ワード:「会社側」

懲戒解雇の有効性を判断する際の検討項目を教えて下さい。

 懲戒解雇の有効性を判断する際には、
 ① 就業規則の懲戒解雇事由に該当するか
 ② 懲戒権濫用(労契法15条)に当たらないか
 ③ 解雇予告義務(労基法20条)を遵守しているか
 ④ 解雇が制限されている場合に該当しないか
等の項目を検討する必要があります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太……

懲戒解雇とはどのような解雇のことをいうのですか?

 懲戒解雇とは、使用者が有する懲戒権の発動により、一種の制裁罰として、企業秩序に違反した労働者に対し行われる解雇をいいます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎   ……

勤務態度が悪く、能力も極端に低い社員を解雇しようと思うのですが、勤務態度が悪いだとか能力が低いだとか伝えると角が立ってしまいます。そこで、会社の事業縮小に伴う整理解雇ということにしようと思っているのですが、いかがでしょうか?

 解雇される社員の気持ちを考えてのことなのだとは思いますが、本当のことを伝えると角が立つから解雇の本当の理由を伝えられないというのでは、会社経営者としてなすべき仕事から逃げていると言わざるを得ません。
 会社経営者は、社員に言いたくないことであっても、会社を経営していく上で必要なことであれば言わなければなりません。
 解雇の理由が、勤務態度が悪いことや能力が極端に低いこ……

整理解雇に臨むスタンスとしては、どのように考えていますか?

 使用者が労働者に対して人員削減の必要性を丁寧に説明し、退職の条件についてそれなりに配慮したような場合は、労働者が早期退職募集や退職勧奨(合意退職)に応じてくれることも多く、整理解雇する必要性がある人数が大幅に減ることも珍しくありません。
 私としては、丁寧な説明・退職条件の提示により合意退職してもらうことを中心に考えるべきであり、整理解雇は、使用者が誠意を持って丁寧に説明・交渉して……

④手続の相当性については、どのようなことを検討する必要がありますか?

 労働協約で整理解雇に先立ち労働組合と協議する義務が規定されているような場合は、労働組合と協議せずに行った整理解雇は原則として無効となります。
 事前協議義務を定める労働協約がない場合であっても、裁判所は、使用者は労働者に対して整理解雇の必要性と時期・規模・方法について説明を行った上で、誠意を持って協議すべき信義則上の義務を負うと考える傾向にあります。
 使用者が労働者……

③人選の合理性については、どのようなことを検討する必要がありますか?

 ③人選の合理性に関しては、人選基準そのものの合理性と実際のあてはめの合理性を検討する必要があり、その基準は使用者の恣意が入らない客観的なものであることが必要です。
 人選基準を設けなかった場合や客観性・合理性を欠く人選基準に基づいて整理解雇がなされた場合は、③人選の合理性を欠くと判断されることになります。
 まずは客観的で合理的な人選基準の設定を行い、人選基準に基づい……

②解雇回避努力については、どのようなことを検討する必要がありますか?

 ②解雇回避努力として、使用者は、整理解雇を行うに先立ち、希望退職の募集、配転、出向、一時帰休などの他の手段によって整理解雇回避の努力をする信義則上の義務を負うと考えられており、他の手段を十分に検討せずにいきなり整理解雇を行った場合、解雇権の濫用と判断されるリスクが高くなります。
 解雇回避措置の「検討」すらしていないのでは、この要素が否定されてしまいますので、必ず解雇回避措置を検討……

①人員削減の必要性については、どのようなことを検討する必要がありますか?

 ①人員削減の必要性は、整理解雇が有効とされる上で必要不可欠の要素であり、他の要素の要求水準を設定する役割も有しています。
 裁判所は、人員削減の必要性の有無について詳細に検討しますが、使用者の経営判断を尊重する傾向にあり、明白に人員削減の必要性がない場合を除けば、人員削減の必要性自体は肯定されるのが通常です。
 ただし、人員削減の必要性がそれ程高くないにもかかわらず実……

整理解雇が解雇権の濫用に当たるかどうかは、どのような要素を考慮して判断されますか?

 整理解雇が解雇権の濫用(労契法16条)に当たるかどうかは、①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続の相当性(整理解雇の4要素)を考慮して、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合に該当するかどうかが検討されるのが一般的です。
 最低限、人員削減の必要性を労働者に説明し、客観的な整理解雇基準を定めてから、当該基準に則って整理解雇する必要があ……

整理解雇が有効となるかどうかを判断する際に検討する事項は、どのようなものですか?

 整理解雇が有効となるかどうかを判断する際に検討する事項は、以下のとおりです。
① 就業規則の解雇事由に該当するか
  就業規則がない場合に民法627条により整理解雇できるのは、狭義の普通解雇と同様です。
② 解雇権濫用(労契法16条)に当たらないか
③ 解雇予告義務(労基法20条)を遵守しているか
④ 解雇が制限されている場合……

整理解雇とはどういった解雇のことをいうのですか?

