ワード:「企業」

会社が提示した再雇用条件を高年齢者が拒絶した場合、高年法違反になりますか。

この記事の結論 1 高年法が求めるのは制度の導入であって、定年退職者の希望条件での雇用ではない 事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではありません。 2 合理的な裁量の範囲の条件提示であれば、合意に至らず再雇用に至らなくても高年法違反にはならない 企業ができることは適正水準の条件を提示するところまでで……

再雇用後の業務内容・勤務形態は、どのように設計すればよいですか。

この記事の結論 1 業務内容・責任が定年前と変わらないのに賃金だけ大幅に下がると、不満・紛争リスクが高まる 賃金水準と業務内容のバランスを取ることが、円滑な再雇用制度運用の鍵になります。 2 賃金を抑える場合は、勤務日数・時間の短縮、業務難易度・責任の軽減、職種・勤務地の限定を併せて検討する 複数の調整方法を組み合わせることで、賃……

再雇用後の高年齢者の賃金は、どの程度の水準に設定するのが適正ですか。

この記事の結論 1 賃金額に在職老齢年金・高年齢雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額が、従来の年金額と同水準以上になるよう配慮すべき 一定規模以上の会社では再雇用後の賃金水準は定年前の50%〜70%程度になることが多いです。 2 【重要】令和7年4月から高年齢雇用継続給付の支給率が最大15%から最大10%に縮小されている 公的……

赤字・債務超過の会社でも、高年齢者を再雇用しなければなりませんか。

この記事の結論 1 高年齢者雇用確保措置は事業主の義務であり、経済状況を理由に取らないという選択肢はない 赤字・債務超過であっても再雇用制度を講じる等の措置は必要です。 2 経済的余裕がない場合は、体力に応じた賃金水準を提案し本人の継続勤務意思を確認するという対応で臨むべき 継続雇用自体を拒否するのではなく、賃金額等の労働条件を抑……

精神疾患を発症したのは長時間労働や上司のパワハラ・セクハラのせいだと主張して損害賠償請求してくる。

[toc] 1 精神疾患発症が疑われる社員の基本的対応  使用者は、社員の健康に対して安全配慮義務を負っていますので(労契法5条)、遅刻や欠勤が急に増えたり、集中力や判断力が低下して単純ミスが増えたりするなど、精神疾患発症が疑われる社員については、上司から具体的問題点を指摘した上で、医療機関での受診や産業医への面談を勧めるなどする必要があります。
 また、使用者は、必ずしも社員か……

管理職なのに部下を管理できない。

 まずは、自分で仕事をこなす能力と、部下を管理する能力は、別の能力であることをよく理解した上で、人員の配置を行うことが重要です。
 自分で仕事をこなす能力が高い社員であっても、部下を管理する能力は低いということは、珍しくありません。  部下を管理できない理由が、単なる経験不足によるものである場合は、部下の管理方法について指導しながら経験を積ませたり、研修を受けさせたりして教育するこ……

定年後再雇用の賃金は、定年前より低くしてもよいですか。

この記事の結論 1 高年法上、継続雇用後の賃金に特別な定めはなく、強行法規・公序良俗に反しない限り自由に定められる 定年前後の賃金差は直ちに不当ではありません(長澤運輸事件・最高裁平成30年6月1日判決)。 2 再雇用は新たな労働契約の締結であるため労働条件の不利益変更の問題にはならないが、就業規則の定めを下回ることはできない 就……

継続雇用基準を満たす高年齢者を拒絶した場合、会社にはどのような法的リスクがありますか。

この記事の結論 1 労働契約は合意により成立するのが原則で、会社が承諾しない限り契約は成立しない 拒絶された高年齢者は、原則として損害賠償請求をする余地があるにとどまります(労契法6条)。 2 津田電気計器事件最高裁判決は、基準を満たす労働者の拒絶に客観的合理的理由がなければ雇用関係の存続を認めた 損害賠償請求のリスクに加え、継続……

労働組合員の継続雇用拒否は、どのような点で紛争になりやすいですか。

この記事の結論 1 継続雇用拒否の紛争は、労働組合活動をしていた組合員について生じることが多い 拒否が不当労働行為(労働組合法7条)と評価されるかどうかが争点となる傾向があります。 2 組合員への対応は、組合活動を理由とする不利益取扱いという疑いを招かないよう通常以上に慎重な証拠固めが必要 就業規則の解雇事由・退職事由への該当性を……

営業秘密を漏洩する。

 社員は、在職中・退職後いずれについても、労働契約の付随義務として当然に守秘義務を負っていると考えられますが、それを明確にして自覚を促すため、諸規定を整備し、誓約書を取っておくことが重要です。  社員が営業秘密を漏洩したと思われるような事案であっても、損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。
 事後的な損害賠償請求が容易ではないことを念頭に置いて、事前の営業秘密漏洩防止に力を入れ……

