ワード:「問題社員」
休憩時間の自由利用に制限を加えることはできますか。
使用者は、労働者に対し、休憩時間を自由に利用させなければなりません(労基法34条3項)。
ただし、休憩時間の自由利用も絶対的なものではなく、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは休憩の目的を損なわない限り差し支えありません(昭和22年9月13日基発第17号)。休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせることも、事業場内において自由に休息し得る場合には、必ずしも違法にはなり……
ただし、休憩時間の自由利用も絶対的なものではなく、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは休憩の目的を損なわない限り差し支えありません(昭和22年9月13日基発第17号)。休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせることも、事業場内において自由に休息し得る場合には、必ずしも違法にはなり……
有期契約労働者が正社員と同じ待遇を要求する。
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1 問題の所在
有期契約労働者の労働条件は個別労働契約、就業規則等により決定されるべきものですので、正社員と同じ待遇を要求することは認められないのが原則です。
しかし、有期契約労働者が正社員と同じ仕事に従事し、同じ責任を負担しているにもかかわらず、単に有期契約というだけの理由で労働条件が低くなっているような場合には、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁……
しかし、有期契約労働者が正社員と同じ仕事に従事し、同じ責任を負担しているにもかかわらず、単に有期契約というだけの理由で労働条件が低くなっているような場合には、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁……
不採用通知に抗議する。
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1. 採用の自由
憲法22条、29条は、財産権の行使、営業その他広く経済活動の自由を基本的人権として保障しており、使用者は経済活動の一環として契約締結の自由を有していますので、自己の営業のために労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由に決定することができます(三菱樹脂事件最高裁昭和……
賃金減額に同意したのに賃金減額は無効だと主張する。
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1. 社員との合意による賃金減額
労働契約法8条は、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と規定しており、賃金減額のような労働条件の不利益変更は、社員との合意により行うのが原則となります。
ただし、個別合意により、労働協約や就業規則で定める基準に達しない水準に賃金を減額することはできません。また、賃金減額の同意……
ただし、個別合意により、労働協約や就業規則で定める基準に達しない水準に賃金を減額することはできません。また、賃金減額の同意……
自律的な判断ができず指示された仕事しかしない。
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「指示待ち人間」とは
1981年にも,言われたことはこなすが言われるまでは何もしない新入社員を表現する造語として,「指示待ち世代」「指示待ち族」といった言葉が流行したことがあります。現在においても,命令したことしかしない,あるいはしようとしない若者の対応に頭を悩ませる管理職は多く,そういった若者は「指示待ち人間」等と呼ばれることがあるようです。
新人社員が,上司か……
新人社員が,上司か……
再雇用後の賃金が定年退職前よりも下がることにクレームをつける。
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1. 再雇用後の賃金水準に対する規制
高年法上、継続雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく、年金支給開始年齢の65歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的、パート労働法8条、労契法20条、最低賃金法等の強行法規、公序良俗に反しない限り、就業規則、個別労働契約等において自由に定めることができます。
定年後に再雇用された社員の賃金水準が定年……
定年後に再雇用された社員の賃金水準が定年……
解雇していないのに出社しなくなった社員が解雇されたと主張する。
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1 退職届を提出させることの重要性
社員が口頭で会社を辞めると言って出て行ってしまったような場合、退職届等の客観的証拠がないと口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず、解雇したと認定されたり、合意退職も成立しておらず解雇もされていないから労働契約は存続していると認定されたりすることがあります。
退職の申出があった場合は口頭で退職を承諾するだけでなく、……
退職の申出があった場合は口頭で退職を承諾するだけでなく、……
飲み会で部下に飲酒を強要する。
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1 飲酒強要の問題点
上司と部下が酒食を共にすることは、普段の仕事とは違った打ち解けた雰囲気での親密なコミュニケーションを促し、円滑な人間関係の形成に資する面がありますが、体質上、お酒を全く飲めない人もいますし、お酒が弱いだけである程度は飲める人であっても、体調や気分次第では飲酒したくないこともあり、一緒にお酒を飲みさえすれば人間関係が良くなるというものではありません。お酒の最低……
部下に過大なノルマを課したり仕事を干したりする。
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1 過大なノルマの問題点
部下に対し一定のノルマを課すこと自体は合理的なことであり、上司にしてみれば、ノルマを達成できるだけの高い能力とやる気のある社員だけ残ればいいという発想なのかもしれません。しかし、とても達成できないような過大なノルマを部下に課すことに経営上の合理性はなく、部下のモチベーションが上がらず営業成績を高めることができない結果となったり、せっかく費用をかけて採用し……
ソーシャルメディアに問題映像を投稿する。
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1 ソーシャルメディアへの問題映像の投稿を防止するための事前対応
