懲戒事由となる 勤務時間外の企業外行動は原則として労働者の私生活上の行為ですが、企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるなど企業秩序に関係を有する場合は、懲戒事由となります(関西電力事件、最高裁昭和58年9月8日判決)。 2 運転業務従事者は、他の職種より厳格に判断される バス……

企業内政治活動・組合活動を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 就業時間中の政治活動は原則懲戒処分の対象、時間外は特別の事情が問題になる 就業時間中の政治活動は職務専念義務に違反するため原則として懲戒処分が肯定されます。終業時間外の活動は、企業秩序を乱すおそれのない特別の事情がある場合には就業規則違反になりません(目黒電報電話局事件、最高裁昭和52年12月13日判決)。 2 ……

経歴詐称を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 重要な経歴の詐称は、懲戒事由該当性が肯定される 経歴詐称は、使用者と労働者間の信頼関係を壊し、労働力の評価を誤らせるものであることから、詐称された経歴が最終学歴や職歴など重要なものであれば、懲戒事由該当性が肯定されます(スーパーバッグ事件、最高裁平成3年9月19日判決)。 2 質問への虚偽回答は詐称、聞かれなかっ……

職務規律違反・不正行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 セクハラ・パワハラを理由とする厳格な懲戒処分が認められやすくなっている 被害者が抗議や申告を差し控えることが少なくない事情を、加害者に有利に斟酌するのは相当でないとして、セクハラを理由とする出勤停止処分を有効とした最高裁判例があります(L館事件、最高裁平成27年2月26日判決)。 2 不正行為は企業の信用失墜を招……

職務懈怠を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 精神的不調による欠勤には、健康診断等の対応を先行させる必要がある 精神的な不調のために欠勤を続けている社員には、健康診断を実施し、診断結果に応じて治療を勧めた上で休職等を検討すべきであり、これを怠った無断欠勤扱いの懲戒処分は無効とされます(日本ヒューレットパッカード事件、最高裁平成24年4月27日判決)。 2 業……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な手続の相当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 本人への弁明機会の付与は、規定の有無を問わず原則として必要 懲戒処分は制裁罰としての性格を有し、労働者に与える不利益も大きいことから、弁明の機会の付与を欠く場合には、特段の事情がない限り、手続的正義に反して懲戒処分は無効になると考えられます。 2 労働者の調査協力義務は、業務との関連性で判断される 調査協力義務……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な処分の相当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 課せる懲戒処分は、就業規則に定めた種類に限定される 就業規則に記載されていない懲戒処分を行うことはできません。就業規則が懲戒事由ごとに処分の種類を限定的に規定している場合、その手段はそこに限定され、より軽い処分であっても課すことはできないとされています。 2 同種の非違行為には、先例を踏まえた同等の処分が求められ……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 懲戒事由は就業規則に明確に定め、合理的な限定解釈が加えられる 懲戒処分が有効となるには、まず懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。「その他これに準ずる場合」といった包括条項も、合理的な限定解釈が加えられるのが通常です。 2 懲戒当時に認識していなかった非違行為は、原則として追加主張できない 懲戒当時に……

懲戒処分とはどういうものですか。

この記事の結論 1 懲戒処分は、企業秩序違反行為に対する制裁罰 懲戒処分とは、使用者が、従業員の企業秩序違反行為に対して加える制裁罰です。懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等の種類があります。 2 3つの要件を満たさなければ、権利濫用として無効になる 懲戒処分は、根拠規定の存在を前提に、懲戒処分事……

降格にはどのような種類がありますか。

この記事の結論 1 降格は、人事上の措置としての降格と懲戒処分としての降格に大別される 降格に法律上の定義はなく多義的ですが、一般的には、労働契約上の根拠の違いに着目して、人事上の措置としての降格、懲戒処分としての降格に分類されます。 2 人事上の降格も、対象となる制度によって性質が異なる 人事上の措置としての降格には、職位・役職……

出向先の会社は出向社員を懲戒処分できますか。

この記事の結論 1 軽微な懲戒処分は出向先の職場秩序維持権限の範囲内で可能 出向先は、就業管理や職場秩序維持に関する権限を有するのが一般的であり(763の記事参照)、この範囲で、戒告や譴責といった軽微な懲戒処分を行うことは可能と考えられます。 2 懲戒解雇は雇用契約の当事者でない出向先にはできない 懲戒解雇は雇用契約の終了を伴うた……

