労働問題452 合同労組(ユニオン)との団体交渉に臨む際の注意点を教えて下さい。


この記事の結論
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「争えばよい」でも「譲歩すれば解決する」でもない

合同労組との団体交渉は、強硬な対立も安易な譲歩も得策ではありません。当該組合の性格・客観的事実関係を正確に把握し、事案に応じた対応が必要です。

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専門家なしでは不当労働行為でない言動まで萎縮しやすい

弁護士等の専門家がついていないと、不当労働行為ではない言動まで不当労働行為と言われて萎縮し、交渉が不利になることがあります。正しい知識を持って臨むことが重要です。

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組合の性格と事実関係を正確に把握したうえで対応を決める

どの組合も同じではありません。組合の活動スタイル・要求の内容・背景にある事実関係を整理したうえで、事案に応じた対応方針を立てることが重要です。

参考動画

01「争えばよい」でも「譲歩すれば解決する」でもない

 合同労組(ユニオン)と争えばよいというものではありませんが、譲歩すれば解決するというものでもありません。

 強硬な対立姿勢を取れば、不当労働行為として労働委員会に申し立てられたり、街宣活動がエスカレートしたりするリスクがあります。一方で、要求に安易に応じれば、さらなる要求につながったり、会社の正当な立場を損なったりすることもあります。

 合同労組との団体交渉は、「とにかく解決すれば良い」でも「絶対に譲らない」でもなく、事案の内容と組合の性格に応じた対応が求められます。まず冷静に状況を把握することが出発点です。

02組合の性格と事実関係の正確な把握が前提

 当該合同労組の性格、客観的事実関係等を正確に把握したうえで、事案に応じた対応が必要です。

 合同労組といっても、その活動スタイルや交渉姿勢は組合によって異なります。比較的穏健な交渉を求める組合もあれば、街宣活動や労働委員会への申立てを積極的に活用する組合もあります。どのような組合であるかを事前に調べることが重要です。

 また、交渉の前提として、従業員から主張されている事実関係を正確に把握しておくことも重要です。会社側の認識と従業員の主張がどこでどのように食い違っているのかを整理しておかなければ、交渉の場で適切な回答ができません。事実関係の確認を怠ったまま団体交渉に臨むことは、会社側の立場を弱くする要因になります。

03不当労働行為への萎縮が招く交渉上の不利

 弁護士等の専門家がついていないと、不当労働行為ではない言動まで不当労働行為と言われて萎縮し、交渉が不利になることがあります。

 組合側が「それは不当労働行為だ」と主張してくる場面があっても、法的に見て実際には不当労働行為に当たらないケースも少なくありません。例えば、会社側が要求に応じられない理由を明確に説明すること、要求に応じない旨を明示すること、交渉の日程や場所について合理的な提案をすることなどは、適法な対応です。

 しかし、専門家なしでは「不当労働行為」という言葉に過剰に反応して不必要に譲歩してしまったり、逆に対応を誤ったりすることがあります。不当労働行為に当たるかどうかを正確に判断するためには、労働組合法の知識が必要です。

04団体交渉で避けるべき対応

団体交渉で避けるべき主な対応

① 正当な理由なく団体交渉を拒否する:不当労働行為(労組法7条2号)に当たります。申し入れを受けた場合は、原則として応じる必要があります。
② その場での安易な合意:交渉の場での発言や合意は後に効力を持つことがあります。要求に対してその場で即断することは避けるべきです。
③ 感情的な言動:録音されている可能性があります。発言内容が後に問題となることがあるため、冷静に対応することが重要です。
④ 組合員への不利益取扱い:組合加入や団体交渉申し入れを理由とした解雇・降格・減給等は不当労働行為に当たります。

05専門家関与の重要性

 合同労組との団体交渉は、労働組合法・労働契約法・個別の事実関係が複雑に絡み合う場面です。専門家(使用者側弁護士)が関与することで、不当労働行為かどうかの判断、交渉の場での適切な発言・対応、会社の法的立場の整理、組合からの要求に対する回答方針の策定などについて、適切な判断が可能になります。

 弁護士を団体交渉に同席させることは、労働組合法上認められています。組合側に専門家がいる場合には、会社側も専門家を同席させることで、対等な立場での交渉が可能になります。

経営上のポイント 合同労組との団体交渉は、対立も譲歩も一辺倒な対応では解決しません。組合の性格と事実関係を正確に把握し、専門家の助言のもとで事案に応じた対応をとることが、会社を守るための合理的な経営判断です。アドバイスします。

SUPERVISOR 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

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Q&Aよくある質問

Q1. 組合から「不当労働行為だ」と言われました。どう対応すればよいですか。

A. まず、指摘された行為が本当に不当労働行為に当たるかどうかを確認することが重要です。「不当労働行為だ」と主張されても、法的に実際に不当労働行為に当たらないケースも多くあります。萎縮して安易に譲歩する前に、使用者側弁護士に相談し、対応方針を整理することをお勧めします。

Q2. 団体交渉で録音されていることを前提に対応すべきですか。

A. 録音されている可能性は十分あります。団体交渉の場では録音は法的に禁止されていませんので、常に録音されていることを前提に、冷静かつ慎重に発言することが重要です。また、会社側も交渉の記録を残しておくことが後のトラブル予防につながります。

Q3. 団体交渉の回数・時間・場所について、会社側から条件を提示できますか。

A. できます。団体交渉に応じる義務はありますが、交渉の日時・場所・時間・出席人数などについては、合理的な範囲で会社側の条件を提示することが可能です。組合の要求に全面的に従う必要はなく、業務に支障のない範囲での対応を提案することは適法です。

最終更新日:2026年2月25日

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