ワード:「四谷麹町法律事務所」
問題社員を解雇する際、最初に理解すべき注意点は何ですか。
この記事の結論
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解雇には「客観的に」合理的な理由が必要。経営者の主観的判断だけでは足りない
労働契約法16条の解雇権濫用法理により、客観的合理的理由と社会通念上の相当性の両方がなければ解雇は無効です。「この社員はダメだ」という経営者の感覚は、解雇の有効性を支える証拠にはなりません。
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抽象的説明では不十分。5W1Hの具体的事実……
解雇無効の賃金支払判決について「債務名義があるから源泉徴収せずに全額払え」と請求された場合の対応を教えてください。
この記事の結論
1
債務名義の有無と源泉徴収義務の有無は別次元の問題。「全額払え」に応じる法的義務はない
確定判決や和解調書があっても、バックペイが給与所得である性質は変わりません。会社は源泉所得税を控除した金額を支払い、控除分を税務署に納付するのが適法な対応です。
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「全額払え」に応じると不納付加算税等のリスク。そもそも判決前の……
強制執行により源泉徴収できなかった場合、源泉所得税を納付しなくてもよいですか。
この記事の結論
1
強制執行で源泉徴収できなかった場合でも、会社の源泉所得税納付義務は消滅しない
バックペイは給与所得であるため、会社は源泉徴収義務を負います(所得税法183条)。強制執行で額面全額を差し押さえられ源泉徴収できなかったという事情は、納付義務を免除する理由にはなりません。源泉相当額は労働者に求償できますが、実務上は困難なケースが多いです。
……
解雇が無効と判断された場合、解雇期間中に使用者が負担すべき賃金額について教えてください。
この記事の結論
1
バックペイは「解雇されなかったならば確実に支給されたであろう賃金の合計額」。通勤手当・残業代は原則不要、賞与は確定できれば含まれ得る
解雇期間中は実際に通勤・時間外労働をしていないため通勤手当・残業代は通常不要です。ただし金額が確定できる賞与等は支払を命じられる可能性があります。
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中間収入は平均賃金の60%(……
解雇が無効と判断された場合、賃金はいつまで支払い続けなければなりませんか。
この記事の結論
1
解雇が無効な場合、ノーワーク・ノーペイは適用されない。就労不能の帰責事由は使用者にある
労働者が就労の意思と能力があるにもかかわらず使用者が就労を拒絶している状態となり、民法536条2項により使用者は賃金支払義務を免れません。月給30万円なら1年間で360万円のバックペイリスクが生じます。
2
問題社員に利用され……
解雇が無効であっても、ノーワーク・ノーペイの原則により、働いていない期間の賃金は支払わずに済みますか。
この記事の結論
1
解雇が無効な場合、ノーワーク・ノーペイは適用されない。就労不能の帰責事由は使用者にある
労働者が就労の意思と能力があるにもかかわらず使用者が就労を拒絶している状態となり、民法536条2項により使用者は賃金支払義務を免れません。月給30万円なら1年間で360万円のバックペイリスクが生じます。
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問題社員に利用され……
「やむを得ない事由」があれば、解雇予告なしに有期契約労働者を即時解雇できますか。
この記事の結論
1
民法628条の「直ちに」は解雇予告義務を免除しない。「やむを得ない事由」≠「即時解雇可能」
「直ちに」は「契約期間満了を待たずに解雇できる」という意味に過ぎず、労基法上の解雇予告義務(労基法20条)は原則として適用されます。
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即時解雇には労基法20条1項ただし書の要件も別途必要。実務上は解雇予告手当の支払いが……
有期契約労働者の期間途中解雇に必要な「やむを得ない事由」とは、どの程度のものですか。
この記事の結論
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「やむを得ない事由」は「期間満了を待つことなく直ちに雇用を終了させざるを得ないような特別の重大な事由」(菅野「労働法」第10版)
「直ちに」「特別の重大な」という二つのキーワードが示す通り、非常に高いハードルです。正社員の解雇基準(労契法16条)よりも厳格な要件とされています。
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重大な横領・職場暴力等が典型例……
試用期間満了前の本採用拒否(解雇)は認められますか。
この記事の結論
1
法的には可能だが、客観的合理性の立証判断が甘くなりやすく紛争を誘発しやすいという実際上の問題がある
「もう無理だ」という気持ちが先走り、証拠として通用する事実が十分に積み重なっていない段階で踏み切ってしまうリスクがあります。試用期間途中の本採用拒否は本人の不満・怒りを増幅させやすい傾向にあります。
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推奨対応:……
能力不足と知りつつ「チャンスを与える」ために採用した社員の本採用拒否には、どのような危険が潜んでいますか。
この記事の結論
1
採用面接時に知っていた能力不足では緩やかな基準が適用されず、本採用拒否は無効リスクが極めて高い
緩やかな基準で認められる本採用拒否は「当初知ることができず知ることが期待できないような事実」を理由とする場合に限られます(労働問題60参照)。「採用面接時に既に低能力だと知っていた」という事実そのものが、後の本採用拒否を法的に困難にします。
……
試用期間中の社員は通常よりも緩やかな基準で本採用拒否(解雇)できますよね。
この記事の結論
1
「緩やかな基準」は「証拠不要」を意味しない。客観的合理的理由の立証は通常の解雇と変わらず必須
