Q227 小規模事業場の労働時間の特例と残業代(時間外割増賃金)の支払の関係について教えて下さい。
労基法施行規則25条の2は,小規模事業場における労働時間の特例を定めており,
① 物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は理容の事業
② 映画の映写,演劇その他興行の事業
③ 病者又は虚弱者の治療,看護その他保健衛生の事業
④ 旅館,料理店,飲食店,接客業又は娯楽場の事業
のうち,常時10人未満の労働者を使用するもの(特例措置対象事業場)
については,労基法32条の規定にかかわらず,1週間については44時間,1日については8時間まで労働させることができるとしています。
特例措置対象事業場についても,1日8時間を超えて労働させた場合には時間外労働となりますが,1週間については40時間を超えて労働させても時間外労働とはならず,44時間を超えて労働させて初めて時間外労働となります。
したがって,1週間については44時間を超えて労働させて初めて,残業代(時間外割増賃金)の支払が必要となります。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