ワード:「会社側」

勝手に残業して残業代(割増賃金)を請求してくる。

[toc] 1. 基本的発想  部下に残業させて残業代(割増賃金)を支払うのか、残業させずに帰すのかを決めるのは上司の責任であり、上司の管理能力が問われる問題です。その日のうちに終わらせる必要がないような仕事については、翌日以降の所定労働時間内にさせるといった対応が必要となります。 2. 不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が帰宅しない場合の対応  不必要な残業を止めて帰宅……

残業代込みの給料(固定残業代・みなし残業)であることに納得して入社したにもかかわらず残業代の請求をしてくる。

[toc] 1. はじめに  「残業代込みの給料(固定残業代・みなし残業)であることは、入社時に説明し、納得してもらって入社したのに、残業代を請求された。」
そう嘆いている会社経営者の方を何人も見てきました。どうして、こんなことになってしまったのでしょうか。 2. 残業代の支払義務  労基法では、1日8時間、週40時間を超えて働かせた場合は、時間外割増賃金を支払わなければなら……

有期契約労働者を契約期間満了で雇止めしたところ、雇止めは無効だと主張してくる。

[toc] 1 労契法19条  有期労働契約は契約期間満了で契約終了となるのが原則です。
 しかし、労契法19条の要件を満たす場合は、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で有期労働契約者からの有期労働契約の更新の申込み又は有期労働契約の締結の申込みを承諾したものとみなされるため、雇止めをしても労働契約を終了させることはできません。 (有期労働契約の更……

退職届を提出したのに、後になってから退職の撤回を求めてくる。

[toc] 動画解説 1 合意退職の成立時期と撤回の可否  退職届の提出は、通常は合意退職の申し出と評価することができます。
 合意退職は退職の申込みに対する承諾がなされて初めて成立しますから、合意退職の申し出をした社員は、社員の退職に関する決裁権限のある人事部長や経営者が承諾の意思表示をするまでは、信義則に反するような特段の事情がない限り、退職を撤回することができることに……

退職届提出と同時に年休取得を申請し、引継ぎをしない。

[toc] 1 年次有給休暇の成立と使用者の承認  労働者がその有する休暇日数の範囲内で、具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をしたときは、適法な時季変更権の行使がない限り、年次有給休暇が成立し、当該労働日における就労義務が消滅することになります。
 年休取得に使用者の承認は不要であることを、まずは念頭に置く必要があります。 2 時季変更権の限界と退職時の取扱い  使用……

退職勧奨したところ、解雇してくれと言い出す。

[toc] 1 「解雇してくれ」と言われた際の対処方法  退職勧奨した社員から解雇してくれと言われたからといって、安易に解雇すべきではありません。
 後日、解雇が無効であることを前提として、多額の賃金請求を受けるリスクがあります。有効な解雇をすることは、必ずしも容易ではありません。
 当該社員が退職することに同意しているのであれば、解雇するのではなく、退職届か退職合……

試用期間中の本採用拒否(解雇)なのに、解雇は無効だと主張して、職場復帰を求めてくる。

1 試用期間とは  試用期間には法律上の定義がなく、様々な意味に用いられますが、一般的には、正社員として採用された者の人間性や能力等を調査評価し、正社員としての適格性を判断するための期間をいいます。 2 本採用拒否の法的性格  三菱樹脂事件最高裁昭和48年12月12日大法廷判決は、同事件控訴審判決が「右雇用契約を解約権留保付の雇用契約と認め、右の本採用拒否は雇入れ後における解雇にあたる」と判断し……

採用内定取消に応じない。

[toc] 1 採用内定取消の法的性質  原則として、採用内定により(始期付解約権留保付)労働契約が成立するため、採用内定取消の法的性質は解雇であり、解雇権濫用法理が適用されることになります。
 したがって、自由に採用内定取消を行うことはできず、採用内定を取り消すことができる場面は限定されます。 2 内定取消を回避するための実務的対応  基本的には、一方的に内定を取り消すので……

仕事の能力が低い。

1 募集採用活動の重要性  仕事の能力が低い社員を減らす一番の方法は、採用活動を慎重に行い、応募者の適性・能力等を十分に審査して基準を満たした者のみを採用することです。採用活動の段階で手抜きをして、十分な審査をせずに採用していったのでは、教育制度がよほど整備されているような会社でない限り、仕事の能力が低い社員を減らすことはできないでしょう。 2 採用後の対応  注意指導、教育して必要な能力を身に……

社内研修、勉強会、合宿研修への参加を拒否する。

[toc] 1 義務か自由参加か  まずは、社内研修、勉強会、合宿研修への参加が「義務」なのか「自由参加」なのかをはっきりさせる必要があります。参加が義務ということであれば、研修等に要する時間は社会通念上必要な限度で労基法上の労働時間に該当することになります。研修等の時間が時間外であれば時間外割増賃金の支払が必要となりますし、時間内であっても賃金を支払うことになるのが通常です。
……

