労働問題187 経過措置期間中、継続雇用制度の基準により再雇用されなかった人はどのくらいいましたか。

この記事の結論
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経過措置期間中、基準により離職した者は定年到達者全体の約2.0%程度であったとされる

基準を設けていた会社であっても、大多数(98%程度)は希望者のほぼ全員を再雇用していたとみられます。

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この経過措置は令和7年3月末で完全に終了しており、現在は「基準による選別」という仕組み自体が使えない

現在の実務は、就業規則の解雇事由・退職事由による判断に完全に移行しています。

 継続雇用制度の対象者基準による離職割合とは、経過措置が運用されていた期間中に、労使協定で定めた基準に該当しなかったことを理由に定年後の継続雇用がなされなかった者が、定年到達者全体に占めていた割合をいい、この経過措置制度自体は令和7年3月末で終了しています。「基準を設けている会社は、実際どれくらいの社員を継続雇用しないという判断をしていたのか」というご質問をいただくことがあります。

 本ページでは、経過措置期間中の統計データとその実務上の示唆、そして現在この仕組み自体が使えなくなっている点について、会社側専門の弁護士が解説します。

01経過措置期間中の離職割合(歴史的データ)

 結論:経過措置が運用されていた期間、継続雇用制度の対象者基準により離職した者が定年到達者全体に占める割合は約2.0%程度であったとされています。わずか50人に1人という割合であり、基準を設けている会社であっても、実際にこの基準を理由に継続雇用を見送るケースは極めて限定的であったことがうかがえます。

02この数値が示す実務上の示唆

 結論:この統計が示す実務上の示唆は、基準を設けていた会社であっても、健康に問題があるとか、よほど問題のある人物であるといった事情がない限り、ほぼ希望者全員の再雇用等がなされていたという実態です。基準を設けていたからといって、会社が自由に社員を選別していたわけではなく、実際には健康状態に著しい問題があるなど、客観的に明白な事情がある場合に限られていたと考えられます。

 この実態は、「継続雇用の拒否は、極めて例外的な場合に限られる」という高年法の運用実態を裏付けるものといえます。

03現在はこの仕組み自体が使えないことに注意

 結論:この経過措置は令和7年3月31日をもって完全に終了しているため、現在は年齢等による選別基準を用いること自体ができず、この統計が示す仕組みは過去のものとなっている点に注意が必要です。令和7年4月1日以降は、継続雇用を拒否できるのは、就業規則に定める解雇事由・退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合に限られます。

 過去の統計が示す「拒否は例外的な場合に限られる」という傾向は、現在の解雇事由・退職事由による判断においても引き続き参考になりますが、判断の枠組み自体が変わっている点を理解しておく必要があります。継続雇用制度の運用・就業規則の見直しについては、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。

継続雇用判断の比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(拒否理由の説明不能リスク)
過去の運用実態を踏まえつつ現行制度に即した対応を行う 過去の基準運用をそのまま復活させようとする
解雇事由・退職事由に該当する客観的な事情のみで判断する 主観的な「気に入らない」という理由で継続雇用を拒否する
継続雇用しない判断は慎重に記録を残す 記録を残さず場当たり的に判断する
制度移行後の運用について弁護士に確認する 経過措置時代の感覚のまま運用を続ける

04よくある質問(FAQ)

Q. この「約2.0%」という数字は現在も参考になりますか。

経過措置による基準そのものはもう使えませんが、「継続雇用を拒否できるのはごく例外的な場合に限られる」という実務上の傾向は、現在の解雇事由・退職事由による判断においても参考になります。健康状態に著しい問題があるなど、客観的に明白な事情がない限り、継続雇用を拒否することは困難と考えられます。

Q. 経過措置が終了した今、継続雇用を拒否できるのはどのような場合ですか。

就業規則に定める解雇事由・退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合に限られます。心身の故障により業務に堪えられない、勤務状況が著しく不良であるといった客観的な事情が必要であり、単なる年齢や勤続年数のみを理由に拒否することはできません。

Q. 過去に基準により継続雇用を拒否した従業員がいる場合、今から問題になることはありますか。

経過措置期間中に適法に基準を適用していた場合は、その時点での判断が直ちに問題になるわけではありません。ただし、現在同様の基準を使い続けている場合は違法な状態にあるため、就業規則の見直しと過去の運用実態の確認を弁護士に相談することをお勧めします。

経営上のポイント 経過措置期間中、対象者基準により離職した者は定年到達者全体の約2.0%程度であったとされ、大多数の会社は希望者のほぼ全員を再雇用していました。もっともこの経過措置は令和7年3月末で完全に終了しており、現在は就業規則の解雇事由・退職事由による判断に完全に移行しています。高年齢者の継続雇用を拒否できる場合の判断基準とあわせて、現行制度に即した運用について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。継続雇用制度の運用でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月10日

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