ワード:「労働問題」

労働組合との間で賃金減額に関する労働協約を締結した場合、賃金減額の効力は非組合員にも及びますか。

 労働協約締結による賃金減額の効力が及ぶのは、原則として労働協約を締結した労働組合の労働組合員に限られることになりますが、労働協約には、労組法17条により、一の工場事業場の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の規範的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められており、この要件を満たす場合には、賃金減額に反対する……

運送業を営む会社を経営していますが、給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいと言ってくる運転手にはどのように対応すればいいでしょうか。

 運送業を営む会社においては、給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいと言ってくる運転手は珍しくありません。従来、こういった運転手にお金を貸し付けて給料から天引きして返してもらうことが多かったようですが、会社経営者のために労働問題を扱っている弁護士の目から見てあまりお勧めできません。
 一般論として、「友達にはお金を貸してはいけない。」「友達にお金を貸したら、友達ではなくなっ……

運送業を営む会社において見逃しがちな残業代(割増賃金)の趣旨を有する賃金を教えて下さい。

 運送業を営む会社においては、基本給は1日当たりいくらといった日当の形で支払われるのが通常です。
 休日労働の対価として「日当」が支払われた場合には、「日当」は通常の労働日の賃金ではありませんので、これを控除して未払残業代(割増賃金)額を算定する必要があります。
 「月給25万円」といった通常の月給制を念頭に置いていると見逃しがちな点ですので、ご注意下さい。 &nbs……

月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率は、どれくらいまでなら許されますか。

 月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率と定額(固定)残業代の有効性との間には、論理必然の関係はありません。
 もっとも、脳・心臓疾患や精神疾患を発症した場合に、長時間労働を理由として労災認定がなされる可能性が高い時間外労働を予定するような定額(固定)残業代制度を採用すべきではなく、月80時間分の時間外割増賃金額を下回る定額(固定)残業代額にすべきと考えます。個人的見解としては、月……

基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う定額(固定)残業代は,どのような場合に有効となりますか。

[toc] 1 賃金規程等の定め  基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払ったといえるためには、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う旨の合意や賃金規程等の定めは最低限必要となります。「契約書の記載も賃金規程の定めも存在しないが、口頭で説明した。」では、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払うことが労働契約の内容になっているとは認め……

残業代(割増賃金)込みの賃金ということで社員全員が納得しており、誰からも文句が出ていないのですから、別途残業代(割増賃金)を支払わなくてもいいのではないですか。

 残業代(割増賃金)込みで月給30万円とか、日当1万6000円と約束しており、それで文句が全く出ていないのだから、残業代(割増賃金)に相当する金額を特定していなくても、未払残業代(割増賃金)の請求を受けるはずはない、少なくともうちは大丈夫、と思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが、甘い考えと言わざるを得ません。現実には、解雇などによる退職を契機に、未払残業代(割増賃金)を請求するたくさんの労……

残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨の合意は有効ですか。

 残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨合意し、合意書に署名押印させていたとしても、時間外・休日・深夜割増賃金に当たる部分の額が労基法及び労基法施行規則19条所定の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか(不足する場合はその不足額)を計算(検証)することができず、残業代(割増賃金)を支払わないのと変わらない結果となるので、労基法37条の規定する時間外・……

当社は、同業他社よりも高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し、毎年、昇給もさせるなどして社員の残業に対して十分に報いていますから、残業代(割増賃金)を別途支払う必要はないですよね。

 それなりに高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し、昇給までさせているにもかかわらず、残業代(割増賃金)は全く支給しない会社が散見されます。社員の努力に対しては、基本給・手当・賞与の金額で応えているのだから、それで十分と、経営者が考えているからだと思われます。
 しかし、高額の基本給・手当・賞与の支給は残業代の支払の代わりにはなりませんし、毎月の基本給等の金額が上がれば残業代の単価が……

年俸制の社員に残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。

 年俸制の社員も労基法上の労働者であり、労基法上、年俸制社員について残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除する規定はありません。また、時間外・休日・深夜に労働させた場合でも労基法37条に定める残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の合意や就業規則の定めは無効となります。
 したがって、労働契約や就業規則の定め如何にかかわらず、年俸制社員を時間外・休日・深夜に……

時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の就業規則の定めは有効ですか。

 就業規則は労基法に違反してはならず(労基法92条1項)、労基法違反の就業規則はその部分に関しては無効となり(労契法13条)労基法が適用されます。
 したがって、就業規則で時間外・休日・深夜に労働させた場合であっても労基法37条に定める残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の就業規則の定めは無効となります。   ……

時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させている場合であっても、時間外・休日・深夜に労働させた場合には残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなければなりませんか。

 時間外・休日・深夜に労働させた場合であっても労基法37条に定める残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の合意は無効となりますので、時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させている場合であっても、時間外・休日・深夜に労働させた場合には残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなければなりません。 &n……

