労働問題43 懲戒解雇を通知した場合に、懲戒解雇の意思表示は、同時に普通解雇の意思表示でもあるという主張は認められますか。

 この問題は、結局のところ、当該解雇の意思表示の解釈(事実認定)の問題であり、事案ごとに検討するほかありません。
 懲戒解雇のみを行ったことが明らかな場合は、普通解雇であれば有効な事案であっても、懲戒解雇の意思表示が同時に普通解雇の意思表示でもあるという主張は認められません。
 裁判例の中には「使用者が、懲戒解雇の要件は満たさないとしても、当該労働者との雇用関係を解消したいとの意思を有しており、懲戒解雇に至る経過に照らして、使用者が懲戒解雇の意思表示に、予備的に普通解雇の意思表示をしたものと認定できる場合には、懲戒解雇の意思表示に予備的に普通解雇の意思表示が内包されていると認めることができる」とするもの(岡田運送事件東京地裁平成14年4月24日判決)もありますが、「使用者が懲戒解雇の意思表示に、予備的に普通解雇の意思表示をしたものと認定できる場合」を広く考えることはできません。
 解雇する時点で、普通解雇にするのか、懲戒解雇にするのか、その理由はどのようなものなのかを明確にしておくべきであり、懲戒解雇とともに普通解雇も併せて行うのであれば、解雇通知書にその旨明記しておくべきでしょう。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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