出向先の会社が出向してきた社員を解雇することはできますか。

この記事の結論 1 出向先は、出向社員を解雇できない 労働者と雇用契約を締結しているのは出向元であるため、出向先の会社は、出向してきた社員に問題があったとしても、その社員を解雇することはできません。 2 解雇相当の問題があれば、出向契約を解除して出向元に処分を委ねる 出向社員が出向元の解雇事由に該当するような行動をとった場合、出向……

出向中の労働者との労働関係はどうなりますか。

この記事の結論 1 出向により、出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じる 出向は、労働者と出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じることになります。懲戒権や解雇権がどちらにあるかは、契約自由の原則により、三者間の合意内容に委ねられます。 2 通常は、基本部分を出向元、日常の就業管理を出向先が担う 通常の出向では、賃金の支払義……

採用・派遣労働者との紛争は労働審判の対象になりますか。

この記事の結論 1 「労働関係」は契約名称ではなく実態で判断。業務委託・請負でも労働審判の対象になり得る 業務委託・請負・フリーランス契約でも実質的な指揮命令関係・報酬の労務対償性が認められれば労働者性が問題となり、「未払賃金」「解雇無効」として労働審判を申し立てられる可能性があります。 2 派遣先は原則対象外。ただし偽装請負・労働……

管理監督者に対する労働時間の自由裁量は必須ですか。

この記事の結論 1 「規制になじまない」は出退勤完全自由を意味しない。管理監督者も労働者 通達(昭和22年基発17号・昭和63年基発150号)の「労働時間等の規制になじまない」は、厳格な時間管理が業務の性質上なじまないという趣旨であり、出退勤の時間が完全に自由であることを意味しません。管理監督者も労基法が適用される労働者です。 2 ……

裁量労働制の対象者が就業時間中に組合活動をした場合、懲戒や賃金カットは可能ですか。

この記事の結論 1 裁量労働制でも職務専念義務は免除されない。就業時間中の組合活動は原則として職務専念義務違反 裁量労働制は労働時間の把握・算定をみなしに委ねる制度であり、就業時間中の職務専念義務そのものを免除するものではありません。就業規則等に許容する定めがない限り、就業時間中の組合活動は職務専念義務違反として注意・懲戒処分の対象となり得ます。 ……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか。

この記事の結論 1 遅刻・早退:服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るが、賃金カットは原則できない 裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退した場合、企業秩序・服務規律を乱したとして注意・懲戒処分の対象となり得ますが、みなし時間が労働したものとみなされる以上、その時間分の賃金カットは原則としてできません。 2 欠勤:みなし規定の適用が……

事業場外みなし制において、全労働時間を所定労働時間または通常の労働時間とみなすことはできますか。

この記事の結論 1 すべての労働日を一律にみなし時間で処理することはできない 事業場外みなし労働時間制が適用されるのは、あくまで使用者の指揮監督が及ばず労働時間を算定し難い事業場外業務に従事した労働日に限られます。事業場内勤務日や指揮監督が及ぶ日を含めて一律にみなし時間で処理することはできません。 2 「算定し難いとき」は判例上、厳……

喫煙時間は労働時間に該当しますか。

この記事の要点 ✓ 喫煙時間は原則として「労働時間」に含まれる 常識的な頻度・回数の喫煙であれば、就業時間中のトイレ休憩やコーヒーブレイクと同様、使用者の指揮命令下にある「労働時間」として扱われるのが通常です。休憩時間にはあたりません。 ✓ 就業規則でルールを明確化することが重要 1日の喫煙回数・時間の上限を就業規則に定め、逸脱し……

労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくてもよいですか。

この記事の結論 1 労基法上の作成・届出義務は10人以上の場合のみ 労基法上、就業規則の作成義務・労基署への届出義務が課されているのは常時10人以上の労働者を使用する場合です。10人未満であれば、法的な作成義務はありません。 2 ただし、人事権の有効行使のためには10人未満でも就業規則は必要 懲戒処分・出向などの人事権を有効に行使……

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