ワード:「会社側」

休憩時間内に必要に応じて実作業に従事するよう指示した場合、実作業に従事する可能性がほとんどない場合であっても、労基法上の労働時間に当たることになるのでしょうか。

 大星ビル管理事件最高裁平成14年2月28日第一小法廷判決が、「上告人らは、本件仮眠時間中、労働契約に基づく義務として、仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられているのであり、実作業への従事がその必要が生じた場合に限られるとしても、その必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に上記のような義務付けがなされていないと認めることができるような事情も存しないから、……

労基法に基づく残業代(割増賃金)計算の基礎となる労働時間から除外される「休憩時間」とは、どのような時間のことをいいますか。

 行政解釈では、「休憩時間」(労基法34条)の意義に関し、「休憩時間とは単に作業に従事しない手待時間を含まず労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取扱うこと。」(昭和22年9月13日基発17号)とされており、「休憩時間」といえるためには「労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間」である必要があるものと考えられています。……

合宿研修の時間は、労基法上の労働時間に該当しますか。

 合宿研修は、業務命令により参加が命じられたり、合宿研修に参加しないと何らかの不利益を課されたり、合宿研修に参加しないと業務遂行に必要な知識技能が習得できず、業務に具体的な支障が生じるような場合は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるため、合宿研修に要した時間は、食事時間等の休憩時間や睡眠時間を除き、労基法上の労働時間に該当します。
 研修カリ……

有期契約労働者が正社員と同じ待遇を要求する。

[toc] 1 問題の所在  有期契約労働者の労働条件は個別労働契約、就業規則等により決定されるべきものですので、正社員と同じ待遇を要求することは認められないのが原則です。
 しかし、有期契約労働者が正社員と同じ仕事に従事し、同じ責任を負担しているにもかかわらず、単に有期契約というだけの理由で労働条件が低くなっているような場合には、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁……

賃金減額に同意したのに賃金減額は無効だと主張する。

[toc] 1. 社員との合意による賃金減額  労働契約法8条は、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と規定しており、賃金減額のような労働条件の不利益変更は、社員との合意により行うのが原則となります。
 ただし、個別合意により、労働協約や就業規則で定める基準に達しない水準に賃金を減額することはできません。また、賃金減額の同意……

自律的な判断ができず指示された仕事しかしない。

[toc] 「指示待ち人間」とは  1981年にも,言われたことはこなすが言われるまでは何もしない新入社員を表現する造語として,「指示待ち世代」「指示待ち族」といった言葉が流行したことがあります。現在においても,命令したことしかしない,あるいはしようとしない若者の対応に頭を悩ませる管理職は多く,そういった若者は「指示待ち人間」等と呼ばれることがあるようです。
 新人社員が,上司か……

再雇用後の賃金が定年退職前よりも下がることにクレームをつける。

[toc] 1. 再雇用後の賃金水準に対する規制  高年法上、継続雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく、年金支給開始年齢の65歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的、パート労働法8条、労契法20条、最低賃金法等の強行法規、公序良俗に反しない限り、就業規則、個別労働契約等において自由に定めることができます。
 定年後に再雇用された社員の賃金水準が定年……

解雇していないのに出社しなくなった社員が解雇されたと主張する。

[toc] 1 退職届を提出させることの重要性  社員が口頭で会社を辞めると言って出て行ってしまったような場合、退職届等の客観的証拠がないと口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず、解雇したと認定されたり、合意退職も成立しておらず解雇もされていないから労働契約は存続していると認定されたりすることがあります。
 退職の申出があった場合は口頭で退職を承諾するだけでなく、……

部下に過大なノルマを課したり仕事を干したりする。

[toc] 1 過大なノルマの問題点  部下に対し一定のノルマを課すこと自体は合理的なことであり、上司にしてみれば、ノルマを達成できるだけの高い能力とやる気のある社員だけ残ればいいという発想なのかもしれません。しかし、とても達成できないような過大なノルマを部下に課すことに経営上の合理性はなく、部下のモチベーションが上がらず営業成績を高めることができない結果となったり、せっかく費用をかけて採用し……

ホウレンソウ(報・連・相)ができない。

[toc] 1 ホウレンソウ(報・連・相)の重要性  いわゆるホウレンソウ(報・連・相)は、「報告・連絡・相談」の略語です。一般的には、部下が仕事を遂行する上で上司との間で取る必要のあるコミュニケーションの手段を表す言葉として、ホウレンソウ(報・連・相)が用いられることが多いようです。
 報・連・相が適切に行われれば、仕事の進捗状況や会社の問題点についての情報を共有することができ……

