労働問題306 専門業務型裁量労働制の対象業務を教えて下さい。
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専門業務型裁量労働制の対象業務は、厚生労働省令で定められた19業務に限定列挙されている 省令で定められていない業務には適用できません |
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研究開発・情報システム設計・取材編集・デザイン・プロデューサー・コピーライター・システムコンサルタント・インテリアコーディネーター・ゲームソフト制作・金融分析・金融商品開発・大学の教授研究の業務、および公認会計士・弁護士・建築士・不動産鑑定士・弁理士・税理士・中小企業診断士の業務の合計19業務 専門性・独自性が高く使用者の具体的指示が困難な業務が対象です |
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一般的な営業社員・事務職員等は対象業務に含まれない 名称が19業務に類似していても、実際に行っている業務の内容が対象業務の要件を満たさない場合は適用できません |
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対象業務以外の業務を複数行っている場合、当該業務に就かせているといえるかどうかが問題となる 業務の実態が対象業務に該当するかどうかの確認が不可欠です |
01専門業務型裁量労働制の対象業務の性質——限定列挙19業務
305番で解説したとおり、専門業務型裁量労働制(労基法38条の3)は、業務の性質上その遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があり、使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務(対象業務)に労働者を就かせた場合に適用されます。
対象業務は、労働基準法施行規則(労基則24条の2の2第2項)で定められた19業務に限定列挙されています。これらの業務に従事していない労働者には専門業務型裁量労働制を適用することができません。業務の名称が対象業務に類似していても、実際に行っている業務の内容が対象業務の要件を満たさない場合は適用できない点に注意が必要です。
02対象業務19種類の一覧
03対象業務の判断に当たっての注意点
業務の名称ではなく実態で判断する
「SE」「エンジニア」「アナリスト」「デザイナー」等の職種名が付いていても、実際に行っている業務が上記①〜⑲のいずれかに該当するかどうかは業務の実態で判断されます。例えば、「情報システムの分析又は設計」(②)に当たるためには、情報システムの分析・設計業務を主として担っていることが必要であり、単純なデータ入力・ルーティン的な保守作業等は「分析又は設計」に当たりません。
対象業務以外の業務も行っている場合
対象業務とその他の業務を複数担当している場合、「当該対象業務に就かせる」(要件③:305番参照)といえるかどうかが問題になります。対象業務以外の業務が主たる業務となっている場合は、裁量労働制の適用が認められない可能性があります。業務の実態を確認した上で判断することが重要です。
一般的な営業社員・事務職員は対象外
一般的な営業社員(商品・サービスの営業業務)や事務職員(一般事務・経理・総務等)は上記①〜⑲の対象業務に該当しないため、専門業務型裁量労働制を適用することはできません。これらの職種に裁量労働制を適用している場合は要件③を満たさず、適用が否定されるリスがあります。
04まとめ
専門業務型裁量労働制の対象業務は、厚生労働省令(労基則24条の2の2第2項)で定められた①〜⑲の19業務に限定されています。業務の名称ではなく実態で判断されるため、対象業務への従事が認められるかどうかは業務の実態を慎重に確認することが必要です。対象業務以外の業務(一般営業・一般事務等)に裁量労働制を適用している場合は、要件を満たさないとして後に残業代請求を受けるリスがあります。自社の従業員が対象業務に当たるかどうかの判断については、使用者側弁護士・会社側弁護士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。専門業務型裁量労働制の適用判断・就業規則の整備・残業代トラブルの予防でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。アドバイスします。
Q&Aよくある質問
Q1. 専門業務型裁量労働制の対象業務はどのような業務ですか。
A. 厚生労働省令で定められた19業務に限定されています。研究開発・情報システムの分析設計・取材編集・デザイン・プロデューサー・コピーライター・システムコンサルタント・インテリアコーディネーター・ゲームソフト制作・金融分析・金融商品開発・大学の教授研究の業務、および公認会計士・弁護士・建築士・不動産鑑定士・弁理士・税理士・中小企業診断士の業務の計19業務です。
Q2. IT(システムエンジニア・プログラマー)は専門業務型裁量労働制の対象業務になりますか。
A. 「情報システムの分析又は設計の業務」(②号)に該当する場合は対象業務となります。ただし、単純なデータ入力・ルーティン的な保守作業・指示に従ったコーディング等は「分析又は設計」に当たらない場合があります。プログラマー全般が当然に対象業務になるわけではなく、実際に行っている業務の実態で判断されます。
Q3. 営業社員は専門業務型裁量労働制の対象業務になりますか。
A. 一般的な商品・サービスの営業業務は、上記①〜⑲のいずれにも該当しないため、専門業務型裁量労働制の対象業務には当たりません。営業社員に裁量労働制を適用したい場合は、事業場外労働のみなし労働時間制(290番〜303番参照)の検討が適切です。
Q4. 対象業務に一部従事しているが他の業務も行っている場合、裁量労働制は適用できますか。
A. 「当該対象業務に就かせる」といえるかどうかが問題になります。対象業務以外の業務が主たる業務となっている場合は、裁量労働制の適用が認められない可能性があります。業務の実態を確認した上で判断することが重要ですので、使用者側弁護士・会社側弁護士に相談することをお勧めします。
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最終更新日:2026年5月10日