ワード:「四谷麹町法律事務所」

仕事を任せるのが不安な社員にまで、仕事を任せてもよいですか。

この記事の結論 1 「社員を信じて仕事を任せれば上手く行く」は単純には正しくない 社員を信じて仕事を任せても失敗することがあるし、裏切られることもあります。任せた仕事が上手くいくよう配慮したり、不正行為が行われないよう対策を取ることが、会社経営者としての仕事です。 2 「コツ」に依存すると思考停止に陥りやすくなる 「社員を信じて仕……

歩合給の保障給(労基法27条)がある場合、残業代単価の計算式はどのようになりますか。

この記事の結論 1 保障給は「歩合給」であり、日給・月給ではない 歩合給の保障給(労基法27条)は、「出来払制その他の請負制によって定められた賃金」(労基法施行規則19条1項6号)、すなわち歩合給として扱われます。時間当たり・1日当たり・1か月当たりの保障給を定めたとしても、時間給・日給・月給にはなりません。 2 残業代の時間単価は……

新型コロナウイルスの影響で閉店する場合、従業員にトラブルなく辞めてもらう方法はありますか。

この記事の結論 1 整理解雇はトラブルが多い。まず「話し合いで辞めてもらう」を試みる 整理解雇は手順を踏めば可能ですが、不当解雇と主張されて労働審判や訴訟になることも珍しくありません。閉店・廃業の事情を丁寧に説明し、ある程度の上乗せ金を提示して退職をお願いする「退職勧奨」が、トラブルの少ない方法としてお勧めです。 2 会社が儲かって……

労使紛争が起きにくく訴訟でも勝てる労務管理のあり方とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 形式的な法令遵守だけでは十分ではない 訴訟で勝つためには法令遵守が必要ですが、それだけでは労務管理として十分とはいえません。形式的に規則が整っていても、社員の心が離れている職場では労使紛争は起きやすく、訴訟でも不利になります。 2 「この会社で働けて幸せ」と思ってもらえる職場をつくることが目標 社員の多くが「こ……

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じませんか。

この記事の要点 ✓ 個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約・就業規則が存在する場合、それらの効力が個別合意に優先するため(労組法16条・労契法12条)、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じない 「本人が同意したから大丈夫」という発想は、既存の協約・就業規則が上位にある限り通用しません ✓ 賃金減額を有効に行うためには、先……

就業規則の変更による賃金減額が有効となるための要件を教えてください。

この記事の要点 ✓ 就業規則変更による賃金減額が有効となるためには、①労働者との合意(労契法9条反対解釈)または②変更の合理性と周知(労契法10条)のいずれかを満たす必要がある どちらも要件として認められていますが、それぞれに固有の落とし穴があります ✓ 要件①(合意変更)は、就業規則変更と個別合意を組み合わせる方法——「同意書があ……

労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、どのようなものが考えられますか。

この記事の要点 ✓ 労働協約を締結できない場合や効力が及ばない労働者への賃金減額方法は、就業規則変更(労働契約法10条)または個別合意の2つ 368番で解説した3つの手法のうち、①労働協約が使えない場合の選択肢が②就業規則変更と③個別合意です ✓ 就業規則変更による賃金減額は対象者が多数の場合に有効だが、変更の合理性(労契法10条)……

具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約により処分又は変更することは許されますか。

この記事の要点 ✓ 具体的に発生した賃金請求権を、事後に締結された労働協約によって処分または変更することは許されない(香港上海銀行事件・最高裁平成元年9月7日第一小法廷判決) 労働協約の規範的効力は、将来の労働条件の変更に作用するものであり、既発生の賃金請求権には及びません ✓ 「労働組合が同意したのだから過去分も変更できる」という……

労働組合との間で賃金減額に関する労働協約を締結した場合、賃金減額の効力は非組合員にも及びますか。

この記事の要点 ✓ 労働協約の効力は原則として組合員にのみ及ぶが、一の事業場の4分の3以上の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該事業場の他の同種労働者にも一般的拘束力が及ぶ(労組法17条) この場合、賃金減額の効力は組合員でない未組織労働者にも及びます ✓ 特定の未組織労働者に適用することが著しく不合理であると認め……

企画業務型裁量労働制の対象社員に、残業代の支払は必要ですか。

この記事の要点 ✓ 企画業務型裁量労働制は「労働時間をみなす制度」であり、残業代の支払を完全に免除する制度ではない 専門業務型裁量労働制(304番)と同様に、休憩・休日・割増賃金等の労基法規定は原則どおり適用されます ✓ 企画業務型裁量労働制は専門業務型と異なり、労使委員会の5分の4以上の多数決議と届出によって成立する——要件が非常……

