ワード:「残業代弁護士」

店舗の店長が管理監督者に該当するか否かが問題となった裁判例を教えてください。

 店舗の店長が管理監督者に該当するか否かが問題となった裁判例で代表的なのは、日本マクドナルド事件です(東京地裁平成20年1月28日判決)。本件は、原告であるハンバーガー店の店長が、会社に対して残業代等を請求し、同店長が労働基準法41条2号の管理監督者に該当するか否かが問題となりました。
 原告が管理監督者に当たるといえるためには、店長の名称だけでなく、実質的に認められるものでなければ……

研修や会社行事の時間は労働時間に該当しますか?

 研修について、所定労働時間内に行うべきものである場合は、たとえ所定労働時間外で行われた研修であったとしても、労働時間に該当し、それが法定時間外に行われた場合には、残業代(割増賃金)を支払う必要があります。
 所定労働時間内に行うべきものとまではいえない研修については、労働者が使用者の実施する教育に参加することについて就業規則上の制裁などの不利益取扱いによる出席の強制がなく、自由参加……

36協定により時間外労働や休日労働をさせる場合、残業代を支払う必要はありますか?

 労働基準法37条では、使用者が労働者に対し、時間外労働や休日労働をさせた場合には、通常の労働時間または労働日の賃金の2割5分以上5割以下の範囲内で命令の定める率以上の率で計算した割増賃金(残業代)を支払わなければならないと定められています。これは強制規定であり、たとえ労使間で残業代を支払わない旨合意したとしても、当該合意は無効となり、残業代を支払わなければなりません。
 したがって……

どのような手当が除外賃金に当たるのか具体的に教えて下さい。

[toc] 1.除外賃金とは  除外賃金とは、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金をいいます。除外賃金に該当するかは、形式や名称ではなく支給された各手当の実質で判断されます。
 除外賃金に該当する場合には、残業代を計算する際の基礎賃金には含まれません。 2.家族手当  家族手当は、扶養家族のある者に……

残業代算定の基礎とならない賃金にはどのようなものがありますか?

 残業代算定の基礎から除外される賃金を、「除外賃金」といいます。
 除外賃金は、労基法37条5項により、家族手当、通勤手当、その他厚生労働省で定められる賃金が規定され、これを受けた労基法施行規則21条が、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一か月を超える期間ごとに支払われる賃金を規定しています。ただし、これらの除外賃金の規定は、除外賃金とするものを限定列挙した規程……

年俸制の賞与は、除外賃金である「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当しますか。

 「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当するためには、あらかじめ支給金額が確定していないことが必要です。
 月給制であり賞与の額があらかじめ決まっていないような場合には、賞与として支払われた賃金は「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当します。
 これに対して、年俸制では、あらかじめ年俸額を13以上に分割し、そのうち12を各月の給与とし、残りを夏期・冬……

労働者に「課長」「店長」等の肩書きを付ければ残業代を支払わなくてもいいのですか。

 通達上、管理監督者にあたるか否かは、資格及び職位の名称にとらわれず、実態に即して判断すべきとされています(昭和63年3月14日基発第150号)。
 管理監督者にあたるか否かの具体的な判断要素は、次のとおりです。
① 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有しているか
② 労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超……

時間外労働が発生した翌日に、時間外労働に係る時間分だけ労働時間を短縮すれば、残業代を支払わなくてもいいですよね?

 たとえば、ある労働日に1時間時間外労働したため、その翌日に、所定労働時間よりも1時間早く帰らせ残業代を支払わない方法や、割増の25%部分のみ支払い、100%部分は代休を取得させて相殺させるという方法が問題となることがあります。
 労基法32条1項は、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定しており、これは……

定額残業代の最近の裁判例を教えてください。

1.X社事件東京高裁平成28年1月27日判決
 36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。 2.アクティリンク事件東京地裁平成24年8月28日判決
 周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について、「固定残業……

定額残業代が適法となる要件について教えてください。

 定額残業代制とは、法律に明文規定はありませんが、法定時間外労働、法定休日労働、深夜労働に対する割増賃金を、あらかじめ定額の手当等の名目で支給する制度で、「固定残業代」、「みなし割増賃金」ということもあります。
 労働基準法上、使用者が義務付けられているのは、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働に対し、一定額以上の割増賃金を支払うことなので、一定額に相当する割増賃金が支払われる限り……

労基法は残業代の割増率についてどのように定めていますか?

