ワード:「時間外労働」

残業代計算の基礎となる「休日労働時間」とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 休日割増賃金(残業代)の計算基礎となる「休日労働時間」とは、労基法35条の法定休日(1週1休)に労働させた時間 すべての休日に働かせた時間が「休日労働」になるわけではありません ✓ 法定休日は「1週に1日」(労基法35条)。土日休み・祝祭日休みでも、法定休日は通常1日だけ それ以外の休日は「所定休日」であり、所……

残業代計算の基礎から除外される「休憩時間」とは、どのような時間ですか。

この記事の要点 ✓ 「休憩時間」とは労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいい、単に作業に従事していない時間は含まれない 行政解釈(昭和22年9月13日基発17号)による定義です。作業に従事していなくても手待ち状態であれば休憩時間にはなりません ✓ 最高裁(大星ビル管理事件・平成14年)も「労働からの解放……

就業時間外の研修・講習・自主活動の時間に、残業代は必要ですか。

この記事の要点 ✓ 就業規則・労働契約で残業代支払いを定めている場合は、当然支払い義務がある 就業規則等で「研修時間に賃金を支払う」と定めている場合は、その定めに従って支払う必要があります ✓ そのような定めがない場合でも、研修等の時間が労基法上の労働時間に該当すれば残業代支払い義務がある 1日8時間・週40時間を超える部……

長時間労働を抑制するための立法論として、どのようなものが考えられますか

この記事の要点 ✓ 割増率の引き上げは労働者の残業モチベーションを高める側面があり、長時間労働抑制効果に疑問がある 所定労働時間内に働くより残業で稼ぐ方が効率よくなるため、労働者が積極的に残業する誘因になりかねません ✓ 使用者は残業代負担増に対して賞与削減・基本給抑制で対応し、「残業しないと生活できない」労働者が増えるリス……

ダラダラ残業の最大のリスクは何ですか。

この記事の要点 ✓ ダラダラ残業の最大のリスクは残業代請求ではなく、過労死・安全配慮義務違反という取り返しのつかない問題 残業代は金銭で解決可能ですが、命や健康の喪失は取り返しがつきません ✓ 月80時間を超える時間外労働は「過労死ライン」であり、安全配慮義務違反が強く問われる水準 「本人が元気そうだった」「自ら残業してい……

終業時刻を過ぎても退社しないダラダラ残業には、会社としてどのように対応すればよいですか。

この記事の要点 ✓ 終業時刻後の在社を黙認・放置すると「黙示の残業命令あり」と評価され、残業代を支払う義務が生じるリスがある 「指示していない残業だから支払わなくていい」という理解は通用しません。上司が在社を認識しながら放置していた事実が問われます ✓ ダラダラとした在社時間でも労働時間と評価される可能性がある——「生産性が……

残業代(割増賃金)請求との関係で、使用者が労働時間を把握することには、どのような意味がありますか。

この記事の要点 ✓ 労働時間管理の義務は使用者にあり、管理を怠った場合のリスクは使用者が負担する 近年、使用者が労働時間管理を怠った場合の不利益を使用者が負うべきとする発想が強くなっています ✓ 労働時間管理を怠ると、水増しされた残業時間に基づく高額な残業代支払いを命じられるリスクがある 管理を怠っていなければ支払わずに済……

タイムカードや日報等の客観的証拠がない場合の労働時間はどのように認定されますか

この記事の結論 1 客観的証拠がなくても、社員の手帳・日記等から労働時間が推認されるリスクがある 労働時間管理の責務は使用者にあるため、裁判所は社員側の証明が不十分でも直ちに請求を棄却せず、手帳・日記等から労働時間を推認できるかが審理されます。社員が一応の立証をし、会社が反証できなければ、残業代の支払いを命じられるリスクがあります。 2 ……

タイムカードや日報の出社・退社時刻と労働時間の開始・終了時刻には、どのような関係がありますか。

この記事の結論 1 出社時刻=労働時間の開始とは限らないが、実務上は事実上推定される タイムカードの出社時刻・退社時刻が直ちに労働時間の開始・終了時刻になるわけではありませんが、実際には出社時刻≒開始、退社時刻≒終了と事実上推定されます。 2 具体的な反証がなければ「出社から退社まで-休憩」が労働時間と認定される 使用者が「出社時……

残業代(割増賃金)計算の基礎となる労働時間は、どのように把握すればよいですか。

この記事の結論 1 労働時間把握の原則は「使用者による現認」か「タイムカード等の客観的記録」 始業・終業時刻の確認・記録は、①使用者が自ら現認する方法、②タイムカード・ICカード等の客観的記録による方法が原則的方法とされています(労働時間適正把握ガイドライン)。 2 自己申告制は例外。多くの会社では客観的記録による把握が現実的 全……

