労働問題849 賃金規程は労基署に届け出る必要がありますか。
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賃金規程は就業規則の一部であり、届出が必要になる 賃金規程は、就業規則の賃金に関する規定を別途まとめて定めたものであり、就業規則の一部です。常時10人以上の労働者を使用し就業規則の作成・届出義務を負う使用者が賃金規程を別途作成した場合、賃金規程も労基署に届け出る必要があります(労基法89条柱書)。 |
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届出を怠ると刑罰の対象になり得る 就業規則と別に賃金規程を定めているにもかかわらず労基署に届け出ていない場合、刑罰を受ける可能性があります(労基法120条1号)。 |
848の記事で解説した賞与規定と同様、賃金に関する規定を、就業規則本体とは別に「賃金規程」として独立させて定めている会社は少なくありません。この場合、届出手続を見落としているケースが実務上よく見受けられます。
会社側専門の弁護士の立場から、賃金規程の労基署への届出義務を解説します。
01賃金規程は就業規則の一部
賃金規程は、就業規則の賃金に関する規定を別途まとめて定めたものであり、就業規則の一部です。常時10人以上の労働者を使用し、就業規則の作成・届出義務を負う使用者が賃金規程を別途作成した場合、賃金規程も労基署に届け出る必要があります(労基法89条柱書)。
「賃金規程は就業規則とは別物だから、届出は不要」という理解は誤りです。名称や体裁が別であっても、実質的には就業規則の一部を構成するものであるため、就業規則本体と同様の届出義務が及びます。
02届出を怠った場合のリスク
就業規則と別に賃金規程を定めているにもかかわらず労基署に届け出ていない場合、刑罰を受ける可能性があります(労基法120条1号)。単なる手続の不備にとどまらず、法的な制裁の対象になり得る点に注意が必要です。
03会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、就業規則を作成・変更する際、賃金規程、退職金規程、育児介護休業規程など、就業規則本体から独立させて定めている各種規程がある場合、それらもすべて就業規則の一部として、労基署への届出対象になることを確認しておく必要があります。
特に、賃金規程を改定した際に、就業規則本体の変更届は提出したものの、賃金規程単体の届出を失念しているというケースは、実務上少なくありません。就業規則関連の各種規程を一覧化し、それぞれの改定状況・届出状況を管理する仕組みを整えておくことをお勧めします。
04よくある質問(FAQ)
Q. 就業規則本体を届け出ていれば、賃金規程は別途届け出なくてもよいですか。
別途届け出る必要があります。賃金規程も就業規則の一部であるため、これを別に作成した場合には、賃金規程自体も労基署に届け出る必要があります。
Q. 賃金規程の届出を怠っていた場合、どうなりますか。
労基法120条1号に基づき、刑罰を受ける可能性があります。
Q. 従業員10人未満の会社でも、賃金規程を届け出る必要がありますか。
常時10人未満の労働者を使用する事業場は、そもそも就業規則の作成・届出義務がないため、賃金規程についても届出義務は生じません。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。就業規則・各種規程の整備でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日