 労基法の定める割増率は、次のとおりです。この割増率は労基法が定める最低基準ですから、これを下回る定めを置いたとしても無効です。これを超える割増率を定めている場合には、その定めに従った割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。 1 時間外労働時間
 ① 1か月の合計が60時間以下の時間:25%以上
 ② 1か月の合計が60時間超の時間:50%以上
 ……

月給制の時間単価の計算方法を教えてください。

 月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。
 1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
 1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……

残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?

 使用者は、労働者に法定時間外労働時間、法定休日労働時間、深夜労働時間に働かせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。 1.法定時間外労働時間
①法定時間外労働時間
 1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は……

残業代の消滅時効が中断されるのはどのような場合ですか?

 労基法は、残業代の消滅時効期間を,当面の間は3年(2020年3月31日までの給料日に支払われるべき残業代は2年)と定めており、これ以外については民法の一般原則によることになります。
 民法147条では、
① 請求
② 差押え、仮差押え及び仮処分
③ 承認
を時効中断事由として規定するほか、民法153条では、
④ ……

残業代の消滅時効期間の起算点を教えて下さい。

 消滅時効期間の起算点は、各賃金支払日の翌日です(「類型別 労働関係訴訟の実務 改訂版 Ⅰ」262頁参照)。
 民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と定められています。労働者が残業代を受け取る権利を行使できる時、つまり、一般的には給料日がこれに当たり、残業代の消滅時効は、給料日の翌日からカウントすることになります。就業規則などにおいて、所定内賃金の支給……

賃金の時効について、民法では1年、労基法では2年と定められているようですが、どちらが適用されますか?

 賃金の時効について、民法174条では、「月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権」は、1年間これを行使しないことにより時効により消滅すると規定されています。しかし、労基法は、労働者の賃金の消滅時効が1年では労働者保護に欠けるとして、賃金の消滅時効期間を2年とました(労基法115条)。
 労基法の規定は民法の規定の特別規程に該当しますので、この場合、労基法の時効が優……

専門業務型裁量労働制が適用されている場合の残業代の計算方法を教えて下さい。

 専門業務型裁量労働制の適用が認められた場合,定めたみなし時間が法定労働時間を超える場合に限り,当該時間分の残業代が発生します。
 専門業務型裁量労働制の残業代を計算する際の基礎賃金は,「月額賃金÷当該月のみなし労働時間数」で計算します。あらかじめ法定労働時間を超えたみなし労働時間数を定めていることからすれば,その法定労働時間を超える時間に対して乗ずる率は125%ではなく25%で足り……

残業代を請求された場合の対応(会社経営者側)

 残業代を請求された場合に行わなければならない会社の対応には、大きく分けて2つあります。
 ① 当該残業代請求の対応
 ② 追加の残業代請求を受けないようにするための対応
 ①当該残業代請求に対する対応は、過去の事実や権利義務関係に基づく請求に対する対応です。過去は変えられませんから、できることは限られています。
 ②追加の残業代請求を受けな……

労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とはどういうものですか?

 労働審判手続は、原則として、3回以内の期日において審理を終結しなければならないものと定められています。したがって、労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とは、権利関係について争いがあり、争点について3回以内の期日で審理を行うことが可能と思われる事件であり、具体的には、争点が比較的単純な解雇事件、未払賃金(残業代等)、退職金、解雇予告手当等の支払を求める事件などが考えられます。
……

企画業務型裁量労働制の概要を教えてください。

 企画業務型裁量労働制とは、賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする労使委員会が設置された事業場において、当該労使委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に当該業務……

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