ソーシャルメディア上の情報は拡散しやすいため、元の問題映像の投稿を削除しても、ソーシャルメディア上の情報を完全に消去することはできなくなることがあります。ソーシャルメディアには文字だけでなく映像を公開することができるものも多く、映像が極めて強いインパクトをもたらすことがあります。強いインパクトをもたらした映像に関し……
ホウレンソウ(報・連・相)ができない。
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1 ホウレンソウ(報・連・相)の重要性
いわゆるホウレンソウ(報・連・相)は、「報告・連絡・相談」の略語です。一般的には、部下が仕事を遂行する上で上司との間で取る必要のあるコミュニケーションの手段を表す言葉として、ホウレンソウ(報・連・相)が用いられることが多いようです。
報・連・相が適切に行われれば、仕事の進捗状況や会社の問題点についての情報を共有することができ……
報・連・相が適切に行われれば、仕事の進捗状況や会社の問題点についての情報を共有することができ……
営業社員が営業中に仕事をサボる。
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1 営業中に営業社員が仕事をサボっている情報を入手した場合の対応
営業中に営業社員が仕事をサボっている情報を入手した場合、まずは当該営業社員が何月何日の何時頃どこでどのようにサボっていたのかといった事実関係を整理するとともに裏付け証拠を収集します。
それが会社として容認できない程度のものである場合は、当該営業社員から事情を聴取して下さい。事情を聴取するのは気まず……
それが会社として容認できない程度のものである場合は、当該営業社員から事情を聴取して下さい。事情を聴取するのは気まず……
健康診断に要する時間は労基法上の労働時間に該当しますか。
一般健康診断(安衛法66条1項)に関し、昭和47年9月18日基発第602号は、「健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払については、労働者一般に対して行われるいわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく、……
定年退職者を再雇用した場合の雇用期間を1年とすることはできますか。
再雇用後の雇用期間については、特段の規制がありませんので、雇用期間を1年とすることができます。
ただし、高年法9条は、65歳までの継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置を講じることを要求していますので、1年契約とは言っても、65歳までは契約が更新されることについて、合理的期待があると考えざるを得ません。
したがって、65歳になる前に契約期間満了で雇止めをする場合は、……
ただし、高年法9条は、65歳までの継続雇用制度等の高年齢者雇用確保措置を講じることを要求していますので、1年契約とは言っても、65歳までは契約が更新されることについて、合理的期待があると考えざるを得ません。
したがって、65歳になる前に契約期間満了で雇止めをする場合は、……
退職勧奨しても退職しない。
退職勧奨の法的性格は、通常は、使用者が労働者に対し合意退職の申込みを促す行為(申込みの誘引)と評価することができます。
労働者が退職勧奨に応じて退職を申し込み、使用者が労働者の退職を承諾した時点で退職の合意が成立することになります。 退職勧奨を行うにあたっては、担当者の選定が極めて重要となります。
退職勧奨が紛争の契機となることが多いこともあり、相手の気持ちを……
労働者が退職勧奨に応じて退職を申し込み、使用者が労働者の退職を承諾した時点で退職の合意が成立することになります。 退職勧奨を行うにあたっては、担当者の選定が極めて重要となります。
退職勧奨が紛争の契機となることが多いこともあり、相手の気持ちを……
精神疾患を発症したのは長時間労働や上司のパワハラ・セクハラのせいだと主張して損害賠償請求してくる。
長時間労働や上司のパワハラ・セクハラが原因となって労働者が精神疾患を発症した場合、使用者は安全配慮義務違反(労契法5条、民法415条)又は使用者責任(民法715条)を問われ、損害賠償義務を負うことがあります。
過去の裁判例、心理的負荷による精神障害の労災請求事案において業務上外を判断する際に用いられる「心理的負荷による精神障害の認定基準(平成23年12月26日基発1226第1号)……
過去の裁判例、心理的負荷による精神障害の労災請求事案において業務上外を判断する際に用いられる「心理的負荷による精神障害の認定基準(平成23年12月26日基発1226第1号)……
管理職なのに部下を管理できない。
まずは、自分で仕事をこなす能力と、部下を管理する能力は、別の能力であることをよく理解した上で、人員の配置を行うことが重要です。
自分で仕事をこなす能力が高い社員であっても、部下を管理する能力は低いということは、珍しくありません。 部下を管理できない理由が、単なる経験不足によるものである場合は、部下の管理方法について指導しながら経験を積ませたり、研修を受けさせたりして教育するこ……
自分で仕事をこなす能力が高い社員であっても、部下を管理する能力は低いということは、珍しくありません。 部下を管理できない理由が、単なる経験不足によるものである場合は、部下の管理方法について指導しながら経験を積ませたり、研修を受けさせたりして教育するこ……
ソーシャルメディアに社内情報を書き込む。
ソーシャルメディアへの不適切な社内情報の書き込みを防止するための事前対応としては、ソーシャルメディアの利用に関するガイドラインを作成し、ガイドラインの遵守義務を就業規則で定めて周知させ、繰り返しガイドライン遵守の重要性を伝えること等が考えられます。
就業時間内は、社員は職務専念義務を負っているため、書き込みの内容にかかわらず、就業時間内にソーシャルメディアへの書き込みを行わないよう命じること……
定年後再雇用に関する紛争の近時の傾向について教えて下さい。
従来は、定年後の継続雇用を拒絶された高年齢者が継続雇用されないのは不当だとして継続雇用又は損害賠償を請求されることが多かったのですが、近時は継続雇用後の労働条件の交渉が中心です。
雇用と年金の接続が重要な国家的課題となっている現在においては、継続雇用基準が認められている企業においても、継続雇用自体を拒否するのは、余程の事案でない限りお勧めできません。高年齢者にとっても死活問題です……
雇用と年金の接続が重要な国家的課題となっている現在においては、継続雇用基準が認められている企業においても、継続雇用自体を拒否するのは、余程の事案でない限りお勧めできません。高年齢者にとっても死活問題です……
社員を引き抜いて、同業他社に転職する。
在職中は、労働契約上の誠実義務として、同業他社に勤務したり、自ら同業他社を経営したりすることは当然禁止されますが、退職後は、競業避止特約がある場合に限り、合理的な範囲内においてのみ競業が禁止されることになります。
特約がない場合であっても、労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して、使用者が取引継続中のものに働きかけをして競業を行うことは許されず、そのような働きか……
特約がない場合であっても、労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して、使用者が取引継続中のものに働きかけをして競業を行うことは許されず、そのような働きか……