労働問題723 労働審判手続の期日は傍聴できますか?

この記事の結論
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非公開が原則。ただし委員会が相当と認めれば傍聴が許可される

労働審判手続は非公開が原則ですが、労働審判委員会が相当と認める場合には、期日の傍聴を許可することができます(労働審判法16条)。事情をよく知る会社の担当者が参考人となる場合などに許可されることが多いといえます。

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傍聴の許否は委員会の裁量で、不服申立てはできない

傍聴を許すかどうかは労働審判委員会の裁量に委ねられており、当事者は、その許否に対して不服を申し立てることはできないと考えられます。

 労働審判手続は非公開とされていますが(労働審判法16条)、労働審判委員会が相当と認める場合には、労働審判期日の傍聴を許可することができます。通常の民事訴訟のように誰でも傍聴できるわけではありませんが、非公開だからといって、当事者以外の者の在席が一切認められないわけでもありません。

 会社側専門の弁護士の立場から、どのような場合に傍聴が許可されるのか、そして会社側が押さえておくべき点を解説します。

01労働審判は非公開が原則(労働審判法16条)

 労働審判手続は、原則として非公開で行われます(労働審判法16条)。当事者のプライバシーや企業の内部情報、営業秘密などが審理の過程で扱われることが多いため、公開の法廷で傍聴人を入れて行う通常の民事訴訟とは異なる取扱いがされています。もっとも、同条は、労働審判委員会が相当と認める者について、傍聴を許すことができると定めており、非公開の例外として傍聴が認められる場合があります。

02傍聴が許可されるケース・されないケース

 傍聴が許可される典型的な場面は、事情をよく知る会社の担当者などが、労働審判手続において参考人となるような場合です。事案の経緯を把握している担当者が在席することで、審理に必要な事情の確認が円滑に進むことがあり、こうした場合に傍聴が許可されることが多い印象です。

 他方、傍聴が許可されないケースとしては、傍聴を許すことで当事者が本音を話せなくなるおそれがある場合や、労働審判委員会による柔軟な手続の進行に影響を及ぼすおそれがある場合などが考えられます。労働審判は、当事者が率直に発言し、早期に紛争の実情を確認することを重視しているため、その妨げとなるような傍聴は認められにくいといえます。

03傍聴の許否と不服申立ての可否

 傍聴を許すかどうかの判断は、労働審判委員会の裁量に委ねられています。そのため、当事者は、傍聴の許否に対して不服を申し立てることはできないと考えられます。会社側として、特定の担当者の傍聴を希望する場合には、その必要性を委員会に説明することになりますが、最終的に許可するかどうかは委員会の判断によります。

04会社側が押さえておくべき視点

 会社側としては、事案の経緯をよく知る担当者を期日に同席させたい場合には、その担当者が参考人として説明する必要性があることを、あらかじめ整理しておくとよいでしょう。もっとも、傍聴が許可されるかは委員会の裁量によるため、担当者が在席できない場合も想定し、主張・立証は書面と代理人による対応で完結できるよう準備しておくことが重要です。誰が期日に在席できるのかを前提に、事前の準備と役割分担を整えておくことが、円滑な対応につながります。

05よくある質問(FAQ)

Q. 労働審判の期日は、誰でも傍聴できますか。

できません。労働審判手続は非公開が原則です(労働審判法16条)。ただし、労働審判委員会が相当と認める場合には、傍聴を許可することがあります。通常の民事訴訟のように誰でも傍聴できるわけではありません。

Q. 会社の担当者を期日に同席させることはできますか。

事情をよく知る会社の担当者などが参考人となるような場合には、傍聴が許可されることが多い印象です。もっとも、許可するかどうかは労働審判委員会の裁量によるため、必ず同席できるとは限りません。

Q. 傍聴が認められなかった場合、その判断を争えますか。

傍聴の許否は労働審判委員会の裁量に委ねられているため、当事者は、その許否に対して不服を申し立てることはできないと考えられます。

経営上のポイント 労働審判手続は非公開が原則ですが、労働審判委員会が相当と認める場合には、期日の傍聴が許可されることがあります(労働審判法16条)。事情をよく知る会社の担当者が参考人となる場合などに許可されることが多い一方、当事者が本音を話せなくなるおそれや、柔軟な手続進行に影響を及ぼすおそれがある場合には認められにくいといえます。傍聴の許否は委員会の裁量に委ねられており、当事者は不服を申し立てることはできないと考えられます。会社側としては、担当者の同席を希望する場合はその必要性を整理しつつ、同席できない場合に備えて書面と代理人による対応で完結できるよう準備しておくことが重要です。期日での対応は、会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。労働審判への対応でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日

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