労働問題198 定年退職者から「従来と同じ条件で継続雇用してほしい」と要求された場合、応じる必要はありますか。

この記事の結論
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定年退職者を継続雇用した場合の労働条件について、法律上特別の規制はない

会社は就業規則・個別労働契約において、継続雇用後の労働条件を自由に設定できます。

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労働契約・就業規則等で「従来同条件」の定めがある場合でない限り、要求に応じる必要はない

逆に言えば、そのような定めがある場合はその定めに従う必要があります。

 従来同条件での継続雇用要求とは、定年退職者が会社に対し、定年前と同一の賃金・労働条件のまま継続雇用することを求める要求をいい、就業規則等に特段の定めがない限り、会社がこれに応じる法的義務は生じません。「定年退職を控えた社員から、今までと同じ給料のまま働かせてほしいと言われている」というご相談をいただくことがあります。

 本ページでは、定年退職者から従来同条件での継続雇用を要求された場合の対応について、会社側専門の弁護士が解説します。

01継続雇用後の労働条件に特別の法規制はありません

 結論:定年退職者を継続雇用した場合の労働条件について、特別の規制はなされていません。会社は、就業規則・個別労働契約において、継続雇用後の労働条件を自由に設定することができます。

02就業規則・労働契約に定めがある場合は例外です

 結論:労働契約、就業規則等で定年退職後も従来と同じ労働条件で継続雇用する旨が定められている場合でない限り、要求に応じる必要はありません。逆に言えば、そのような定めがある場合は、その定めに従う必要があります。自社の就業規則にこのような規定がないか、まず確認することが重要です。

03実務上の対応|要求への回答の仕方

 結論:定年退職者から従来同条件での継続雇用を要求された場合は、まず就業規則・労働契約の記載内容を確認した上で、そのような定めがなければ、会社として提示する労働条件を改めて説明し、理解を求めることが実務上の対応になります。要求をそのまま受け入れるかどうかは会社の判断に委ねられており、会社の体力・本人の能力等を踏まえた合理的な条件を提示すれば足ります。

 継続雇用後の労働条件をめぐる要求への対応・就業規則の整備については、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。会社側専門の弁護士として、会社側の立場から実務的なアドバイスを提供しています。

要求対応の比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(誤った対応のリスク)
就業規則・労働契約の記載内容を確認してから回答する 確認せず口頭のみで対応してしまう
提示する労働条件の根拠を丁寧に説明する 説明なく一方的に条件を押し付ける
要求への回答は書面で残す 曖昧な回答のまま放置する
就業規則に継続雇用後の労働条件を明記しておく 就業規則に何も定めず都度個別対応する

04よくある質問(FAQ)

Q. 就業規則に「継続雇用後も従来の労働条件を維持する」と定めていた場合、変更できますか。

就業規則の変更には、労働契約法9条・10条の要件(労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更後の内容の相当性等)を満たす必要があります。既に定めている労働条件を一方的に不利益変更することは容易ではないため、変更を検討する場合は事前に弁護士に相談することをお勧めします。

Q. 「従来と同じ条件でなければ辞める」と言われた場合、どう対応すべきですか。

会社として提示できる合理的な労働条件を説明した上で、最終的には本人の判断に委ねることになります。従来同条件での継続を拒否したとしても、合理的な条件を提示している限り高年法違反にはなりません。ただし、対応の経緯は書面で記録しておくことが重要です。

Q. 就業規則に継続雇用後の労働条件を定めていない場合、今から定めるべきですか。

はい、トラブル予防の観点から、継続雇用後の賃金体系・労働条件をあらかじめ就業規則に明記しておくことを強くお勧めします。個別交渉に委ねる部分と、あらかじめ制度化しておく部分を整理し、弁護士に相談しながら規定を整備することが望ましいです。

経営上のポイント 定年退職者を継続雇用した場合の労働条件について、法律上特別の規制はありません。労働契約・就業規則等で従来同条件での継続雇用が定められている場合でない限り、要求に応じる必要はなく、会社は合理的な条件を提示すれば足ります。再雇用後の雇用期間を1年とすることの可否と65歳前雇止めとあわせて、継続雇用後の労働条件対応について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。継続雇用後の労働条件をめぐる要求への対応でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月11日

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