ワード:「懲戒処分」

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 懲戒事由は就業規則に明確に定め、合理的な限定解釈が加えられる 懲戒処分が有効となるには、まず懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。「その他これに準ずる場合」といった包括条項も、合理的な限定解釈が加えられるのが通常です。 2 懲戒当時に認識していなかった非違行為は、原則として追加主張できない 懲戒当時に……

懲戒処分とはどういうものですか。

この記事の結論 1 懲戒処分は、企業秩序違反行為に対する制裁罰 懲戒処分とは、使用者が、従業員の企業秩序違反行為に対して加える制裁罰です。懲戒解雇、諭旨解雇、降職、降格、懲戒休職、出勤停止、減給、戒告、譴責等の種類があります。 2 3つの要件を満たさなければ、権利濫用として無効になる 懲戒処分は、根拠規定の存在を前提に、懲戒処分事……

降格にはどのような種類がありますか。

この記事の結論 1 降格は、人事上の措置としての降格と懲戒処分としての降格に大別される 降格に法律上の定義はなく多義的ですが、一般的には、労働契約上の根拠の違いに着目して、人事上の措置としての降格、懲戒処分としての降格に分類されます。 2 人事上の降格も、対象となる制度によって性質が異なる 人事上の措置としての降格には、職位・役職……

出向先の会社は出向社員を懲戒処分できますか。

この記事の結論 1 軽微な懲戒処分は出向先の職場秩序維持権限の範囲内で可能 出向先は、就業管理や職場秩序維持に関する権限を有するのが一般的であり(763の記事参照)、この範囲で、戒告や譴責といった軽微な懲戒処分を行うことは可能と考えられます。 2 懲戒解雇は雇用契約の当事者でない出向先にはできない 懲戒解雇は雇用契約の終了を伴うた……

出向先の会社が出向してきた社員を解雇することはできますか。

この記事の結論 1 出向先は、出向社員を解雇できない 労働者と雇用契約を締結しているのは出向元であるため、出向先の会社は、出向してきた社員に問題があったとしても、その社員を解雇することはできません。 2 解雇相当の問題があれば、出向契約を解除して出向元に処分を委ねる 出向社員が出向元の解雇事由に該当するような行動をとった場合、出向……

出向中の労働者との労働関係はどうなりますか。

この記事の結論 1 出向により、出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じる 出向は、労働者と出向元・出向先との二重の労働契約関係が生じることになります。懲戒権や解雇権がどちらにあるかは、契約自由の原則により、三者間の合意内容に委ねられます。 2 通常は、基本部分を出向元、日常の就業管理を出向先が担う 通常の出向では、賃金の支払義……

採用・派遣労働者との紛争は労働審判の対象になりますか。

この記事の結論 1 「労働関係」は契約名称ではなく実態で判断。業務委託・請負でも労働審判の対象になり得る 業務委託・請負・フリーランス契約でも実質的な指揮命令関係・報酬の労務対償性が認められれば労働者性が問題となり、「未払賃金」「解雇無効」として労働審判を申し立てられる可能性があります。 2 派遣先は原則対象外。ただし偽装請負・労働……

管理監督者に対する労働時間の自由裁量は必須ですか。

この記事の結論 1 「規制になじまない」は出退勤完全自由を意味しない。管理監督者も労働者 通達(昭和22年基発17号・昭和63年基発150号)の「労働時間等の規制になじまない」は、厳格な時間管理が業務の性質上なじまないという趣旨であり、出退勤の時間が完全に自由であることを意味しません。管理監督者も労基法が適用される労働者です。 2 ……

裁量労働制の対象者が就業時間中に組合活動をした場合、懲戒や賃金カットは可能ですか。

この記事の結論 1 裁量労働制でも職務専念義務は免除されない。就業時間中の組合活動は原則として職務専念義務違反 裁量労働制は労働時間の把握・算定をみなしに委ねる制度であり、就業時間中の職務専念義務そのものを免除するものではありません。就業規則等に許容する定めがない限り、就業時間中の組合活動は職務専念義務違反として注意・懲戒処分の対象となり得ます。 ……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか。

この記事の結論 1 遅刻・早退:服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るが、賃金カットは原則できない 裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退した場合、企業秩序・服務規律を乱したとして注意・懲戒処分の対象となり得ますが、みなし時間が労働したものとみなされる以上、その時間分の賃金カットは原則としてできません。 2 欠勤:みなし規定の適用が……

