労働問題506 固定残業代(定額残業代・みなし残業)は,最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮されますか。

 残業代は,最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮されません。したがって,固定残業代(定額残業代・みなし残業)は,最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際には考慮されないことになります。
 理論的には,固定残業代(定額残業代・みなし残業)が,労働契約において時間外労働等の対価として支払うこととされているものとはいえない場合は,残業代としての実質を有しないわけですから,最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮されると考えるべきこととなります。しかし,実際には,会社が固定残業代(定額残業代・みなし残業)として取り扱っている賃金について,自分から,「時間外労働等の対価として支払われたものではないから残業代ではない,最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮すべきだ」とは,言いにくいものです。会社が固定残業代(定額残業代・みなし残業)として取り扱っている賃金が,最低賃金額以上の賃金を支払っているかどうかを判断する際に考慮されるのは,訴訟などで会社のメインの主張が認められずに,固定残業代(定額残業代・みなし残業)が時間外労働等の対価として支払われたものでないと評価されてしまったような場合に限られると思います。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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