ワード:「経営者」

解雇権を濫用するとどうなりますか?

 労契法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定しており、解雇権を濫用すると解雇は無効となります。
 解雇が無効と判断されれば、解雇したはずの社員が在職中であることが確認されてしまったり、実際には働いていないにもかかわらず、解雇後の期間(解雇期間)について賃金の支払が命じられたりするこ……

普通解雇した時点で既に存在していたものの使用者に判明しておらず、当初は解雇理由とされていなかった事実が後から判明した場合、後から普通解雇事由として追加主張することはできますか?

 普通解雇した時点で既に存在していたものの使用者に判明しておらず、当初は解雇理由とされていなかった事実が後から判明した場合、後から普通解雇事由として追加主張することができるとする裁判例が多いところです。懲戒解雇の場合は、特段の事情がない限り懲戒事由の追加主張が許されないのとは対照的です。
 もっとも、解雇理由証明書(労基法22条)を交付している場合は、解雇理由証明書に記載されていない……

懲戒解雇事由に該当することを理由として普通解雇することはできますか?

 懲戒解雇事由に該当していれば普通解雇事由が存在すると考えるのが一般的ですので、懲戒解雇事由に該当することを理由として普通解雇することができるケースが多いものと考えられます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎   ……

懲戒解雇事由に該当する事実が存在する場合であっても、懲戒解雇せずに普通解雇することはできますか?

 普通解雇の有効要件を満たすのであれば、懲戒解雇事由に該当する事実が存在する場合であっても、懲戒解雇せずに普通解雇することができます。
 高知放送事件最高裁昭和52年1月31日判決は、「就業規則所定の懲戒事由にあたる事実がある場合において、本人の再就職など将来を考慮して懲戒解雇に処することなく、普通解雇に処することは、それがたとえ懲戒の目的を有するとしても、必ずしも許されないわけでは……

就業規則に規定する普通解雇事由以外の理由に基づき、普通解雇することはできますか?

 就業規則が存在する会社については、就業規則に規定された普通解雇事由に基づいてのみ普通解雇できるとする見解と、就業規則に規定されていない解雇事由によっても普通解雇できるとする見解があり、現時点では論争に決着がついていません。
 この論争に巻き込まれないようにするため、「その他、前各号に準じる事由があるとき。」といった包括的な条項を普通解雇事由として規定しておくようにして下さい。 弁……

就業規則がない会社でも普通解雇することができますか?

 就業規則がない会社でも、民法627条に基づき普通解雇することができます。
 懲戒解雇が、就業規則がない場合には原則として行うことができないのとは対照的です。 (期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過すること……

普通解雇の有効性を判断するに当たっては、どのような事項を検討する必要がありますか?

 普通解雇の有効性を判断するにあたっては、
 ① 就業規則の普通解雇事由に該当するか
 ② 解雇権濫用(労契法16条)に当たらないか
 ③ 解雇予告義務(労基法20条)を遵守しているか
 ④ 解雇が法律上制限されている場合に該当しないか
等を検討する必要があります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田……

普通解雇とはどのような解雇をいいますか?

 普通解雇(狭義)とは、能力不足、勤務態度不良、業務命令違反等、労働者に責任のある事由による解雇のことをいいます。
 普通解雇(広義)は、普通解雇(狭義)に整理解雇(使用者側の経営上の理由による解雇)を加えたものをいうのが一般的です。 普通解雇(広義)=普通解雇(狭義)+整理解雇 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

解雇が法律上制限されている場合には、どのようなものがありますか?

 解雇が法律上制限されている主な場合としては、以下のようなものがあります。
 ① 国籍、信条又は社会的身分による差別的取扱いの禁止(労基法3条)
 ② 公民権行使を理由とする解雇の禁止(労基法7条)
 ③ 業務上の負傷・疾病の休業期間等、産前産後休業期間等の解雇制限(労基法19条)
 ④ 性別を理由とする差別的取扱いの禁止(男女雇用機会均等法……

解雇予告後退職前の社員の管理に関する注意点を教えて下さい。

 解雇予告された社員は、自己都合退職した社員以上に、働くモチベーションが下がりがちです。モチベーションの下がった社員の対応により、業務に重要なミスが発生したり、顧客から苦情が寄せられたりすることがないよう、原則として引継業務やアルバイトでもできるような責任の軽い業務のみを行わせ、正社員でなければ任せられないような重要な業務からは外すべきでしょう。年休消化の希望があれば年休を消化させたり、最低限の引……

社員を解雇するに当たり、30日前に解雇を予告した上で,平均賃金30日分の解雇予告手当を支払おうと思います。これで問題ないでしょうか?