資格試験の受験時間、受験準備のための勉強時間、講習会参加の時間は、労基法上の労働時間に該当しますか。

 一定の資格保持者が必要となった等の理由から、会社が、社員に対し、業務命令で資格試験の受験、受験勉強、講習会への参加等をさせた場合や、参加しないと何らかの不利益を課されるような場合は、これらに要した時間は、会社の指揮命令下に置かれた時間と評価できますので、労基法上の労働時間に該当します。
 他方、会社が資格取得を奨励しており、何らかの支援措置を採っていたとしても、会社がそれを強制して……

「自由参加」の社内研修や勉強会の時間は、労基法上の労働時間に該当しないですよね。

 純然たる自由参加で、社員が参加しなくても何の不利益も課されず、業務に具体的な支障が生じないような場合は、研修等に要した時間は労働時間には該当しません。
 しかし、「自由参加」と言いながら、参加しないと賃金や人事考課等で不利益を受けたり、社員研修等に参加しないと業務に必要不可欠な知識を習得できない等、業務に具体的な支障が生じたりするような場合は、参加を余儀なくされたと評価されるため、……

研修等の労働時間性を判断するにあたり、「教育・研修の内容と業務との関連性が強く、それに参加しないことにより本人の業務に具体的な支障が生ずるか否か」が問題とされているのはどうしてですか。

 研修等の内容が業務遂行上必要な知識技能の習得を目的としており、研修等に参加しないと業務遂行自体が不可能または困難になるような場合は、業務遂行のためには研修等に参加するほかありませんから実質的にみて出席の義務付けがあると評価することができるのに対し、研修等に参加しなくても業務遂行に格段の支障は生じないような場合には、実質的にみて出席の義務付けがあるとまでは評価することができないからです。続きを見る

研修等の労働時間性を判断するにあたり、「就業規則上の制裁等の不利益な取扱いの有無」が問題となるのはどうしてですか。

 名目上は自由参加とされていても、研修等に出席しないと就業規則上の制裁が課される等の不利益取扱いがなされるのであれば、社員が不利益取扱いを回避するためには研修等に参加するほかなく、不利益の程度によっては業務命令で参加を義務付けたのと変わらない結果になり、使用者の指揮命令下に置かれているものと評価することができますので、当該研修等に要した時間は労働時間と評価されるからです。   ……

就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間について、残業代を支払う必要があるかどうかは、どのような基準で判断すればいいのですか。

 まず、
 ① 就業規則や労働契約において、就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間について、残業代を支払う旨定められているなどして、残業代を支払うことが労働契約の内容となっている場合
には、当然、残業代を支払う必要があります。
 このような定めがない場合であっても、
 ② 就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間が、労基法上……

健康診断に要する時間は労基法上の労働時間に該当しますか。

 一般健康診断(安衛法66条1項)に関し、昭和47年9月18日基発第602号は、「健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払については、労働者一般に対して行われるいわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく、……

長時間労働を抑制するための立法論として、どのようなものが考えられますか。

 平成22年4月1日施行の改正労基法では、一定時間以上の法定時間外労働に対する残業代(割増賃金)の割増率を上げることで使用者の負担を大きくし、長時間労働の抑制を図ろうとしているようですが、割増率を上げたのでは労働者が残業するモチベーションを高めることになってしまいますから、長時間労働の抑制にはならないのではないでしょうか。所定労働時間に働いて稼ぐよりも、残業で稼いだ方が、効率がいいことになってしま……

ダラダラ残業の最大のリスクとは?会社経営者が知るべき過労死・安全配慮義務違反の重大責任

[toc] 1. ダラダラ残業の本質的な問題とは何か  ダラダラ残業の最大の問題は、単なる「残業代(割増賃金)の増加」ではありません。本質は、労働時間管理が形骸化し、長時間労働が常態化することで、会社経営者が負う法的責任と経営リスクが拡大していく点にあります。  確かに、残業代請求が発生すれば未払賃金や付加金、遅延損害金の問題が生じます。しかし、それは金銭的な問題にとどまります。一方で、ダラ……

残業時間が長いのは仕事熱心だからだとは思いませんか。

 優秀な社員には重要な仕事が集中する傾向にありますから、トップクラスの成果を上げている優秀な社員の残業時間が長い場合には、仕事熱心だから残業時間が長くなっていると評価できるのかもしれません。優秀な社員には多くの重要な仕事を任せたいという要請がある一方、長時間残業を放置するわけにもいきませんから、優秀な社員をサポートする部下を増やすなどして、本人の負担軽減に努めて下さい。
 他方、残業……

終業時刻を過ぎても退社しないままダラダラと会社に残っている社員がいる場合、会社としてはどのような対応をすべきですか?

[toc] 1. 終業時刻後に会社に残る社員が抱える法的リスク  終業時刻を過ぎても退社せず、特段の指示がないまま会社に残っている社員がいる場合、会社経営者が想定している以上に大きな法的リスクを抱えることがあります。単に「指示していない残業」であるからといって、問題が生じないわけではありません。  特に注意すべきなのは、上司や会社が、社員が終業時刻後も在社している事実を把握しながら、これを黙……

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