労働問題475 パート・アルバイトの1週間あたりの所定労働日数や所定労働時間が変更された場合、付与すべき年次有給休暇の日数はいつを基準にして決めればいいのでしょうか。

この記事の結論
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年休の付与日数は「基準日」の所定労働日数・時間で決まる

付与すべき年次有給休暇の日数は、年次有給休暇を取得する権利が発生した日(基準日)の所定労働日数・所定労働時間によって決まります。

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基準日前後に変更があっても付与日数は変わらない

基準日前に所定労働日数や所定労働時間が変更されていたり、基準日後に変更されたりしたとしても、その基準日に付与された年次有給休暇の日数は変わりません。

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次の基準日が到来した時点で、その時点の所定労働日数で再計算される

次の基準日が到来すれば、その時点の所定労働日数・所定労働時間に基づいて新たな付与日数が決まります。基準日ごとに判断される仕組みです。

01「基準日」の所定労働日数・時間で付与日数が決まる

 付与すべき年次有給休暇の日数は、年次有給休暇を取得する権利が発生した日(基準日)の所定労働日数・所定労働時間によって決まります。

 基準日とは、6か月間継続勤務し所定労働日の80%以上出勤した時点(最初の基準日)、又はその後1年ごとの時点(2回目以降の基準日)を指します。基準日前に所定労働日数や所定労働時間が変更されていたり、基準日後に変更されたりしたとしても、その基準日に付与された年次有給休暇の日数は変わりません。

02具体例:基準日前に勤務日数が増えた場合

具体例

勤務開始時点では週3日勤務だったパート・アルバイトが、勤務開始から5か月経過した時点で週4日勤務に変更になり、そのまま6か月を経過した場合。

 この場合、最初の5か月の週3日勤務を基準にした5日ではなく、6か月経過時(基準日)の週4日勤務を基準にした7日の年次有給休暇を付与すべきこととなります。

 基準日時点の所定労働日数が判断基準となるため、途中で勤務日数が増えた場合には、増えた後の日数に基づいて計算します。

03具体例:基準日後に勤務日数が変わった場合

 上記の例で、基準日に7日の年次有給休暇が付与された後の取扱いについて、2つのケースを説明します。

基準日後に勤務日数が変わった場合

ケースA:1年勤務した時点で勤務日数が週3日に戻った場合
当該パート・アルバイトが取得できる年次有給休暇が、7日から5日に減ってしまうということにはなりません。基準日に付与された7日はそのまま維持されます。

ケースB:1年勤務した時点で勤務日数が週5日に増えた場合
当該パート・アルバイトが取得できる年次有給休暇が、7日から10日に増えるということにもなりません。次の基準日が到来するまでは、付与日数は7日のままです。

 いずれのケースも、基準日後の変更によってすでに付与された年次有給休暇の日数が増減することはありません。次の基準日が到来した時点で、その時点の所定労働日数に基づいて新たな付与日数が決まります。

04会社経営者として注意すべき点

 パート・アルバイトの所定労働日数や所定労働時間が変更されることは実務上珍しくありません。シフト勤務の変更、契約更新時の条件変更などが典型例です。

 重要なのは、年次有給休暇の付与日数を判断する際の基準は「基準日時点の所定労働日数・所定労働時間」であるという原則を正確に理解しておくことです。基準日前の変更は反映されますが、基準日後の変更はその期間の付与日数には反映されません。

経営上のポイント パート・アルバイトの所定労働日数が変更された場合でも、年次有給休暇の付与日数は基準日時点の状況で決まります。基準日ごとに正確に管理する体制を整えておくことが重要です。アドバイスします。
SUPERVISOR 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 基準日後に勤務日数が増えた場合、年休の日数を増やすべきですか。

A. 基準日後の変更は、すでに付与された年休の日数には影響しません。次の基準日が到来した時点で、その時点の所定労働日数に基づいて新たな付与日数が計算されます。

Q2. 基準日後に勤務日数が減った場合、すでに付与した年休を減らすことはできますか。

A. できません。基準日に付与された年次有給休暇の日数は、その後の勤務日数の変更によって減少することはありません。すでに付与された権利として保護されます。

Q3. シフト勤務で毎月の勤務日数が変動するパートの場合、基準日はどう判断しますか。

A. 契約上の「所定労働日数」(週あたりまたは年あたり)が判断基準となります。実際のシフトが変動しても、契約上の所定労働日数が基準日時点でどうなっているかが重要です。契約上の所定労働日数が明確でない場合は、実態として基準日時点で何日勤務の扱いとなっているかを確認してください。

最終更新日:2026年2月25日

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