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基本給月額10万円、歩合給8万円(合計18万円)が最低賃金額以上かどうかを確かめるためには、どうすればいいですか。

 基本給月額10万円、歩合給8万円(合計18万円)が最低賃金額以上かどうかを確かめるためには、基本給月額10万円、歩合給8万円それぞれについて所定の時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額を比較することになります。
 仮に、一月平均所定労働時間数が160時間、当該賃金計算期間の総労働時間数が200時間とした場合、
 基本給10万円÷160時間+歩合給8万円÷200……

固定残業代(定額残業代・みなし残業)は、最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮されますか。

 残業代は、最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮されません。したがって、固定残業代(定額残業代・みなし残業)は、最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際には考慮されないことになります。
 理論的には、固定残業代(定額残業代・みなし残業)が、労働契約において時間外労働等の対価として支払うこととされているものとはいえない場合は、残業代としての実質を有……

誠実交渉義務とはどういうものですか。

 労組法7条2号は、使用者が団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むことを不当労働行為として禁止していますが、使用者が労働者の団体交渉権を尊重して誠意をもって団体交渉に当たったとは認められないような場合も、同規定により団体交渉の拒否として不当労働行為となると考えられています(カール・ツアイス事件東京地裁平成元年9月22日判決)。
 具体的には、使用者は、
 ① 労働組……

近時の中労委は、不当労働行為について定めた労組法7条の「使用者」の範囲をどのように捉えていますか。

 近時の中労委は、不当労働行為について定めた労組法7条の「使用者」の範囲に関し、ショーワ事件平成24年9月19日決定において下記「労組法第7条の使用者性を判断するための一般的な法理」を示しました。以後の事件でも同様の立場を取っていますので、「労組法第7条の使用者性を判断するための一般的な法理」は中労委の確定した見解となっているものと思われます。
 中労委により労組法7条の「使用者」に……

労働事件において民事調停はどのように利用されていますか。

 民事調停では話合いによる解決がなされます。
 労働事件において民事調停は、弁護士が代理人についていない事案、請求金額が少額な事案、法的権利があるとは言いにくい事案等に利用されています。
 東京簡易裁判所では、労働問題についての知識経験が豊富な調停委員による労働調停が試みられており、良好な成果を上げているようですので、将来的には労働調停が全国の簡易裁判所にも広まっていく……

労働審判の答弁書を作成する上での注意点を教えて下さい。

 労働審判手続の当事者は、裁判所(労働審判委員会)に対し、主張書面だけでなく、自己の主張を基礎づける証拠の写しも提出するのが通常ですが、東京地裁の運用では、労働審判委員には、申立書、答弁書等の主張書面のみが事前に送付され、証拠の写しについては送付されない扱いとなっています。労働審判員は、他の担当事件のために裁判所に来た際などに、証拠を閲覧し、詳細な手控えを取ったりして対応しているようですが、自宅で……

労働審判手続の結果に対する満足度はどうなっていますか。

 東京大学社会科学研究所の意識調査によると、労働者側は、「とても満足している」と「少し満足している」を合わせて約60%が満足していると回答しているのに対し、使用者側は、「全く満足していない」と「余り満足していない」を合わせて半分以上が満足していないと回答しています。
 労働審判は、労働者の方が、使用者よりも、満足度が高い傾向があるようです。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
……

労働審判利用の理由としては、どのようなものが多いのでしょうか。

 東京大学社会科学研究所の意識調査によると、労働者が労働審判を利用した理由としては、
 ① 公正な解決
 ② 経済的利益
 ③ 社会的名誉や自尊心
 ④ 強制力のある解決
 ⑤ 自分の権利
等が多くなっています。
 これに対し、使用者側が労働審判を利用した理由としては、
 ① 公正な解決……

紛争調整委員会が労働局長の委任を受けて行うあっせんには、どのような特徴がありますか。

 東京労働局によると、紛争調整委員会が労働局長の委任を受けて行うあっせんには、以下のような特徴があるとされています。
 ① 労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用に関するものを除く。)がその対象となります。
  (例)解雇、雇止め、配置転換・出向、降格、労働条件の不利益変更等労働条件に関する紛争、いじめ・嫌がらせ等、職場の環境に関する紛争、労働契約の承継、同業他……

民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。

 民法536条2項は任意規定であり特約で排除することができますので、民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、理論的には平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りるはずですが、裁判所は、就業規則等による民法536条2項の適用除外について慎重に判断する傾向にあります。
 例えば、いすゞ自動車(雇止め)事件東京地裁平成24年4……

基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う定額(固定)残業代は,どのような場合に有効となりますか。

