ワード:「弁護士に相談」

労働審判に対する異議申立てを取り下げることはできますか。

この記事の結論 1 異議申立てがあると労働審判は失効し、訴え提起があったとみなされる 適法な異議の申立てがあると、労働審判は効力を失い(労働審判法21条3項)、労働審判手続の申立て時に、訴えの提起があったものとみなされます(同22条1項)。この時点で、既に訴訟としての手続が始まっています。 2 異議申立ては、いったん行うと取り下げる……

労働審判手続の結果として行われる「労働審判」とはどういうものですか。

この記事の結論 1 労働審判は、権利関係と手続の経過を踏まえた、事案に即した判断 労働審判とは、個別労働関係民事紛争について、当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいいます(労働審判法1条)。金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じることができます(同20条2項)。 2 審判書の作成が原……

労働審判手続に参加した利害関係人は、当事者とどう違うのですか。

この記事の結論 1 参加した利害関係人は、基本的には当事者と同様の権限を有する 労働審判手続に参加した利害関係人は、基本的には、当事者と同様の権限を有することになります。手続に加わる以上、当事者に準じた関与が認められています。 2 申立ての取下げはできず、排斥されることも。訴訟の参加人にもなれない 利害関係人は、参加という方法で加……

労働審判委員会が労働審判法24条により労働審判事件を終了させるのは、どのような場合ですか。

この記事の結論 1 事案の性質が労働審判手続に適当でない場合、事件を終了させられる 事案の性質が、迅速かつ適正な解決を目的とする労働審判手続に適当でない場合には、労働審判委員会は、当該労働審判事件を終了させることができます(労働審判法24条)。 2 3回以内で審理を終えることが困難な事件が典型。判断は個別に行われる 差別や人事評価……

労働審判手続の申立ての取下げについて教えてください。

この記事の結論 1 取下げに相手方(会社側)の同意は不要 申立ての取下げは、申立人が労働審判期日で行うか、取下書を裁判所に提出して行います。相手方の同意は不要で、取下書の到達時または期日での口頭による取下げ時に効力が生じます。 2 取下げができるのは調停成立まで等。訴訟移行後はできない 取下げができるのは、調停の成立まで、または訴……

労働審判手続に利害関係人は参加できますか。

この記事の結論 1 利害関係人は参加でき、「任意参加」と「強制参加」の2つがある 労働審判手続の結果に利害関係を有する者は、労働審判委員会の許可を受けて参加でき(任意参加)、委員会が相当と認めるときは参加させることもできます(強制参加)。いずれも労働審判法29条2項が根拠です。 2 参加の有無は当事者に重大な影響を与えるが、不服申立……

労働審判事件が訴訟に移行した時の手続の流れを教えてください。

この記事の結論 1 記録の引き継ぎ→訴状の審査→手数料の納付→書面の提出という流れで進む 訴訟に移行すると、労働審判事件の記録が裁判所に引き継がれ、裁判長が訴状とみなされた申立書等を審査します。原告は手数料を納付し、被告に送達するための副本を提出します。 2 手数料は差額の追納で足り、原告に「訴状に代わる準備書面」が求められることも……

労働契約が終了する原因には、どのようなものがありますか。

この記事の結論 1 労働契約の終了原因は多様で、類型ごとにリスク・対応が大きく異なる 解雇・辞職・合意退職・雇止め・休職期間満了・定年・死亡など、終了原因は多様です。どの原因に該当するかによって、会社が負う法的リスクや求められる対応が大きく異なります。 2 「会社の一方的意思」か「労働者の意思」か「双方の合意」かの区別が重要 終了……

仕事を任せるのが不安な社員にまで、仕事を任せてもよいですか。

この記事の結論 1 「社員を信じて仕事を任せれば上手く行く」は単純には正しくない 社員を信じて仕事を任せても失敗することがあるし、裏切られることもあります。任せた仕事が上手くいくよう配慮したり、不正行為が行われないよう対策を取ることが、会社経営者としての仕事です。 2 「コツ」に依存すると思考停止に陥りやすくなる 「社員を信じて仕……

労働審判の勝負は、なぜ「第1回期日まで」なのですか。

この記事の結論 1 答弁書の完成度が結果の大部分を左右する 裁判所は答弁書を精読した段階で事案の大枠を把握します。第1回期日は書面で形成された評価の確認・具体化の場であり、答弁書の完成度が解決水準を決定づけます。 2 証拠の提出は最初の答弁書の段階で完了させる 短期集中審理のため、後から証拠を追加しても「なぜ最初に提出しなかったの……

