ワード:「懲戒処分」

裁量労働制の対象者が就業時間中に組合活動をした場合、懲戒や賃金カットは可能ですか。

この記事の結論 1 裁量労働制でも職務専念義務は免除されない。就業時間中の組合活動は原則として職務専念義務違反 裁量労働制は労働時間の把握・算定をみなしに委ねる制度であり、就業時間中の職務専念義務そのものを免除するものではありません。就業規則等に許容する定めがない限り、就業時間中の組合活動は職務専念義務違反として注意・懲戒処分の対象となり得ます。 ……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか。

この記事の結論 1 遅刻・早退:服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るが、賃金カットは原則できない 裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退した場合、企業秩序・服務規律を乱したとして注意・懲戒処分の対象となり得ますが、みなし時間が労働したものとみなされる以上、その時間分の賃金カットは原則としてできません。 2 欠勤:みなし規定の適用が……

事業場外みなし制において、全労働時間を所定労働時間または通常の労働時間とみなすことはできますか。

この記事の結論 1 すべての労働日を一律にみなし時間で処理することはできない 事業場外みなし労働時間制が適用されるのは、あくまで使用者の指揮監督が及ばず労働時間を算定し難い事業場外業務に従事した労働日に限られます。事業場内勤務日や指揮監督が及ぶ日を含めて一律にみなし時間で処理することはできません。 2 「算定し難いとき」は判例上、厳……

喫煙時間は労働時間に該当しますか。

この記事の要点 ✓ 喫煙時間は原則として「労働時間」に含まれる 常識的な頻度・回数の喫煙であれば、就業時間中のトイレ休憩やコーヒーブレイクと同様、使用者の指揮命令下にある「労働時間」として扱われるのが通常です。休憩時間にはあたりません。 ✓ 就業規則でルールを明確化することが重要 1日の喫煙回数・時間の上限を就業規則に定め、逸脱し……

労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくてもよいですか。

この記事の結論 1 労基法上の作成・届出義務は10人以上の場合のみ 労基法上、就業規則の作成義務・労基署への届出義務が課されているのは常時10人以上の労働者を使用する場合です。10人未満であれば、法的な作成義務はありません。 2 ただし、人事権の有効行使のためには10人未満でも就業規則は必要 懲戒処分・出向などの人事権を有効に行使……

就業規則はどのような手順で作成しますか。

この記事の結論 1 常時10人以上使用する場合は作成・届出義務あり。10人未満でも懲戒には必要 常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則の作成と労基署への届出義務があります。10人未満でも、懲戒処分のためには就業規則の作成・周知が必要です。 2 作成後は過半数代表者の意見聴取→届出→周知の手順で進める 就業規則の作成・変更……

社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合、退職金を不支給にすることはできますか。

この記事の結論 1 「懲戒解雇された者」という定め方では退職後の不支給はできない 「懲戒解雇された者には退職金を支給しない」と定めても、既に退職した社員を懲戒解雇することはできないため、退職後に事由が発覚しても不支給にできません。 2 「懲戒解雇事由があるとき」という定め方が必要 退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支……

不当労働行為の不利益取扱いとはどのような行為ですか。

この記事の結論 1 「組合員であること」等を「理由に」不利益に取り扱うことが不当労働行為 不利益取扱いは、①組合員であること・組合に加入しもしくは結成しようとしたこと・労働組合の正当な行為をしたことを、②理由に、当該労働者を不利益に取り扱うことをいいます。 2 「不利益」は雇用・人事・処遇全般にわたる 不利益取扱いには、解雇・再採……

賃金減額は、どこまで可能ですか。

この記事の結論 1 賃金の一方的な減額は原則として認められない 賃金は労働契約の中核的な条件であり、会社側による一方的な減額は原則として認められません。適法に減額するには、法的根拠と合理性が必要です。 2 減額の手法は複数あるが、それぞれに厳格な要件がある 懲戒・降格・査定・就業規則変更・労働協約・個別合意など手法は多岐にわたりま……

問題社員には、どのように対応すればよいですか。

この記事の結論 1 感情ではなく、客観的証拠の有無が重要 「困った社員」という主観的評価ではなく、裁判で通用する客観的証拠があるかどうかが、問題社員対応の成否を左右します。 2 初動対応のミスは後から取り返しにくい 指導記録の不在や不用意な発言は、後の紛争で会社側の防御力を著しく弱める要因となります。問題が起きた初期段階から法的視……