事業場外みなし制において、全労働時間を所定労働時間または通常の労働時間とみなすことはできますか。

この記事の結論 1 すべての労働日を一律にみなし時間で処理することはできない 事業場外みなし労働時間制が適用されるのは、あくまで使用者の指揮監督が及ばず労働時間を算定し難い事業場外業務に従事した労働日に限られます。事業場内勤務日や指揮監督が及ぶ日を含めて一律にみなし時間で処理することはできません。 2 「算定し難いとき」は判例上、厳……

喫煙時間は労働時間に該当しますか。

この記事の要点 ✓ 喫煙時間は原則として「労働時間」に含まれる 常識的な頻度・回数の喫煙であれば、就業時間中のトイレ休憩やコーヒーブレイクと同様、使用者の指揮命令下にある「労働時間」として扱われるのが通常です。休憩時間にはあたりません。 ✓ 就業規則でルールを明確化することが重要 1日の喫煙回数・時間の上限を就業規則に定め、逸脱し……

労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくてもよいですか。

この記事の結論 1 労基法上の作成・届出義務は10人以上の場合のみ 労基法上、就業規則の作成義務・労基署への届出義務が課されているのは常時10人以上の労働者を使用する場合です。10人未満であれば、法的な作成義務はありません。 2 ただし、人事権の有効行使のためには10人未満でも就業規則は必要 懲戒処分・出向などの人事権を有効に行使……

就業規則はどのような手順で作成しますか。

この記事の結論 1 常時10人以上使用する場合は作成・届出義務あり。10人未満でも懲戒には必要 常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則の作成と労基署への届出義務があります。10人未満でも、懲戒処分のためには就業規則の作成・周知が必要です。 2 作成後は過半数代表者の意見聴取→届出→周知の手順で進める 就業規則の作成・変更……

社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合、退職金を不支給にすることはできますか。

この記事の結論 1 「懲戒解雇された者」という定め方では退職後の不支給はできない 「懲戒解雇された者には退職金を支給しない」と定めても、既に退職した社員を懲戒解雇することはできないため、退職後に事由が発覚しても不支給にできません。 2 「懲戒解雇事由があるとき」という定め方が必要 退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支……

不当労働行為の不利益取扱いとはどのような行為ですか。

この記事の結論 1 「組合員であること」等を「理由に」不利益に取り扱うことが不当労働行為 不利益取扱いは、①組合員であること・組合に加入しもしくは結成しようとしたこと・労働組合の正当な行為をしたことを、②理由に、当該労働者を不利益に取り扱うことをいいます。 2 「不利益」は雇用・人事・処遇全般にわたる 不利益取扱いには、解雇・再採……

賃金減額は、どこまで可能ですか。

この記事の結論 1 賃金の一方的な減額は原則として認められない 賃金は労働契約の中核的な条件であり、会社側による一方的な減額は原則として認められません。適法に減額するには、法的根拠と合理性が必要です。 2 減額の手法は複数あるが、それぞれに厳格な要件がある 懲戒・降格・査定・就業規則変更・労働協約・個別合意など手法は多岐にわたりま……

問題社員には、どのように対応すればよいですか。

この記事の結論 1 感情ではなく、客観的証拠の有無が重要 「困った社員」という主観的評価ではなく、裁判で通用する客観的証拠があるかどうかが、問題社員対応の成否を左右します。 2 初動対応のミスは後から取り返しにくい 指導記録の不在や不用意な発言は、後の紛争で会社側の防御力を著しく弱める要因となります。問題が起きた初期段階から法的視……

「解雇されても異議を申し出ない」という書面があれば、懲戒解雇は有効ですか。

この記事の結論 1 「異議を申し出ない」書面があっても、懲戒解雇は当然には有効にならない 懲戒解雇の有効性は、客観的な懲戒事由の存在・処分の相当性・手続の適正によって判断されます。労働者が「異議を申し出ない」と記載した書面の存在のみで、法的リスクが解消されるわけではありません。 2 書面の文言より「作成に至る経緯」と真意性が重視され……

懲戒処分をした者の氏名や事実を公表することはできますか。

この記事の結論 1 就業規則に公表の規定を定め周知していれば、氏名を含めた公表も可能 就業規則に「懲戒事実を公表することがある」旨の規定を定め、従業員に周知していれば、労働者の氏名も含めて公表することはできます。 2 公表内容がプライバシー侵害・名誉毀損にならないよう注意が必要 規定があっても、公表の内容や方法がプライバシー侵害や……

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