会社の業績が悪いのに賃金減額に同意しない。

[toc] 1 はじめに  会社の業績が悪いため賃金原資を確保することが難しい場合、労働者の賃金を減額したり、辞めてもらう必要があることもあります。しかし、賃金を減額するにしても、辞めてもらうにしても、自由に行うことはできず、一定のルールを守らなければなりません。
 本FAQでは、会社の業績が悪いのに賃金減額に同意してもらえない場合の対処法について解説します。 2 業績が悪いこ……

継続雇用制度の対象者基準は、就業規則に規定し労基署に届け出る必要がありましたか。

この記事の結論 1 対象者基準を定めた労使協定自体の労基署届出義務はなかったが、就業規則に規定した場合は届出が必要だった 「退職に関する事項」(労基法89条3号)に該当するためです。 2 経過措置が終了した現在、就業規則に古い基準が残っている会社は速やかな変更届出が必要 「希望者全員」を対象とする規定に変更し、労働基準監督署への届……

経過措置期間中、継続雇用制度の基準により再雇用されなかった人はどのくらいいましたか。

この記事の結論 1 経過措置期間中、基準により離職した者は定年到達者全体の約2.0%程度であったとされる 基準を設けていた会社であっても、大多数(98%程度)は希望者のほぼ全員を再雇用していたとみられます。 2 この経過措置は令和7年3月末で完全に終了しており、現在は「基準による選別」という仕組み自体が使えない 現在の実務は、就業……

継続雇用制度の対象者を限定する経過措置は、今も利用できますか。

この記事の結論 1 継続雇用制度の対象者を限定する経過措置は、令和7年3月31日をもって完全に終了した 令和7年4月1日以降、いかなる企業も選別基準を用いて継続雇用対象者を限定することはできません。 2 令和7年4月1日以降は、定年制の廃止・65歳までの定年引上げ・希望者全員を対象とする継続雇用制度のいずれかが必須 経過措置を利用……

高年齢者雇用確保措置として、なぜ再雇用制度がお勧めなのですか。

この記事の結論 1 継続雇用制度(高年法9条1項2号)としては「再雇用」方式がお勧め 再雇用は新たな労働契約の締結となるため、賃金水準等の労働条件を柔軟に設定できるというメリットがあります。 2 「勤務延長」方式は既存契約を維持するため、労働条件変更に不利益変更の問題が生じ得る 再雇用方式に比べて、賃金等の条件変更の柔軟性に劣りま……

高年齢者雇用確保措置を取らない場合、会社にはどのようなリスクがありますか。

この記事の結論 1 高年法9条違反は、助言・指導・勧告を経て企業名が公表される可能性がある(高年法10条) 団体交渉要求や社会的評価の低下・人材確保への悪影響というリスクも生じます。 2 高年法9条には私法的効力がなく、根拠規定がない限り再雇用等を命じる判決は得られない ただし継続雇用制度の基準を満たす者を恣意的に拒否した場合は、……

高年齢者雇用確保措置として、実務上多く採用される措置は何ですか。

この記事の結論 1 令和6年時点で高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%。内訳は継続雇用制度の導入が67.4%と圧倒的多数 厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」(令和6年6月1日時点)による最新の集計結果です。 2 定年の引上げは28.7%、定年制の廃止は3.9%。定年引上げを選ぶ企業の割合は年々増加傾向 自社に最適な措……

60歳定年退職の社員から「65歳まで雇用される権利がある」と主張された場合、どう対応すべきですか。

この記事の結論 1 高年法9条は65歳未満の定年を定める会社に定年引上げ・継続雇用制度導入・定年廃止のいずれかを義務付ける 実務上は継続雇用制度(再雇用)を選択する会社が多く、労働条件は正社員時代と同一である必要はありません。 2 違反は行政指導の対象となるが、直ちに社員に65歳までの雇用請求権が発生するわけではない ただし法令違……

会社の定年年齢には、高年齢者雇用安定法上どのような制限がありますか。

この記事の結論 1 定年は原則として60歳を下回ることができない(高年法8条) 60歳未満の定年を就業規則に定めても無効となります。特別な職種についてのみ例外があります。 2 65歳未満の定年を定める会社は、定年引上げ・継続雇用制度導入・定年廃止のいずれかが必要(高年法9条) 令和3年4月からは、70歳までの就業機会確保も努力義務……

有期契約社員の雇止めの判断基準は、正社員の解雇と同じですか。

この記事の結論 1 雇止めの判断基準は、正社員の解雇と比較すれば緩やかに客観的合理的理由・社会通念上の相当性が認められる 日立メディコ事件・日本航空事件がこの点を示しています。 2 「緩やか」であっても経営者の主観的判断のみでは足りず、客観的証拠の準備が必要 「緩やかだから何を理由にしても大丈夫」という誤解は危険です。 ……

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