「解雇されても異議を申し出ない」という書面があれば、懲戒解雇は有効ですか。

この記事の結論 1 「異議を申し出ない」書面があっても、懲戒解雇は当然には有効にならない 懲戒解雇の有効性は、客観的な懲戒事由の存在・処分の相当性・手続の適正によって判断されます。労働者が「異議を申し出ない」と記載した書面の存在のみで、法的リスクが解消されるわけではありません。 2 書面の文言より「作成に至る経緯」と真意性が重視され……

懲戒処分をした者の氏名や事実を公表することはできますか。

この記事の結論 1 就業規則に公表の規定を定め周知していれば、氏名を含めた公表も可能 就業規則に「懲戒事実を公表することがある」旨の規定を定め、従業員に周知していれば、労働者の氏名も含めて公表することはできます。 2 公表内容がプライバシー侵害・名誉毀損にならないよう注意が必要 規定があっても、公表の内容や方法がプライバシー侵害や……

試用期間中であれば自由に本採用拒否できますか。

この記事の結論 1 試用期間中でも自由に本採用拒否することはできない 試用期間を設けていても、使用者と労働者の間には労働契約が成立しています。本採用拒否はその契約の一方的解消であり解雇の一形態ですから、解雇権濫用法理に基づいて検討され、自由に本採用拒否することはできません。 2 通常の解雇より広く行使できるが、緩やかに判断されるわけ……

試用期間の長さや延長の可否とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 試用期間の長さ・延長の可否に法律上の定めはなく、原則は合意による 試用期間の長さや延長の可否について、法律上の定めはありません。そのため、原則として当事者間の合意によることになります。 2 合理的範囲を超える長さの定めは無効。6か月程度が適当 試用期間の長さは、合理的範囲を超える期間の定めは無効と判断されます。……

懲戒解雇する場合には、退職金を支給しなくてもよいですか。

この記事の結論 1 有効に懲戒解雇できても、当然に退職金を不支給にできるわけではない 懲戒解雇が有効であることと、退職金を不支給にできることは別問題です。懲戒解雇したからといって、当然に退職金を不支給にできるわけではありません。 2 不支給には規定と「勤続の功を抹消するほどの背信行為」が必要 退職金を不支給とするには、就業規則に不……

懲戒解雇が妥当か検討するために出勤停止の懲戒処分をした上で、懲戒解雇することはできますか。

この記事の結論 1 出勤停止の懲戒処分をした上で懲戒解雇することはできない 一つの非違行為に対して2回懲戒処分することはできません。そのため、懲戒解雇が妥当か検討するために出勤停止の懲戒処分をした上で、改めて懲戒解雇することはできません。 2 調査・方針決定までは業務命令としての出勤停止(自宅待機)を用いる 懲戒処分としての出勤停……

懲戒解雇するかを検討するために一旦出勤停止の懲戒処分をした上で、懲戒解雇することはできますか。

この記事の結論 1 出勤停止の懲戒処分をした上で懲戒解雇することはできない 一つの非違行為に対して2回懲戒処分することはできません(一事不再理)。そのため、懲戒解雇するかを検討するために一旦出勤停止の懲戒処分をした上で、改めて懲戒解雇することはできません。 2 調査・審議のためには業務命令としての出勤停止(自宅待機)を使う 懲戒処……

裁判で懲戒解雇の理由に、懲戒解雇当時に認識していなかった非違行為を追加して主張できますか。

この記事の結論 1 原則として、解雇当時に認識していなかった非違行為は理由に追加できない 懲戒処分の有効性は、懲戒処分時に理由とした具体的な非違行為について判断すべきものです。そのため、特段の事情のない限り、使用者が懲戒解雇時には認識していなかった事実を、裁判で後から主張することはできません。 2 密接に関連する同種の非違行為は「特……

減給の懲戒処分の減給額は、使用者が自由に決めてよいですか。

この記事の結論 1 減給額は自由に決められない。労基法91条の制限がある 賃金は労働者の生活の基盤であることから、減給の懲戒処分の減給額には労働基準法91条による制限があり、使用者が自由に決めることはできません。 2 1事案は平均賃金1日分の半額以下、総額は賃金総額の10分の1以下 ①一つの事案における減給額は平均賃金の1日分の半……

懲戒処分の有効要件とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 懲戒処分の有効要件は3つ 懲戒処分の有効要件は、①就業規則の懲戒事由に該当すること、②処分が相当であること、③手続が相当であることの3つです。これらを満たさない懲戒処分は無効となります。 2 不当に重い処分は権利の濫用として無効になる 処分の内容は使用者の裁量に委ねられていますが、行為の態様・動機・影響・処分歴……

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