注意するとパワハラだなどと言って、上司の指導を聞こうとしない。

[toc] 1 パワハラとは  職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる
  ① 優越的な関係を背景とした言動であって
  ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  ③ 労働者の就業環境が害されるもの
であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正……

労契法19条の「更新の申込み」は、どの程度のものがあれば認められますか。

この記事の結論 1 「更新の申込み」「締結の申込み」は要式行為ではなく、非常に緩やかに解釈される 使用者による雇止めの意思表示に対して、労働者による何らかの反対の意思表示が伝わるものでよいとされています。 2 雇止め面談での「辞めたくない」等の口頭発言だけで申込みが成立し得るため、記録が重要 雇止め面談は事前に弁護士と進め方を確認……

労契法19条2号の「合理的期待」は、いつの時点を基準に判断されますか。

この記事の結論 1 「満了時」の判断は、最初の契約締結時から満了時までのあらゆる事情を総合的に勘案する趣旨 「合理的期待の有無は満了時のみの事情で決まる」という意味ではありません。 2 合理的期待が既に生じている場合、満了前の一方的な上限宣言だけで直ちに否定されるわけではない 雇止めを計画するなら、合理的期待が生じてしまう前の段階……

労働契約法19条は、従来の雇止め法理と同じ内容ですか。

この記事の結論 1 厚生労働省通達は、労契法19条が従来の雇止め法理の内容・適用範囲を変更しないと説明している 東芝柳町工場事件・日立メディコ事件等の判例の蓄積は、そのまま参照できると解されています。 2 法的構造は「解雇権濫用法理の類推適用」から「承諾みなし」に変わったが、判断基準は実質的に同じ 雇止めを検討する場合は、条文と従……

有期契約社員が「実質無期」「更新期待あり」と評価されないために、会社は何をすべきですか。

この記事の結論 1 実質無期と評価されないための最重要対策は、契約期間満了前に必ず新しい契約書を作成・署名押印させること 「更新するかどうかを都度きちんと判断した上で、改めて契約を締結している」という事実が、実質無期の評価を防ぐ最大の要素となります。 2 合理的期待を避けるには、継続雇用を期待させる発言を慎み契約書に「更新しない場合……

労契法19条による雇止め制限が認められるかどうかは、どのように判断すればよいですか。

この記事の結論 1 判断は2段階。第1段階で「実質無期」(1号)・「合理的期待」(2号)のいずれかの該当性を判断する 第1段階のいずれにも該当しない場合は、雇止めに客観的合理的理由や社会通念上の相当性は要求されません。 2 第1段階に該当した場合のみ、第2段階として雇止めの合理性・相当性を判断する この基準は正社員の解雇と同様です……

有期契約労働者の雇止めには、労働契約法19条上どのようなリスクがありますか。

この記事の結論 1 労働契約法19条の要件を満たす場合は、契約期間が満了しても雇止めが認められない 「有期契約だから安心だ」という認識は非常に危険です。有期契約社員の雇用管理は、正社員の解雇と同様のリスク意識で臨むことが必要です。 2 労契法19条は東芝柳町工場事件・日立メディコ事件等の雇止め法理を制定法化したもの 法律に明文化さ……

過失相殺・素因減額と損益相殺は、どちらを先に計算すればよいですか。

この記事の結論 1 過失相殺・素因減額を先に行い、その後に損益相殺を行うという計算順序が最高裁判例で確立 鹿島建設・大石塗装事件最高裁昭和55年12月18日判決により、この順序が確立しています。逆の順序で計算することは誤りです。 2 正しい順序で計算した方が、使用者の最終賠償額は少なくなる 損害額や給付額が大きくなるほどこの差は拡……

労災保険給付がなされた場合、損害賠償額はどのように減額されますか(損益相殺)。

この記事の結論 1 労災保険給付は「同一の事由」の範囲内でのみ損害賠償額から控除される(損益相殺) 慰謝料等、労災保険給付の対象とならない損害については、依然として会社が賠償責任を負います。 2 年金給付は確定支給分のみが対象。過失相殺・素因減額は損益相殺より先に計算する 将来の未確定年金額は控除されません(最高裁平成5年3月24……

精神疾患発症に本人の性格や既往疾患が寄与している場合、賠償額は減額されますか。

この記事の結論 1 「通常想定される範囲内の性格」を理由とする素因減額は電通事件最高裁判決により認められない 単に「繊細な性格」「ストレスを受けやすい性格」というだけでは、素因減額の主張は困難です。 2 発症前からの既往疾患がある場合は、疾患の態様・程度に照らし素因減額が認められる可能性がある ただし単に既往疾患があるだけでは不十……

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