労働問題1024 仕事中にゲームをする社員を懲戒・解雇することはできますか

この記事の要点

仕事中のゲームは職場規律違反として懲戒処分の対象となる

就業時間中に業務と無関係な行為(ゲーム・SNS・ネットサーフィン等)を繰り返すことは、職務専念義務違反として懲戒処分が認められやすい

一発で解雇は難しい——注意指導・懲戒処分の積み重ねが必要

いきなり解雇は無効になるリスクが高い。証拠を確保しながら段階的な処分を重ねることで、解雇の有効性が認められやすくなる

証拠の確保と注意指導の記録が対応の成否を分ける

「仕事中にゲームをしていた」という具体的な事実(日時・場所・状況)の記録が、後の懲戒処分・解雇を有効にする土台となる

1. 仕事中のゲームは懲戒処分の対象になるか

結論として、仕事中にゲームをすることは職務専念義務違反として懲戒処分の対象になります

労働契約は「給料をもらう代わりに仕事をする契約」ですから、就業時間中は業務に専念する義務があります。仕事中にゲームをすることはこの義務に明らかに反する行為です。

特に問題になりやすいのは以下のような状況です。

  • 業務時間中にスマートフォンでゲームアプリをプレイしている
  • 会社のパソコンでオンラインゲームをしている
  • 休憩時間以外に繰り返しゲームをしている
  • 業務に支障が出ているにもかかわらず継続している

ただし、一度の行為でいきなり重い懲戒処分・解雇をするのは難しく、注意指導・懲戒処分の積み重ねが基本となります。

2. 証拠の確保方法

「仕事中にゲームをしていた」という事実を証明するためには、証拠の確保が重要です。

証拠確保の方法

  • 目撃した事実を記録する——日時・場所・状況(何のゲームをどれくらいの時間やっていたか)を記録し、上司へのメールで報告・保存する
  • 写真・スクリーンショット——可能であれば記録を残す
  • 他の社員からの証言——目撃した他の社員からも状況確認し記録を残す
  • パソコンの利用ログ・アクセス記録——会社のパソコンでゲームをしている場合、IT管理部門にログを確認してもらう

証拠がなくても注意指導や懲戒処分を行うことはできますが、後で「やっていない」と否定された場合に対処が難しくなります。できる限り具体的な記録を残しておくことが重要です。

3. 注意指導・懲戒処分の進め方

証拠を確保したら、以下の順序で対応を進めます。

対応の流れ
STEP1 会議室に呼んで口頭で事実確認と注意指導を行う。「○月○日○時頃、○○の場所でゲームをしていましたね」と事実を確認し、改善を求める
STEP2 改善しない場合、書面で厳重注意書を交付する。就業規則の職務専念義務条項を明示し、具体的な事実を記載する
STEP3 それでも繰り返す場合、戒告・減給など懲戒処分通知書を書面で交付する
STEP4 懲戒処分を重ねても改善しない場合、退職勧奨または解雇を検討する

4. 解雇が認められる条件

仕事中のゲームだけを理由とした解雇が有効と認められるためには、一般的に以下の条件が揃っていることが必要です。

  • 繰り返し・常習的であること(単発の行為では解雇は困難)
  • 注意指導・懲戒処分を重ねたにもかかわらず改善しなかったこと
  • 業務への支障が具体的に生じていたこと
  • 就業規則に懲戒事由として職務専念義務違反等の定めがあること

「仕事中に何度もゲームをしているのを見た」だけでいきなり解雇するのは無効になるリスクが高いため、必ず段階的な対応を積み重ねてから解雇を検討してください。

SUPERVISOR 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、団体交渉、労働組合対応、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。団体交渉対応でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 就業規則に「仕事中のゲーム禁止」の明文がなくても処分できますか?

A. 就業規則に「仕事中のゲーム禁止」と明示されていなくても、職務専念義務違反・業務命令違反・会社の信用棄損などの条項に該当するとして懲戒処分が認められることがあります。ただし、就業規則の整備が不十分な場合は処分の有効性に影響するため、弁護士に相談して就業規則の確認・整備を行うことをお勧めします。

Q. 休憩時間中にスマートフォンでゲームをすることも禁止できますか?

A. 休憩時間は労働者が自由に過ごせる時間ですので、休憩時間中のゲームを禁止することは原則として難しいです。ただし、会社のパソコンや設備を使用する場合、または休憩時間と就業時間の区別なく繰り返している場合などは別途検討が必要です。詳細は弁護士にご相談ください。

最終更新日:2026年5月7日

労働問題FAQカテゴリ