労基法上の労働時間に該当するか否かは、どのような基準で判断すればよいですか。

この記事の結論 1 労働時間該当性は、指揮命令下に置かれたと客観的に評価できるかで判断する 労基法上の労働時間に当たるか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるかにより客観的に定まり、契約・就業規則・労働協約の定めでは決まりません。 2 義務付け・余儀なくされた行為は、特段の事情がない限り労働時間に該当する……

残業代算定の基礎となる労基法上の労働時間とは、どのようなものですか。

この記事の結論 1 労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう 残業代(労基法37条)の算定の基礎となる労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を指します(三菱重工業長崎造船所事件・最高裁平成12年3月9日第一小法廷判決)。 2 労働時間該当性は客観的に判断され、契約や就業規則の定めで……

所定7時間の事業場で法内残業(8時間まで)の残業代を支払わない扱いは、できますか。

この記事の結論 1 法内残業は労基法37条の規制外。就業規則・個別合意で明確に定めれば不支給扱いも可能 1日8時間までの法内残業には労基法37条の割増義務がありません。支給義務の有無は労働契約の解釈の問題であり、就業規則・個別合意で明確に定めれば支給しない扱いにもできます。 2 別段の定めがなければ通常の賃金を支払う義務あり。不支給……

残業が深夜0時を超えた場合、時間外労働はどのように取り扱い、残業代を計算すればよいですか。

この記事の結論 1 深夜0時を超えても、継続勤務は始業時刻の属する日(前日)の労働として扱う 継続勤務が2暦日にわたる場合、一勤務として始業日の労働とします(昭63.1.1基発1号)。「日付が変わったから翌日の労働」とする処理は誤りです。 2 時間外は翌日の始業時刻まで。深夜帯は時間外0.25+深夜0.25で1.50倍 翌日の始業……

特例措置対象事業場で月〜土各9時間勤務の場合、時間外労働時間はどのように算定すればよいですか。

この記事の結論 1 特例事業場で月〜土各9時間勤務の時間外労働は合計10時間 1日単位の5時間(月〜金各1時間)と、週44時間を超えた5時間(土曜の4時間超え分)の合計10時間が時間外労働です。 2 通常の事業場(合計14時間)より4時間少ない。1日8時間超は同じく発生 週の基準が44時間に緩和される分、週単位の時間外が9時間から……

特例措置対象事業場で週44時間以内でも、1日8時間超は残業代が必要になるのはなぜですか。

この記事の結論 1 「週44時間以内なら残業代不要」は誤り。1日8時間超は残業代が必要 特例が緩和するのは週の基準のみです。週の合計が44時間以内でも、1日8時間を超えた分は1日単位の時間外労働として割増賃金が必要です。 2 毎日8時間半×5日(週42.5時間)でも各日30分・計150分の残業代が発生 週44時間以内でも、各日30……

特例措置対象事業場(飲食業等・10人未満)の週44時間特例は、残業代計算にどのような影響がありますか。

この記事の結論 1 特定4業種で常時10人未満なら週44時間まで。週単位の残業代は44時間超で発生 商業・映画演劇・保健衛生・接客娯楽の4業種で常時10人未満の事業場は特例措置対象事業場に該当し、週の法定労働時間が44時間まで認められます。 2 1日8時間超は通常どおり残業代が必要。36協定・上限規制も通常適用 緩和されるのは週の……

月〜土各9時間勤務の場合、時間外労働時間は1日単位・週単位でどのように算定すればよいですか。

この記事の結論 1 月〜土各9時間勤務(日曜が法定休日)の時間外労働は合計14時間 1日単位の5時間(月〜金各1時間)と、週単位の9時間(土曜9時間)を合わせた14時間が時間外労働です。この14時間に25%以上の割増賃金が必要です。 2 1日単位で判定した時間を週単位で二重カウントしないことが計算の要 週単位の判定では、月〜金の所……

1日8時間超の時間外労働を、週40時間超の判定で二重カウントしてはならないのはなぜですか。

この記事の結論 1 1日8時間超と判定した時間を、週40時間超の判定でも重ねて計上してはならない 時間外労働は1日単位と1週間単位の両面で算定しますが、1日単位で時間外とした時間を週単位でも重複カウントするのは誤りです。週単位ではその分を除いて判定します。 2 二重カウントは会社側の過大負担。過少計算は未払いリスク。正確な算定が重要……

週休2日制でない会社における時間外労働時間は、どのように算定すればよいですか。

この記事の結論 1 週休2日でなくても判定基準は同じ。週6日×8時間は週48時間で、8時間分が毎週時間外 1日8時間以内でも、週の総労働時間が40時間を超えれば時間外労働です。週6日×8時間=48時間なら、週40時間を超える8時間分に25%の割増賃金が必要です。 2 月60時間超になりやすく50%割増や上限規制に抵触しやすい 週8……

Return to Top ▲Return to Top ▲