Q24 派手な化粧・露出度の高い服装で出社する。

 化粧・服装等の身だしなみは、本来、私的領域に属する問題ですが、職場では労働契約上の制約を受けます。
 使用者は、化粧・服装等の身だしなみに関し規律を定めることができ、それが職種や業務内容に照らし必要かつ合理的なものである場合には、社員はその規律に従う義務を負うことになります。

 化粧・服装等の身だしなみの問題は、基本的には注意、指導して改善させるべき問題です。
 業務遂行にどのような支障が生じるのか、よく説明して指導する必要があります。

 長期間、派手な化粧・露出度の高い服装での出社を認めてきた職場で注意しても、素直に指示に従ってもらえないことが多いというのが実情です。
 問題を把握したら、早期かつ平等に対処することが重要です。

 どのように指導するかということだけでなく、誰が指導するかということも重要です。
 あの上司の言うことなら聞くが、この上司の言うことは聞きたくないということもあり得ます。
 直属の上司の指導力が不足している場合は、直属の上司に任せきりにせず、組織として対応すべきです。

 男性の上司が女性の身だしなみについて指導する場合、指導をセクハラだと言われることがありますが、職種や業務内容に照らして必要かつ合理的な身だしなみの指導はセクハラではありません。
 ただし、普段、性的な事柄に関しふざけた発言を繰り返しているような上司が指導しても、納得してもらいにくいという事実上の問題はあるかもしれません。
 一概には言えませんが、女性の上司・先輩が指導した方がうまくいくこともあります。
 上司の指導をパワハラと言い出す社員もいますが、職種や業務内容に照らして必要かつ合理的な身だしなみの指導はパワハラではありません。

 口頭で注意、指導しても改善しない場合は、書面で注意、指導することになります。
 書面で注意指導しても改善しない場合には、懲戒処分を検討せざるを得ませんが、職場秩序を乱した程度と懲戒処分の重さのバランスに気をつける必要があります。
 特に解雇は慎重に行うようにして下さい。
 余程の事情がない限り、解雇は無効とされるリスクが高いというのが実情です。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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