[toc] 1 賃金規程等の定め  基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払ったといえるためには、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う旨の合意や賃金規程等の定めは最低限必要となります。「契約書の記載も賃金規程の定めも存在しないが、口頭で説明した。」では、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払うことが労働契約の内容になっているとは認め……

残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨の合意は有効ですか。

 残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨合意し、合意書に署名押印させていたとしても、時間外・休日・深夜割増賃金に当たる部分の額が労基法及び労基法施行規則19条所定の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか(不足する場合はその不足額)を計算(検証)することができず、残業代(割増賃金)を支払わないのと変わらない結果となるので、労基法37条の規定する時間外・……

不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が帰宅しない場合の対応を教えて下さい。

 不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が帰宅しない場合は、社内の仕事をするスペースから現実に外に出すようにして下さい。終業時刻後も社員が社内の仕事をするスペースに残っている場合、事実上、使用者の指揮命令下に置かれているものと推定され、有効な反証ができない限り、残業していると評価される可能性が高いところです。近時の裁判例の中にも、「一般論としては、労働者が事業場にいる時間は、特段の事……

従来の一般的な判断基準とは異なる判断基準を用いて管理監督者該当性を判断する見解にはどのようなものがありますか。

 『労働法 第十版』(菅野和夫著)340頁は、「近年の裁判例をみると、管理監督者の定義に関する上記の行政解釈のうち、『経営者と一体の立場にある者』、『事業主の経営に関する決定に参画し』については、これを企業全体の運営への関与を要すると誤解しているきらいがあった。企業の経営者は管理職者に企業組織の部分ごとの管理を分担させつつ、それらを連携統合しているのであって、担当する組織部分について経営者の分身と……

残業代(割増賃金)請求訴訟において、支払が命じられる可能性がある付加金の額を教えて下さい。

 残業代(割増賃金)請求訴訟では、付加金の請求もなされるのが通常で、例えば、未払の残業代(割増賃金)の額が300万円の場合、さらに最大300万円の付加金の支払(合計600万円の支払)が判決で命じられる可能性があります。
 使用者が残業代(割増賃金)の支払を怠っている場合、残業代(割増賃金)と同額の付加金の支払が命じられることが多くなっていますが、付加金の支払を命じるかどうかは裁判所の……

残業代(割増賃金)の遅延損害金の利率を教えて下さい。

 株式会社、有限会社等の営利を目的とした法人の場合、残業代(割増賃金)の遅延損害金の利率は、賃金支払日の翌日から年6%です。
 社会福祉法人、信用金庫等の営利を目的としない法人の場合、残業代(割増賃金)の遅延損害金の利率は、賃金支払日の翌日から年5%です。
 ただし、退職後の期間の遅延損害金については、年14.6%という高い利率になる可能性があります(民法419条1項・……

在社時間と労働時間の関係を教えて下さい。

 在社時間はオフィスにいる時間を意味するのに対し、労基法上の労働時間は、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれている時間を意味しますから、在社時間と労働時間が別の概念であることは明らかです。
 しかし、現実には、仕事をするスペースにいる時間は、事実上、使用者の指揮命令下に置かれているものと推定され、有効な反証ができない限り、労基法上の労働時間に該当すると判断される可能性が高いと言わ……

有期労働契約者の雇止めに労契法19条が適用された場合、雇止め制限の判断基準は正社員の解雇の判断基準と同じですか。

 有期労働契約者の雇止めに労契法19条が適用されるといっても、雇止め制限の判断基準は正社員の解雇の判断基準とは異なり、正社員の解雇と比較すれば、緩やかに客観的に合理的な理由や社会通念上の相当性が認められます。
 例えば、日立メディコ事件最高裁昭和61年12月4日第一小法廷判決は、業績悪化を理由として人員削減目的の雇止めがなされた事案に関し、「右臨時員の雇用関係は比較的簡易な採用手続で……

精神疾患の発症、増悪に本人の素因が寄与している場合は、賠償額を減額してもらえますか?

 損害の発生又は拡大に関し、被災労働者に過失がある場合には、過失の程度に応じて、損害賠償額が減額されます(民法418条、722条2項)。また、被害者の性格等の心因的要因が損害の発生又は拡大に寄与している場合には、損害を公平に分担させるという損害賠償法の理念に照らし、民法418条又は民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して、損害賠償額が減額(素因減額)されることがあります。
 電……

労災保険給付がなされれば、使用者は、労働者から損害賠償請求を受けずに済むのでしょうか。

 労基法75条~88条は、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかった場合における災害補償について規定しています。この災害補償責任は使用者の無過失責任であり、過失相殺がなされることはなく、原則として平均賃金に対する定率により補償額が決定されており、労災保険法により労災保険制度が整備されています。
 労災保険給付がなされた場合、使用者は、同一の事由については、その価額の限度において民法の……

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