三菱樹脂事件最高裁大法廷判決は「通常の解雇の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべき」としますが、使用者が主観的に判断しただけでは足りません。裁判官の目から見て正当化できる具体的事実が客観的証拠により必要です。
……
試用期間の法的性格について教えてください。
この記事の結論
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試用期間の法的性格は就業規則の文言+処遇の実情・慣行を総合して個別判断される(三菱樹脂事件最高裁大法廷判決)
就業規則の規定の文言のみならず、企業内での処遇の実情・本採用との関係における事実上の慣行を重視して判断されます。試用期間の法的性格は一様ではありません。
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多くの場合は解約権留保付き雇用契約。本採用拒否……
試用期間とは何ですか。定義・法的性格・実務上の注意点について教えてください。
この記事の結論
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試用期間は正社員としての適格性を判断するための期間。法律上の定義はなく試用期間中も労働契約は成立している
「試用期間中は雇用関係にない」は誤りです。試用期間中でも解雇には客観的合理的理由が必要ですが、本採用後と比べてハードルは相対的に低くなります。
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試用期間中に問題を認識したら先送りにしない。期間が経過すれば……
転勤命令を拒否した正社員を懲戒解雇することができますか。
この記事の結論
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転勤命令が無効なら拒否を理由とした懲戒解雇は認められない。有効性確認が大前提
転勤命令が無効となる主なケースは①勤務地限定特約がある場合②転勤命令権限が権利濫用に当たる場合です。転勤命令拒否を理由に懲戒解雇を検討する前に、まず転勤命令自体の有効性を確認する必要があります。
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有効な転勤命令の拒否は重大な業務命令……
転勤命令が権利の濫用になるのは、どのような場合ですか。
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"headline": "転勤命令が権利の濫用になるのはどのような場合ですか?",
"description": "転勤命令が権利濫用になる場合を会社側弁護士が解説します。東亜ペイント事件最高裁判決が示した①業務上の必要性なし②不当な動機・目的③通常甘受す……
労働条件通知書の「就業の場所」欄には、どこまで詳しく書く必要がありますか。
この記事の結論
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法令上は雇入れ直後の就業場所の記載で足りる(平成11年1月29日基発45号)。ただし転勤命令時に勤務地限定の合意の根拠として使われるリスクがある
「○○本社」とのみ記載すると「就業場所が本社に限定されている」と主張される可能性があります。就業規則の転勤規定がある場合は通常は認定されませんが、他の事情と組み合わせて使われるリスクを最小化する記……
勤務地限定の合意があったとの主張は、どの程度認められますか。
この記事の結論
1
複数勤務地のある会社の正社員は勤務地限定の合意が認定されにくい。就業規則の転勤規定+入社時誓約書で特段の事情なき限り訴訟対策として十分
ただし採用時に特定の勤務地を明示して採用した・採用面接で「転勤はない」と説明した・長期間転勤がなかった等の「特段の事情」がある場合は認定されることがあります。採用時の記録が決定的な証拠となります。
……
就業規則の懲戒解雇事由に該当していても、懲戒解雇が無効になることはありますか。懲戒権濫用法理について教えてください。
この記事の結論
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就業規則の懲戒解雇事由への該当は必要条件にすぎない。懲戒権濫用法理(労契法15条)という第二の壁がある
懲戒が客観的合理的理由を欠くか社会通念上相当でない場合は、就業規則の事由に形式的に該当していても懲戒権濫用として無効となります。就業規則の懲戒事由該当性と懲戒権濫用の有無という二段階審査が必要です。
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懲戒解……
懲戒解雇では無効リスクが高い場合に、普通解雇を選ぶ際にはどのような対応が必要ですか。
この記事の結論
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懲戒解雇の無効リスクが高い場合は①普通解雇を選択するか②解雇通知書に予備的普通解雇を明記すること
懲戒解雇のみに踏み切ることは非常に危険です。懲戒解雇が無効となった後に普通解雇として救済される余地がなくなると、会社は極めて厳しい状況に置かれます。
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訴訟中に懲戒解雇の有効性に疑義が生じた場合も予備的普通解雇の意……
懲戒解雇の意思表示は、普通解雇の意思表示でもあるといえますか。岡田運送事件と実務対応について教えてください。
この記事の結論
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懲戒解雇の意思表示が普通解雇を内包するかは事案ごとの解釈問題。懲戒解雇のみが明らかな場合は内包不認
一般論で「認められる・認められない」と断定できません。懲戒解雇のみを行ったことが明らかな場合は、普通解雇であれば有効な事案でも普通解雇の意思表示の内包は認められません。
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実務上の最善策は解雇通知書に「懲戒解雇と……