労働問題776 月給制の時間単価の計算方法を教えてください。
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時間単価=1か月の基礎賃金÷1か月の所定労働時間数 月給制における残業代の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。所定労働時間が月によって異なる場合には、1年間の1月平均所定労働時間数を用います。 |
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割増率は原則、時間外1.25・休日1.35・深夜0.25 算定した時間単価に、時間外労働は1.25倍、法定休日労働は1.35倍、深夜労働は0.25倍を乗じて割増賃金を計算します。就業規則等でこれを上回る割増率を定めている場合は、その定めが優先します。 |
従業員から残業代を請求された会社側にとって、まず必要になるのが、正確な時間単価の算定です。時間単価の計算を誤ると、その後の割増賃金の計算全体が狂ってしまうため、基本の算定式を正確に理解しておくことが重要です。
会社側専門の弁護士の立場から、月給制における残業代の時間単価の計算方法を解説します。
01時間単価の基本算定式
月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間を用います。月によって所定労働時間が異なる場合には、1年間における1月平均所定労働時間数を算定して用います。
021か月平均所定労働時間数の計算方法
1年間における1月平均所定労働時間数は、次の計算式で算定します。
※閏年は366日
03計算例
たとえば、1日の所定労働時間数8時間、1年間の休日合計日数114日、1か月の基礎賃金25万円の社員の場合、次のように計算します(小数第3位以下四捨五入)。
04各割増賃金の時間単価
上記の時間単価をもとに、各種割増賃金の時間単価は次のように算定されます。
ただし、割増率について就業規則等で法定を上回る定めをしている場合には、その定めによることになります。
05会社側が押さえておくべき視点
残業代を請求された会社側は、まず、労働者側が主張する時間単価の計算根拠を確認する必要があります。基礎賃金に含めるべきでない手当(家族手当、通勤手当等、法令上算入除外が認められる手当)が含まれていないか、所定労働時間数の算定が就業規則の定めと整合しているかなど、計算の前提を丁寧に検証することが、適正な金額での解決につながります。
また、賞与や臨時の手当など、基礎賃金に含めるべきかどうかの判断が分かれる項目もあるため、個別の賃金項目ごとに、算入の要否を確認することが重要です。
06よくある質問(FAQ)
Q. 時間単価は、単純に月給を1か月の暦日数で割ればよいですか。
誤りです。時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の「所定労働時間数」で除して算定します。所定労働時間が月によって異なる場合は、1年間の1月平均所定労働時間数を用います。
Q. 割増率は、常に1.25倍・1.35倍・0.25倍ですか。
これは法定の最低基準です。就業規則等でこれを上回る割増率を定めている場合には、その定めに従う必要があります。逆に、これを下回る定めは無効です。
Q. 従業員が計算した時間単価が高すぎる気がします。何を確認すべきですか。
基礎賃金に、算入すべきでない手当が含まれていないか、所定労働時間数の算定が就業規則の定めと整合しているかを確認する必要があります。計算の前提を丁寧に検証することが重要です。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。従業員から残業代を請求されてお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日