労働紛争の初期対応で、会社が誤りやすい点は何ですか。

この記事の要点 ✓ まず「請求に理由があるかどうか」で対応が二分される。全く理由がない場合は不参加の連絡票を提出、それなりの理由がある場合は参加を検討 この判断を誤ると後の訴訟・労働審判において不利な状況が生まれます ✓ 参加する場合は、会社の主張書面を事前提出し、支払可能な解決金の上限を弁護士と協議して事前に決めてからあっせん実施……

個別労使紛争の解決のために、労働局ではどのようなことを行っていますか。

この記事の要点 ✓ 労働局は個別労使紛争解決のために4つの手段を提供している。①総合労働相談コーナー、②都道府県労働局長による助言・指導、③紛争調整委員会によるあっせん、④労働局雇用均等室の援助と調停 これらは無料・非公開・迅速な解決手段として労働者側に積極的に利用されています ✓ 会社側は①〜④のいずれかの手続が進行していれば、対……

パワハラ・セクハラに関する労災認定の概要を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラの被害者が精神疾患を発症している場合、パワハラ・セクハラの心理的負荷が「強」と判断されれば業務起因性が肯定され、労災認定される可能性が高くなる 労災認定の可否は「心理的負荷による精神障害の認定基準」を参考に判断されます ✓ 労災認定は行政の判断であり、民事上の損害賠償責任とは直接連動しない——た……

未発生の賃金債権の減額に対する同意の意思表示の効力を肯定するための要件を教えてください。

この記事の要点 ✓ 未発生の賃金債権の減額への同意についても、近時の傾向として、自由な意思に基づくものであることが明確であることが要求される。「受け入れる行為があった」だけでは足りない 379番(既発生の賃金債権の放棄)の隣接問題として、未発生の場合も同様の厳格な傾向が見られます ✓ 最低限の要件①:書面による同意書の取得。口頭同意……

既発生の賃金債権の減額に対する同意の意思表示の効力を肯定するための要件を教えてください。

この記事の要点 ✓ 既発生の賃金債権の放棄は「賃金全額払の原則」(労基法24条1項)に関わるため、自由な意思に基づいてされたものであることが明確でなければ効力が肯定されない(シンガーソーイングメシーン事件・最高裁昭和48年1月19日) 将来の賃金減額への同意よりも、既発生の賃金債権の放棄には一段高い要件が課されます ✓ 最低限の要件……

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じますか。

この記事の要点 ✓ 個別合意よりも社員に有利な労働協約・就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じる。この場合は協約・就業規則の変更なしに個別合意だけで対応できる 377番とは逆の状況です ✓ ただし、賃金減額への同意の認定は慎重になされるため、口頭での同意は「同意なし」と認定されるリスクが高い。必ず「書面」で同……

具体的に発生した賃金請求権を事後に変更された就業規則の遡及適用により処分又は変更することは許されますか。

この記事の要点 ✓ 具体的に発生した賃金請求権を、事後に変更された就業規則の遡及適用によって処分または変更することは許されない(香港上海銀行事件・最高裁平成元年9月7日第一小法廷判決) 就業規則の変更は将来に向かって効力を持つものであり、過去に発生した権利には遡及しません ✓ 労働協約の事後変更でも(371番)、就業規則の遡及適用で……

就業規則の変更により賃金を減額する場合に要求される合理性の程度を教えてください。

この記事の要点 ✓ 賃金・退職金など労働者にとって重要な権利・労働条件に実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更には、「高度の必要性に基づいた合理的な内容」が要求される(大曲市農協事件・最高裁昭和63年2月16日) 通常の労働条件変更より格段に高いハードルが設定されています ✓ 「高度の必要性」とは、単に経営上の効率化・コスト削減を望む……

就業規則の変更による賃金減額が有効となるための要件を教えてください。

この記事の要点 ✓ 就業規則変更による賃金減額が有効となるためには、①労働者との合意(労契法9条反対解釈)または②変更の合理性と周知(労契法10条)のいずれかを満たす必要がある どちらも要件として認められていますが、それぞれに固有の落とし穴があります ✓ 要件①(合意変更)は、就業規則変更と個別合意を組み合わせる方法——「同意書があ……

労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、どのようなものが考えられますか。

この記事の要点 ✓ 労働協約を締結できない場合や効力が及ばない労働者への賃金減額方法は、就業規則変更(労働契約法10条)または個別合意の2つ 368番で解説した3つの手法のうち、①労働協約が使えない場合の選択肢が②就業規則変更と③個別合意です ✓ 就業規則変更による賃金減額は対象者が多数の場合に有効だが、変更の合理性(労契法10条)……

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