 整理解雇とは、業績不振による事業場閉鎖、企業経営の合理化等、使用者側の経営上の理由による解雇をいいます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎   ……

普通解雇の有効性が争われやすいのは、どのような場面ですか?

 普通解雇の有効性は、試用期間中の本採用拒否がなされた場合に問題となることが多く、多くの裁判例が存在します。
 普通解雇の有効性が争われた裁判例を判例集からピックアップしてみれば、試用期間中の本採用拒否の有効性の問題として争われるケースが非常に多いことに気付くことと思います。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎   ……

普通解雇が社会通念上相当であるというためには、どういった事情が必要となりますか?

 普通解雇が社会通念上相当であるというためには、労働者の情状(反省の態度、過去の勤務態度・処分歴、年齢・家族構成等)、他の労働者の処分との均衡、使用者側の対応・落ち度等に照らして、解雇がやむを得ないと評価できることが必要となります。
 同じような状況にあるにもかかわらず、ある者は解雇し、別の者は軽い処分にとどめるといった対応をしたような場合に、問題となることが多い印象です。 弁護士……

普通解雇に客観的に合理的な理由があるというためには、どのような事情が必要となりますか?

 普通解雇に客観的に合理的な理由があるというためには、労働契約を終了させなければならないほど能力不足、勤務態度不良、業務命令違反等の程度が甚だしく、業務の遂行や企業秩序の維持に重大な支障が生じていることが必要となります。
 会社経営者が主観的に解雇する必要があると判断しただけでは足りません。
 通常は、客観的に合理的な理由の存在を証明するための客観的証拠が必要となります……

解雇権の濫用(労契法16条)に当たるかどうかを判断する際には、どういった事情を検討することになりますか?

 普通解雇(狭義)では、当該労働契約を終了させなければならないほど勤務成績、勤務態度等が不良で職務を行う能力や適格性を欠いているかが問題となり、
 ① 当該企業の種類、規模
 ② 職務内容、労働者の採用理由(職務に要求される能力、勤務態度がどの程度か)
 ③ 勤務成績、勤務態度の不良の程度(企業の業務遂行に支障を生じ、解雇しなければならないほどに高いかどう……

解雇権を濫用するとどうなりますか?

 労契法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定しており、解雇権を濫用すると解雇は無効となります。
 解雇が無効と判断されれば、解雇したはずの社員が在職中であることが確認されてしまったり、実際には働いていないにもかかわらず、解雇後の期間(解雇期間)について賃金の支払が命じられたりするこ……

懲戒解雇事由に該当することを理由として普通解雇することはできますか?

 懲戒解雇事由に該当していれば普通解雇事由が存在すると考えるのが一般的ですので、懲戒解雇事由に該当することを理由として普通解雇することができるケースが多いものと考えられます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎   ……

懲戒解雇事由に該当する事実が存在する場合であっても、懲戒解雇せずに普通解雇することはできますか?

 普通解雇の有効要件を満たすのであれば、懲戒解雇事由に該当する事実が存在する場合であっても、懲戒解雇せずに普通解雇することができます。
 高知放送事件最高裁昭和52年1月31日判決は、「就業規則所定の懲戒事由にあたる事実がある場合において、本人の再就職など将来を考慮して懲戒解雇に処することなく、普通解雇に処することは、それがたとえ懲戒の目的を有するとしても、必ずしも許されないわけでは……

就業規則に規定する普通解雇事由以外の理由に基づき、普通解雇することはできますか?

 就業規則が存在する会社については、就業規則に規定された普通解雇事由に基づいてのみ普通解雇できるとする見解と、就業規則に規定されていない解雇事由によっても普通解雇できるとする見解があり、現時点では論争に決着がついていません。
 この論争に巻き込まれないようにするため、「その他、前各号に準じる事由があるとき。」といった包括的な条項を普通解雇事由として規定しておくようにして下さい。 弁……

普通解雇の有効性を判断するに当たっては、どのような事項を検討する必要がありますか?

 普通解雇の有効性を判断するにあたっては、
 ① 就業規則の普通解雇事由に該当するか
 ② 解雇権濫用(労契法16条)に当たらないか
 ③ 解雇予告義務(労基法20条)を遵守しているか
 ④ 解雇が法律上制限されている場合に該当しないか
等を検討する必要があります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田……

YOTSUYA-KOJIMACHI LAW OFFICE

K-WING Bldg. 7F
5-2 Kojimachi, Chiyoda-ku,
Tokyo 102-0083 JAPAN
TEL. +81-03-3221-7137

Copyright ©I solve the labor problems such as the issue of lawyer corporation Yotsuya Kojimachi law office employee, discharge, the retirement trouble, overtime pay request, a labor umpire, group negotiations with company management's lawyer. I cope with online consultation. All Rights Reserved.

弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町6丁目2番6
 PMO麹町2階(受付3階)
TEL:03-3221-7137

Copyright ©会社経営者の代弁者・問題社員対応弁護士・オンライン相談|労働問題は弁護士法人四谷麹町法律事務所 All Rights Reserved.
Return to Top ▲Return to Top ▲