労働問題885 割増賃金の割増率を教えてください。
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時間外は2割5分以上、月60時間超は5割以上 1日8時間または週40時間を超える労働には2割5分以上の割増賃金が必要です。1か月の時間外労働が60時間を超えた場合は、その超えた時間について5割以上の割増賃金が必要です。 |
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法定休日は3割5分以上、深夜は2割5分以上 法定休日労働は3割5分以上、深夜(午後10時〜午前5時)労働は2割5分以上の割増賃金が必要です。深夜割増は管理監督者にも発生します。 |
目次
778の記事で解説した割増賃金の基本を踏まえ、本稿では、時間外・休日・深夜の各割増率を、より体系的に整理します。875の記事で解説した時間外労働の法的根拠と併せて理解しておくべき、賃金計算の基礎知識です。
会社側専門の弁護士の立場から、割増賃金の割増率を解説します。
01時間外労働の割増率
1日8時間または週40時間を超えて労働させた場合は、その超えた時間につき通常の労働時間の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。
021日・1週間の考え方
1日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいいますが、勤務が2暦日にわたる場合には、暦日を異にする場合であっても1日の勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とします。夜勤等で日をまたぐ勤務であっても、始業時刻がある日の労働としてまとめて扱うということです。
1週間とは、就業規則その他別段の定めのない限り、日曜日から土曜日までの、いわゆる週暦をいいます。
03月60時間超の特別割増(5割以上)
また、一月の時間外労働時間が60時間を超えた場合は、その超えた時間について通常の労働時間の賃金の5割以上の割増賃金を支払う必要があります。中小企業についても、既に猶予措置は終了しており、この5割以上の割増率が適用されています。長時間労働が常態化している職場では、この特別割増の適用漏れがないか、改めて確認しておくことをお勧めします。
04法定休日労働の割増率
法定休日に労働させた場合は、通常の労働時間の賃金の3割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。842の記事で解説したとおり、法定外休日における労働は法定休日割増の対象にはなりませんが、法定外休日における労働が1日8時間または1週40時間を超える場合には時間外割増賃金を支払う必要があります。
05深夜労働の割増率
午後10時から午前5時までの間に労働させた場合には、通常の労働時間の賃金の2割5分以上の深夜割増賃金を支払う必要があります。管理監督者が深夜に労働した場合も深夜割増賃金が発生します。854の記事で解説したとおり、管理監督者は労働時間・休憩・休日の規制の適用が除外されますが、深夜割増の規制はこの除外の対象外であるため、管理監督者であっても深夜労働をさせた場合には、割増賃金の支払いが必要になる点に注意が必要です。
06会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、これらの割増率を正確に理解したうえで、給与計算システムや勤怠管理の仕組みが、それぞれの割増率を正しく反映しているかを確認する必要があります。特に、時間外労働と深夜労働、休日労働と深夜労働が重なる場合には、割増率を合算する必要がある点(例:時間外労働が深夜に及ぶ場合は2割5分+2割5分=5割以上)にも注意が必要です。
管理監督者について、労働時間規制は適用除外でも深夜割増は別扱いになるという点は、実務上見落とされやすいポイントであるため、特に注意して運用を点検することをお勧めします。
07よくある質問(FAQ)
Q. 月の時間外労働が70時間になった場合、割増率はどうなりますか。
60時間までの部分は2割5分以上、60時間を超えた10時間分については5割以上の割増賃金が必要です。
Q. 管理監督者には深夜割増も不要ですか。
不要ではありません。管理監督者は労働時間・休憩・休日の規制の適用は除外されますが、深夜割増賃金は別扱いであり、管理監督者が深夜に労働した場合も発生します。
Q. 時間外労働が深夜に及んだ場合、割増率はどうなりますか。
時間外割増(2割5分以上)と深夜割増(2割5分以上)を合算し、5割以上の割増賃金が必要になります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。割増賃金計算の適正化でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日