ワード:「みなし残業」

管理職からの残業代(時間外・休日割増賃金)請求を予防する方法を教えて下さい。

 管理職からの残業代(時間外・休日割増賃金)請求を予防する方法としては、
 ① 管理監督者とする管理職の範囲を狭く捉えて上級管理職に限定し
 ② 大部分の管理職は最初から管理監督者としては取り扱わずに残業代(時間外・休日割増賃金)を満額支給する
ことをお勧めします。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

就業規則において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し周知させた場合であっても、管理職に残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

 就業規則が労基法に反する場合には、当該反する部分については、労働条件になりませんので(労契法13条)、就業規則において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し周知させた場合であっても、管理監督者に当たらない場合は、管理職に対し、労基法37条1項に基づき残業代(時間外・休日割増賃金)を支払う必要があります。
 深夜(22時~5時)に労働させた場合には、管理監……

個別労働契約において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し労働者に署名押印させるなどしてその同意を得ていた場合であっても、管理職に残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

 労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効となり、無効となった部分については労基法で定める基準が適用されますので(労基法13条)、個別労働契約において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し労働者に署名押印させるなどしてその同意を得ていた場合であっても、管理監督者に当たらない場合は、管理職に対し、労基法37条1項に基づき残業代(時間外・休日割増賃金)を支……

管理職に残業代(時間外・休日割増賃金)を支払う必要があるかどうかの判断が難しい理由を教えて下さい。

 労基法も労基法施行規則も、労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)の具体的内容について明確に定めていません。また、管理監督者性の具体的判断基準について判断した最高裁判例も存在しません。このため、現状では、管理監督者に関する行政解釈の内容を理解するとともに、管理監督者性について判断した多数の下級審裁判例を分析して裁判所の判断の傾向を分析するほかないことになります。続きを見る

管理職にも残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

 管理職も労基法上の労働者ですから、原則として労基法37条の適用があり、週40時間、1日8時間を超えて労働させた場合、法定休日に労働させた場合、深夜に労働させた場合は、時間外労働、休日労働、深夜労働に応じた残業代(割増賃金)を支払う必要があります。
 管理職が労基法41条2号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)に該当する場合には、労働時間、休憩、時間外・休日割増賃金……

企画業務型裁量労働制の対象社員に対し、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。

 企画業務型裁量労働制とは、賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(労使委員会)が設置された事業場において、当該労使委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅……

専門業務型裁量労働制の対象社員に対し、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。

 専門業務型裁量労働制とは、業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(対象業務)として労使協定で定めた業務に労働者を就かせたときは、実労働時間と関係なく、労使協定で定めた時間労働したものとみなす……

営業社員に対し具体的な指揮命令をしたり、営業社員が営業中に仕事をサボっていないかチェックしたりしたいのですが、事業場外労働のみなし労働時間制を採用すべきでしょうか。

 事業場外労働のみなし労働時間制は、営業社員に対し具体的な指揮命令をすることを予定する制度ではなく、営業社員が営業中に仕事をサボっていないかチェックすることも困難です。
 このような要望が強い場合は事業場外労働のみなし労働時間制を適用せず、営業日報等により実労働時間を把握して残業代(割増賃金)を支払うことを前提とした賃金制度を採用する方が合理的と思われます。 弁護士法人四谷麹町法律……

営業社員からの残業代(割増賃金)請求対策で最も重要なことは何だと思いますか。

 事業場外労働のみなし労働時間制の適用がない場合に、実労働時間に応じた残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要があるのは当然ですが、事業場外労働のみなし労働時間制を適用できたとしても、当該業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働させる必要がある場合には、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」労働したものとみなされ、みなし労働時間に基づき算定された時間外労働時間に対応する残業代(時……

事業場外労働のみなし労働時間制を適用している営業社員からの残業代(割増賃金)請求のリスクが高いのは、どのような場合でしょうか。

 業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働させる必要があるにもかかわらず所定労働時間労働したものとみなしているような場合は、事業場外労働のみなし労働時間制を適用している営業社員からの残業代(割増賃金)請求のリスクが高いと言わざるを得ません。
 所定労働時間労働したものとみなしていますので、当然、残業代(時間外割増賃金)は支払っていません。他方、業務を遂行するために通常所定労働……

営業社員に営業手当さえ支払っていれば、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなくてもいいのですよね。

 営業手当を支払っていても、時間外・休日・深夜労働をさせれば残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要があることに変わりありません。
 営業手当の支払により残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払がなされていると認めてもらえることができれば、当該金額で不足する残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を追加で支払えば足りることになりますが、営業手当の支払を残業代(時間外・休日・深夜……

