労働問題265 休日を定めずに毎日働かせ続けた場合、休日労働に対応する残業代(休日割増賃金)を支払う必要はありますか。
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労基法35条の「週」は「起算日から計算して7日の期間」を意味し、この7日間が休日付与義務の単位期間になる 休日を就業規則で定めていなくても、労基法上の7日周期は自動的に機能します |
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休日を定めずに毎日働かせ続けた場合でも、勤務開始日を起算日として7日目・14日目・21日目…が法定休日となる 「7の倍数の日」は法定休日であり、この日に働かせた場合は休日労働となります |
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7日目・14日目・21日目の労働に対しては、休日割増賃金(35%以上)の支払が必要になる 「休日を定めていないから休日割増賃金は不要」という考えは通用しません |
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休日を定めないまま連続勤務させることは、残業代請求・刑事罰・安全配慮義務違反のリスを同時に抱える 就業規則に法定休日を明記した上で適法な労務管理を行うことが不可欠です |
目次
01「週」の意味と法定休日付与義務の単位期間
労基法35条1項は、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。」と定めています。ここでいう「週」は「起算日から計算して7日の期間」を意味し、この7日間が休日付与義務の単位期間になります。
重要なのは、この7日周期は「就業規則で休日を定めているかどうか」にかかわらず、法律上当然に機能するという点です。就業規則に休日の記載がなくても、法律上の休日付与義務は存在し、7日ごとに1回の休日を与える義務が課されます。
就業規則に「週の起算日は月曜日」などと定めている場合はその曜日が起算日となります。定めがない場合は、法的には必ずしも統一されていませんが、実務上は勤務開始日(採用日等)が起算日として用いられることが多いと考えられます。
027日目・14日目・21日目が法定休日となる理由
休日を定めずに毎日働かせ続けた場合であっても、勤務開始日を起算日とした7日の期間を単位期間として、少なくとも1回の休日を与えなければならないと考えられます。したがって、勤務開始から7日目、14日目、21日目…と、7の倍数の日は法定休日となります。
例えば、1月1日(水曜日)から休日を定めずに連続勤務させた場合、1月7日が1週目の法定休日、1月14日が2週目の法定休日、1月21日が3週目の法定休日となります。これらの日に出勤させた場合は、法定休日労働として取り扱われます。
03法定休日に労働させた場合の休日割増賃金
7日目・14日目・21日目…などの法定休日に当たる日の労働に対しては、残業代(休日割増賃金)を支払う必要があります。法定休日の割増率は35%以上(労基法37条1項)です。
「休日を定めていないから休日割増賃金は発生しない」という考えは法的に誤りです。就業規則で休日が定められていなくても、法律上の7日周期が自動的に機能し、7の倍数の日が法定休日となります。これらの日の労働は法定休日労働として取り扱われ、休日割増賃金の支払義務が生じます。
また、法定休日に労働させるためには、事前に36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ることも必要です。36協定なしに法定休日に労働させることは、それ自体が労基法違反となります。
04休日を定めない連続勤務の複合的なリスク
休日を定めないまま連続勤務させることは、複数の法的リスクを同時に抱えることになります。
休日なし連続勤務の主なリスク
①未払い残業代請求のリスク
7日目・14日目・21日目…の休日割増賃金(35%以上)に加えて、週40時間を超えた部分の時間外割増賃金(25%以上)も発生します。複数の割増賃金が積み重なり、多額の未払い残業代請求につながります。時効は3年です。
②刑事罰のリスク
法定休日を与えなかった場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(労基法119条1号)の対象となります。また、36協定なしに休日労働をさせた場合も同様です。
③安全配慮義務違反のリスク
長期間の連続勤務は過労・メンタルヘルス不調との関連が問題となりやすく、健康被害が生じた場合には安全配慮義務違反による損害賠償請求のリスが生じます。
05まとめ
休日を定めずに毎日働かせ続けた場合であっても、勤務開始日を起算日として7日の倍数の日(7日目・14日目・21日目…)は法定休日となります。これらの日に出勤させた場合には、休日割増賃金(35%以上)の支払義務が発生します。「休日を定めていないから休日割増賃金は不要」という考えは法的に通用しません。
休日を定めない連続勤務は、未払い残業代請求・刑事罰・安全配慮義務違反という複合的な法的リスクを抱えます。264番で解説したとおり、連続勤務が必要な場合であっても、就業規則に法定休日を定めた上で36協定を締結し、適法な形で休日出勤させることが必要です。就業規則の整備・36協定の締結・残業代計算については、使用者側弁護士・会社側弁護士に相談することをお勧めします。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。残業代・休日割増賃金のトラブル・36協定の締結・就業規則の整備でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 休日を定めずに働かせ続けた場合、7日目の労働には休日割増賃金が必要ですか。
A. 必要です。就業規則で休日を定めていなくても、勤務開始日を起算日として7日目は法定休日となります。法定休日(7の倍数の日)に出勤させた場合は、休日割増賃金(35%以上)の支払義務が生じます。
Q2. 「週」の起算日はいつになりますか。
A. 就業規則に「週の起算日は月曜日」などと定めている場合はその曜日が起算日となります。定めがない場合は、勤務開始日(採用日等)が起算日となると考えられます。就業規則で起算日を明確にしておくことで、法定休日の特定が容易になります。
Q3. 7日目に実際に休ませた場合、8日目からまた7日ごとのカウントになりますか。
A. 7日の単位期間(週)のカウントは継続します。7日目に休日を与えた場合、次の法定休日は14日目(勤務開始から数えて)となります。週の起算日は変わりませんので、7の倍数の日が引き続き法定休日となります。
Q4. 休日を定めない連続勤務の場合、どのような残業代が発生しますか。
A. ①7の倍数の日(7日目・14日目等)に出勤させた分の休日割増賃金(35%以上)、②週40時間(または特例措置対象事業場では44時間)を超えた部分の時間外割増賃金(25%以上)——の両方が発生します。これらは複数週にわたって積み重なり、多額の未払い残業代請求につながります。時効は3年です。
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最終更新日:2026年5月10日