労働問題184 高年齢者雇用確保措置を取らないとどうなりますか。

 高年齢者雇用確保措置を取らないことは、高年法9条に違反しますから、厚生労働大臣から、公共職業安定所を通じて、必要な指導及び助言を受けたり、高年齢者雇用確保措置を講ずべきことを勧告されたりする可能性があるだけでなく、勧告を受けた者がこれに従わなかった場合はその旨を公表される可能性があります(高年法10条)。
 また、合同労組などの労働組合から団体交渉を申し入れられ、高年齢者雇用確保措置を講じるよう要求される可能性もあります。

 さらに言えば、高年齢者雇用確保措置を取らない会社は、コンプライアンスの意識が低い会社であると公言しているようなものですから、どうしても社会一般からの評価が低くなりがちです。結果として、優秀な人材が集まりにくくなるかもしれません。

 もっとも、高年齢者雇用確保措置について定めている高年法9条には、これに違反した場合に定年の定めを無効としたり再雇用等を義務付けたりする私法的効力はないと考えられています。したがって、高年法9条に違反して高年齢者雇用確保措置を取らなかったとしても、使用者に再雇用等を義務付ける就業規則等の根拠規定がない限り、定年退職した高年齢者は、訴訟で再雇用等を命じる判決を獲得することはできないことになります。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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