労働問題662 事業場外で業務に従事していない場合でも、事業場外労働のみなし労働時間制を適用することはできますか?

 事業場外労働のみなし労働時間制を適用する場合には、以下の2つの要件を満たす必要があります。
① 「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合」であること
② 「労働時間を算定し難いとき」に当たること
 事業場外労働のみなし労働時間制は、事業場外で業務に従事した場合の制度なので、事業場外での業務に従事していない場合には、労働時間を算定し難い場合であったとしても、事業場外労働のみなし労働時間制は適用されません。
 もっとも、労働者が労働時間の「一部」について事業場外で業務に従事した場合にも適用があるので、労働者が事業場外と事業場内の両方で業務に従事した場合も、事業場外労働のみなし労働時間制は適用される可能性があります。
 「事業場外の範囲は、使用者の具体的な指揮監督の困難性の程度により決定されるものであり、就業規則の制定単位や労使協定の締結単位である「事業場」とは必ずしも一致しません。
 「業務」には、恒常的な業務のみならず、出張などの臨時的業務も含まれます。
 事業場外労働の範囲に関しては、次の行政解釈(昭和63年1月1日基発第1号)があります。

 事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象となるのは、事業場外で業務に従事し、かつ、使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間を算定することが困難な業務であること。したがって、次の場合のように、事業場外で業務に従事する場合にあっても、使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合については、労働時間の算定が可能であるので、みなし労働時間制の適用はないものであること。
① 何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
② 事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
③ 事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場にもどる場合

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