労働問題826 派遣と業務請負、出向の違いを教えてください。
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派遣と業務請負は、指揮命令を誰が行うかで区別される 派遣では労働者が雇用関係のない派遣先からの指揮命令を受けるのに対し、業務請負では労働者が注文者から業務を請け負った自己の雇用主から指揮命令を受ける点が異なります。 |
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派遣と出向は、就労先との雇用関係の有無で区別される 派遣では派遣先と労働者との間に雇用関係がないのに対し、出向では、労働者は出向元と雇用関係を保持しつつ出向先との雇用関係にも入る点が異なります。 |
外部の労働力を活用する方法には、派遣、業務請負、出向といった複数の類型があります。これらは似ているようで法的性質が大きく異なり、誤った運用をすると、偽装請負などの違法な状態に陥るリスクもあります。
会社側専門の弁護士の立場から、派遣・業務請負・出向の違いを解説します。
01派遣と業務請負の違い
派遣と業務請負は、派遣では労働者が雇用関係のない派遣先からの指揮命令を受けるのに対し、業務請負では労働者が注文者から業務を請け負う等した自己の雇用主から指揮命令を受ける点が異なります。つまり、業務の遂行にあたって、誰が労働者に対して具体的な指示を出すのかが、両者を区別する決定的なポイントです。請負契約を締結していても、実際には注文者が労働者に直接指示を出しているような場合、実態としては労働者派遣(偽装請負)と評価されるリスクがあります。
02派遣と出向の違い
派遣と出向は、派遣では派遣先と労働者との間に雇用関係がないのに対し、出向では、労働者は出向元と雇用的関係を保持しつつ出向先との雇用関係に入る点が異なります。763の記事で解説したとおり、出向は二重の労働契約関係を生じさせる点で、派遣と大きく異なります。派遣先は労働者と契約関係を持たず、あくまで派遣元との労働者派遣契約に基づいて指揮命令権を行使するにとどまります。
033つの制度の整理
04会社側が押さえておくべき視点
会社側としては、外部人材を活用する際、どの契約類型を選択するかによって、法的な規制(労働者派遣法、職業安定法等)や、実務上の運用ルールが大きく異なることを理解しておく必要があります。特に、業務請負契約を締結しているにもかかわらず、実態として自社の従業員に対するのと同様の直接指示を行っている場合には、偽装請負として労働者派遣法違反に問われるリスクがあります。
どの類型を選択するにせよ、契約書の文言と実際の運用実態を一致させることが、コンプライアンス上、極めて重要です。
05よくある質問(FAQ)
Q. 業務請負契約を結んでいれば、注文者は労働者に直接指示を出してもよいですか。
出してはいけません。業務請負は、労働者が自己の雇用主から指揮命令を受ける形態であり、注文者が直接指示を出すと、実質的に労働者派遣(偽装請負)と評価されるリスクがあります。
Q. 派遣と出向で、労働者の契約関係はどう違いますか。
派遣では派遣先と労働者との間に雇用関係はありませんが、出向では、労働者は出向元との雇用関係を保持しつつ、出向先との雇用関係にも入ります。
Q. どの制度を選ぶかによって、適用される法律は変わりますか。
変わります。派遣には労働者派遣法、業務請負には職業安定法等の規制があり、契約書の文言だけでなく実際の運用実態が、いずれの類型に当たるかの判断に影響します。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。外部人材の活用方法でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日