 貴社の対応で労基法上問題があるわけではないのですが、解雇予告義務(労基法20条)に関し、誤解があるように思えます。
 労基法20条1項本文が要求しているのは、
 ① 30日前の解雇予告
 ② 30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払
のいずれかです。つまり、①②いずれかをすれば足り、両方を行う必要はありません。
 ①30日……

解雇した覚えがないのに出社しなくなった労働者から、口頭で即時解雇されたから解雇予告手当を支払えと請求されています。どう対応すればいいでしょうか?

 使用者は解雇した覚えがないのに、出社しなくなった労働者から、口頭で即時解雇されたとして解雇予告手当の請求を受けることがあります。このような主張がなされる一番の原因は、出社しなくなった社員に対し出勤を催促したり、退職届を取得するのを怠ったりしたことにあります。
 突然、出社しなくなった社員に対しては、必ず出勤を催促して下さい。まずは電話を掛け、それでも出勤しない場合には、電子メールや……

雇入れから14日以内であれば、自由に解雇できますよね?

 この質問は、労基法21条が、解雇予告義務の適用がない労働者として、「試の使用期間中の者」を規定しつつ、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告義務の適用がある旨を定めていることから生じた誤解と思われますが、労基法21条は、解雇予告義務の適用がない労働者について規定した条文に過ぎず、同条の定める解雇予告義務の適用がない労働者に該当したからといって直ちに解雇が有効になるものではありませ……

30日前に予告すれば、社員を自由に解雇することができますよね?

 30日前の予告というのは、使用者が労働者を解雇しようとする場合には、原則として、30日以上前に解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないこと(労基法20条)を念頭に置いている質問と思われますが、労基法20条は解雇予告等について定めた条文に過ぎず、同条を遵守したからといって直ちに解雇が有効になるものではありません。
 30日前に予告してから解雇……

解雇予告手当不払のリスクとしては、どのようなものが考えられますか?

 即時解雇した場合に解雇予告手当を支払わないことのリスクとしては、
 ① 30日分の平均賃金相当額の解雇予告手当の請求を受けるリスク
 ② 即時解雇としての効力が生じず、退職時期が最大30日経過後になるリスク
 ③ 訴訟において解雇予告手当と同額(以下)の付加金の支払(労基法114条)を判決で命じられるリスク
 ④ 刑事罰(労基法119条1号……

解雇予告義務の適用がない労働者はいますか?

 労基法21条では、解雇予告義務の適用がない労働者として、
 ① 日々雇入れられる者
 ② 2か月以内の期間を定めて使用される者
 ③ 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
 ④ 試の使用期間中の者
が規定されていますが、①については1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合、②③については所定の期間を超えて引き続……

解雇予告除外認定とはどのようなものですか?

 「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」(労基法20条1項ただし書)に該当する場合には、労働基準監督署長の解雇予告除外認定を得て、解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに解雇することができます。
 解雇予告除外認定は、解雇の効力発生要件ではなく、認定申請及び認定決定の有無にかかわらず、「天災事変その他やむを……

解雇予告手当は給料日に支払えばよろしいでしょうか?

 即時解雇の効力は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を現に支払わないと生じません。
 即時解雇したい場合は、その日のうちに賃金を手渡したり、労働者の指定する預金口座に振り込んだりして、現に解雇予告手当を支払う必要があります。
 給料日になってから解雇予告手当を支払った場合、労働者から解雇の効力が発生した日について争われると、給料日になるまで解雇による退職の効力が生……

解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに即時解雇がなされた場合の解雇の効力を教えて下さい。

 解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに即時解雇がなされた場合は、即時解雇としての効力は生じませんが、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、通知後、30日の期間を経過するか、又は通知の後に所定の解雇予告手当の支払をしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生じることになります(相対的無効説、細谷服装事件最高裁昭和35年3月11日判決)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護……

解雇予告義務(労基法20条)とはどのようなものですか?

 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、原則として、少なくとも30日前に解雇予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません(労基法20条)。
 解雇の30日前に予告すれば解雇予告手当を支払う必要はありませんし、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払えば、即時解雇することができます。
 解雇の10日前に予告したのであれば、2……

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