営業社員であれば残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わなくてもいいのですよね。

 営業社員も労基法上の労働者ですから,週40時間(小規模事業場の特例が適用される場合には週44時間)又は1日8時間を超えて労働させた場合,1週1休の法定休日(労基法35条)に労働させた場合,深夜(22時~5時)に労働させた場合には,原則として労基法37条所定の残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要があります。当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要とならない事……

営業社員の残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を「営業手当」といった一見して残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の趣旨で支払われる手当とは分からない名目で支給したい場合は、どうすればいいですか。

 「営業手当」といった一見して残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の趣旨で支払われる手当とは分からない名目での支払を希望する場合は、最低限、営業の精神的負担や被服・靴などの消耗品に対する金銭的負担を補填する趣旨の手当(通常の労働時間・労働日の賃金)に当たる部分と残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)に当たる部分が判別できるよう金額を明示するようにして下さい。両者が判別できない場合は、残業代(時間外・……

残業代(割増賃金)の支払名目はどういったものがお勧めですか。

 営業社員に対しては残業代(割増賃金)を「営業手当」等の名目で支払われていることが多いようですが、「営業手当」では、実質的に残業代(割増賃金)の支払と評価できるのかどうか争いが生じる可能性があります。したがって、残業代(割増賃金)の支払名目は、「時間外勤務手当」「休日勤務手当」「深夜勤務手当」といった残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の趣旨で支払われる手当であることが一見明白な名目とすることをお……

事業場外みなしの適用がある営業社員について、当該業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合(通常は所定労働時間内に仕事が終わらない場合)は、どのように残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払えばよろしいでしょうか。

 当該業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合(通常は所定労働時間内に仕事が終わらない場合)は、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」のうちの時間外労働時間に対する残業代(時間外割増賃金)を支払う必要があります。「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が何時間かは認定が難しく、事前に決めておかないと後から争いになりますので、労働者代表等との間で労使協定を締結して営……

事業場外労働のみなし労働時間制と残業代(割増賃金)支払義務との関係を教えて下さい。

 事業場外労働のみなし労働時間制は、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときに、所定労働時間又は当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす制度であり、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除するものではありません。当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要とならない事案(通常は所定労働時……

変形労働時間制を採用すれば、残業代(割増賃金)請求対策になりますか。

 変形労働時間制は、一定の期間を単位として、週当たりの平均労働時間が週40時間を超えないことを条件に、所定労働時間が週40時間又は1日8時間の労働時間を超えて労働させることを許容する制度に過ぎず、残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除する制度ではありません。週40時間又は1日8時間を超える所定労働時間が定められた場合、週40時間又は1日8時間を超える部分は残業代(時間外割増賃金)の支……

残業代(割増賃金)の支払を命じる判決を放置していたところ、強制執行されてしまいました。強制執行のため源泉所得税を源泉徴収できなかったのですから、源泉所得税を納付しなくても構いませんよね。

 最高裁判所平成23年3月22日第三小法廷判決は、 所得税法28条1項に規定する給与等の支払をする者が、その支払を命ずる判決に基づく強制執行により賃金の回収を受ける場合であっても、源泉所得税の源泉徴収義務を負うと判断していますので、使用者は、強制執行のため源泉所得税を源泉徴収できなかった場合であっても、源泉所得税の源泉徴収義務を負い、源泉所得税を納付する必要があります。
 強制執行さ……

残業代(割増賃金)の支払を命じる判決が出たので、所得税等を源泉徴収して支払おうとしたところ、労働者側代理人から、「債務名義があるのだから、源泉徴収せずに全額払って欲しい。」と言われました。債務名義があるかどうかと源泉徴収義務の有無は関係あるのでしょうか。

 使用者は、強制執行により賃金の回収を受ける場合であっても、源泉所得税の源泉徴収義務を負うとするのが最高裁判所平成23年3月22日第三小法廷判決なのですから、使用者が判決に従い任意に賃金を支払う場合は、当然、源泉徴収義務を負い、源泉所得税を納付しなければならないことになります。したがって、使用者は、債務名義の有無にかかわらず、源泉徴収した上で賃金を支払う必要があります。
 もっとも、……

過去2年分の未払残業代(割増賃金)を支払う場合、現実に支払った日の属する月の給与所得として源泉所得税の計算をすればいいのか、本来支給すべきであった給料日の属するそれぞれの年分の給与所得として処理すればいいのか、教えて下さい。

 過去2年分の未払残業代(割増賃金)を支払った場合、本来の給料日に支払っておくべきだった残業代(割増賃金)が一括して支払われたことになりますので、本来支給すべきであった給料日の属するそれぞれの年分の給与所得となります。国税庁ウェブサイトの「No.2509 給与所得の収入金額の収入すべき時期」をご確認下さい。
 現実に支払った日の属する月の給与所得として源泉所得税の計算をしてしまうと、……

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