時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の合意は有効ですか。

 労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり、無効となった部分は労基法で定める労働基準となります(労基法13条)。
 時間外・休日・深夜に労働させた場合の残業代(割増賃金)の支払は労基法37条で義務付けられていますので、時間外・休日・深夜に労働させた場合であっても労基法37条に定める残業代(時間外・休……

残業代(割増賃金)込みだった月給の内訳を明確にするため、既存の社員に関し、通常の労働時間・労働日の賃金と残業代(割増賃金)に当たる部分とを判別できるようにするために賃金の内訳を変更する場合の注意点を教えて下さい。

 残業代(割増賃金)込みだった月給の内訳を明確にするため、既存の社員に関し、通常の労働時間・労働日の賃金と残業代(割増賃金)に当たる部分とを判別できるようにするために賃金の内訳を変更する場合は、労働条件の不利益変更と判断される可能性が高いと思われます。基本的には使用者が一方的に社員の賃金の内訳を社員に不利益に変更することはできませんので、社員から賃金内訳変更に関する同意書、賃金規定変更に関する同意……

残業代(割増賃金)を支払済みにするための賃金原資はどのように確保すればいいでしょうか。

 残業代(割増賃金)を支払えなくなる一番大きな原因は、本来、残業代(割増賃金)の支払に充てるべき金額を基本給、諸手当、賞与等に充ててしまっていることにあります。つまり、賃金の内訳を間違えているわけです。
 残業代(割増賃金)の支払は労基法で義務付けられているわけですから、残業代(割増賃金)は必ず支払わなければならないことを前提として、基本給、諸手当、賞与等の金額を逆算して決定して下さ……

自己申告制を採用して自己申告された労働時間をチェックし、自己申告された労働時間に基づいて残業代(割増賃金)を支払えば、不必要な残業時間の抑制、想定外の残業代(割増賃金)請求対策になりますか。

 自己申告された労働時間が実際の労働時間と合致しているのであれば、自己申告された労働時間をチェックすることで不必要な残業時間の抑制につなげることができますし、自己申告された労働時間に基づいて残業代(割増賃金)を支払えば、想定外の残業代(割増賃金)請求対策になります。
 しかし、自己申告された労働時間が実際の労働時間に満たない場合は、自己申告された労働時間をチェックしても不必要な残業時……

タイムカードの打刻時間が実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合、どのように対応すればよろしいでしょうか。

 タイムカードにより労働時間又は勤怠を管理している場合、タイムカードに打刻された出社時刻と退社時刻との間の時間から休憩時間を差し引いた時間が、その日の実労働時間と認定されることが多いところです。
 タイムカードの打刻時間が実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合は、それを敢えて容認してタイムカードに基づいて残業代を支払うか、働き始める直前、働き終わった直後にタイムカードを打刻さ……

残業の事前許可制を採用すれば、不必要な残業時間の抑制、想定外の残業代(割増賃金)請求対策になりますか。

 残業の事前許可制は、残業する場合には上司に申告してその決裁を受けなければならない旨就業規則等に定めるだけでなく、実際に残業の事前許可なく残業することを許さない運用がなされているのであれば、不必要な残業の抑制や想定外の残業代(割増賃金)請求対策になります。
 しかし、就業規則に残業の事前許可制を定めて周知させたとしても、実際には事前許可なく残業しているのを上司が知りつつ放置しているよ……

残業するように指示していないのに残業した時間についてまで労働時間として取り扱い、残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

 明示の残業命令を出していなくても、部下が残業していることを上司が知りながら放置していた場合は、残業していることが想定することができる時間帯については、黙示の残業命令があったと認定されるのが通常です。
 具体的に何時まで残業していたのかは分からなくても、残業していること自体は上司が認識しつつ放置していることが多い印象です。部下が残業していることに気付いたら、上司は、残業を止めさせて帰……

本人の能力が低いことや所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因の場合でも、残業代(割増賃金)を支払わなければなりませんか。

 本人の能力が低いことや所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因の場合であっても、現実に残業している場合は、残業時間として残業代(割増賃金)の支払義務が生じます。
 本人の能力が低いことや、所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことは、注意、指導、教育して改善させるとともに、人事考課で考慮すべき問題であって、残業時間に対し残業代(割増賃金)を支払わなくてもよ……

仕事の合間に食事したり喫煙したりおしゃべりしたり居眠りしたりしている時間を労働時間から差し引いてもらうことはできないでしょうか。

 仕事の合間に、食事したり、喫煙したり、おしゃべりしたり、居眠りしたり、仕事とは関係のない本を読んだりしていた場合であっても、まとまった時間、仕事から離脱したような場合でない限り、所定の休憩時間を超えて労働時間から差し引いてもらえないのが通常です。
 居眠り等が目に余る場合は、その都度、上司が注意指導して仕事をさせるのが本筋です。上司が部下の注意指導を怠っていたのでは、無駄な残業はな……

弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町6丁目2番6
PMO麹町2階

Copyright ©問題社員、労働審判、残業代|弁護士法人四谷麹町法律事務所 All Rights Reserved.
Return to Top ▲Return to Top ▲