労働問題867 就業規則の周知方法を教えてください。
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法定の周知方法は3つ 就業規則の周知方法は、①常時各作業場の見やすい場所への掲示または備付け、②書面の交付、③電磁的記録による常時確認可能な機器の設置の3つです(労基法106条、労基法規則52条の2)。 |
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社内共有ネットワークでの常時閲覧も有効な方法 就業規則のデータを社内の共有ネットワーク上に保存し、労働者がパソコンでいつでも閲覧できるようにしておく方法も、電磁的記録による周知として認められます。 |
866の記事で解説した就業規則の不利益変更における「周知性」の要件を満たすためにも、まずは基本となる周知方法を正確に理解しておく必要があります。
会社側専門の弁護士の立場から、就業規則の周知方法を解説します。
01法定の3つの周知方法
就業規則の周知方法は、次の3つです(労基法106条、労基法規則52条の2)。
02掲示・備付けにおける「作業場」の考え方
①の「作業場」とは、通達上、事業場内において作業が行われている個々の現場をいうとされています(昭和23年4月5日基発第535号)。例えば、労働者が常に見られる社内の掲示板に就業規則を掲載したり、労働者が普段共有で使っている社内の机の上に置いたりして、就業規則の保管場所を労働者に告知することが考えられます。この通達は、847の記事で解説した休日の暦日単位原則の根拠となった通達と同一のものであり、労基法の様々な論点に関する包括的な解釈通達であることがわかります。
03電磁的記録による周知の実務
③は、就業規則のデータを社内の共有ネットワーク上に保存しておき、労働者がパソコンでいつでも閲覧できるようにしておく方法が考えられます。テレワークの普及により、物理的な掲示・備付けが実施しにくい場合には、この電磁的記録による方法が特に有効な選択肢になります。
04会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、自社の就業規則が、これら3つの方法のいずれかによって、実際に周知されているかを確認する必要があります。就業規則を人事部の書庫に保管しているだけで、一般の労働者が自由に閲覧できない状態は、周知義務を満たしていないリスクがあります。
特に、支店・営業所が複数ある会社や、テレワークを導入している会社では、すべての作業場・労働者に対して実質的に就業規則の内容を知り得る状態を確保できているかを、改めて点検することをお勧めします。共有ネットワーク上での電磁的記録による周知は、拠点が分散していても一元的に管理できる点で、実務上便利な方法です。
05よくある質問(FAQ)
Q. 就業規則を人事部にだけ保管していれば、周知義務を満たしていますか。
満たしていない可能性があります。一般の労働者が自由に閲覧できない状態は、周知義務を満たしていないリスクがあります。掲示・備付け、書面交付、電磁的記録のいずれかの方法で実質的に周知する必要があります。
Q. 就業規則を社内の共有フォルダに置くだけで、周知したことになりますか。
労働者がパソコンでいつでも閲覧できる状態であれば、電磁的記録による周知として認められます。
Q. 支店が複数ある場合、どのように周知すればよいですか。
各支店(作業場)ごとに掲示・備付けを行うか、社内の共有ネットワーク上での電磁的記録による周知を行うことで、拠点を問わず一元的に対応できます。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。就業規則の周知体制の整備でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日