専門業務型裁量労働制の対象業務とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 専門業務型裁量労働制の対象業務は、厚生労働省令で定められた19業務に限定列挙されている 省令で定められていない業務には適用できません ✓ 研究開発・情報システム設計・取材編集・デザイン・プロデューサー・コピーライター・システムコンサルタント・インテリアコーディネーター・ゲームソフト制作・金融分析・金融商品開発・大……

専門業務型裁量労働制の適用要件とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 専門業務型裁量労働制の適用要件は3つ——①労使協定の締結 ②就業規則・労働協約への規定 ③対象労働者を対象業務に就かせること 3つの要件をすべて満たして初めて適法に専門業務型裁量労働制を適用できます ✓ 要件①の労使協定には、労基法38条の3第1項各号が定める6つの事項(対象業務・みなし労働時間・具体的指示をしな……

みなし労働時間制の「通常必要とされる時間」とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 「業務の遂行に通常必要とされる時間」とは、通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間のことをいう 特定の日の例外的な長時間や短時間ではなく、「通常の状態」での時間が基準です ✓ 「平均的にみれば当該業務の遂行にどの程度の時間が必要か」により判断される——個別の日の実績ではなく業務の性質・通常の所……

事業場外みなし労働時間制と残業代支払義務は、どのような関係にありますか。

この記事の要点 ✓ みなし労働時間制は残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除するものではない 「みなし制を採用したから残業代は不要」という理解は誤りです ✓ 通常所定労働時間内に業務が終わる事案では所定労働時間労働したとみなされ、時間外割増賃金の支払を免れることがある 「免れることがある」に過ぎず、すべての場合に免れ……

使用者の具体的な指揮監督が及んでいるために、みなし労働時間制の適用が否定されるのは、どのような場合ですか。

この記事の要点 ✓ 昭和63年1月1日基発第1号は、みなし労働時間制の適用が否定される3つの具体例を示している ①グループ内に管理者がいる場合 ②無線・ポケットベル等による随時指示 ③事業場での具体的指示後に業務を行い戻る場合 ✓ ②の「無線やポケットベル等」は現代のスマートフォン・携帯電話でも同様に解釈される——随時使用者の指示を……

36協定の締結・届出とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 36協定は締結するだけでは不十分——労基署への届出が効力発生要件 届出をして初めて「時間外・休日労働をさせても労基法32条・35条違反の罪が成立しない」という効果が生じます ✓ 時間外労働の限度時間は1か月45時間・1年間360時間等が原則(1日当たりの限度時間は定められていない) 限度時間を超える特別の事情が……

時間外・休日労働をさせても労基法違反にならないためには、どうすればよいですか。

この記事の要点 ✓ 時間外・休日に労働させても労基法違反にならないためには、36協定を締結し労基署長に届け出る必要がある(労基法36条) 36協定の締結・届出なしに時間外・休日労働をさせると、それ自体が労基法32条・35条違反となります ✓ 36協定は「労働者の過半数を代表する者」との書面による合意が必要であり、事業場ごとに締結・届……

労基法32条・35条違反で時間外・休日労働をさせた場合の刑事罰とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 労基法32条・35条に違反して時間外・休日に労働させると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(労基法119条1号) 会社の社長・管理職個人も刑事罰の対象になり得ます ✓ 法人も両罰規定(労基法121条)により罰金刑の対象となる 使用者個人(社長・管理職)のみならず、法人(会社)も罰金(30万円以下)を科せ……

残業代計算の基礎となる「深夜労働時間」とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 深夜労働時間とは、深夜(22時〜5時)に労働させた時間のことをいう 22時から翌5時の間に労働させた時間が深夜割増賃金(25%以上)の対象となります ✓ 昼間勤務の場合、深夜労働は時間外労働でもあるのが通常であり、時間外割増(25%以上)と深夜割増(25%以上)の双方が発生する 昼間勤務で深夜まで残業した場合の……

休日の出張移動時間は、労働時間として扱う必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 単なる出張先への移動は、業務性がなく使用者の指揮命令下にないため、労基法上の労働時間に該当しない 行政解釈(昭和23年3月17日基発461号・昭和33年2月13日基発90号)の立場です ✓ 物品の監視・配送や人の引率を伴う等、移動自体に業務性がある場合は労働時間として扱う必要がある 移動中に業務上の義務が課され……

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