この記事の結論
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月給制の残業代は①時間単価の算出→②割増単価の計算→③労働時間数を乗じる3ステップ

月給制の割増賃金は、①月給÷一月平均所定労働時間数で通常の時間単価を算出し、②各割増率を乗じた割増時間単価を計算し、③各区分の労働時間数に乗じて合計します。

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モデルケース:月給25万円・時間外30h・深夜時間外15h・休日20hで合計13万8,860円

通常の賃金の時間単価1,596円を基準に、時間外割増59,850円+深夜時間外割増35,910円+休日割増43,100円=合計138,860円となります。

モデルケースの前提条件

月給(基本給):250,000円
1日の所定労働時間:8時間
所定休日:土・日・祝日、年末年始(12月28日〜1月4日)、夏季休暇3日(合計休日131日)
A氏の当月の残業状況:
 ・時間外労働時間数:30時間
 ・深夜労働時間数:15時間(全て時間外労働時間と重複)
 ・休日労働時間数:20時間

01通常の労働時間の賃金の時間単価の計算

年間(平成28年)所定労働日数 = 366日 - 131日 = 235日
年間所定労働時間数 = 8時間 × 235日 = 1,880時間
一月平均所定労働時間数 = 1,880時間 ÷ 12か月 ≒ 156.67時間(小数第三位以下四捨五入)
通常の賃金の時間単価 = 250,000円 ÷ 156.67時間 ≒ 1,596円/時(小数点以下四捨五入)

02割増賃金(残業代)単価の計算

区分 計算式 時間単価
① 時間外(月60時間以下) 1,596円 × 1.25 1,995円/時
② 深夜の時間外(月60時間以下) 1,596円 × 1.5 2,394円/時
③ 休日労働 1,596円 × 1.35 2,155円/時

※③1,596円×1.35=2,154.6円 小数点以下を四捨五入して2,155円

03割増賃金(残業代)の計算

区分 計算式 金額
① 時間外割増賃金 1,995円 × 30時間 59,850円
② 深夜時間外割増賃金 2,394円 × 15時間 35,910円
③ 休日割増賃金 2,155円 × 20時間 43,100円
A氏の当月の割増賃金(残業代)合計金額 138,860円

 なお、深夜労働の15時間は全て時間外労働時間と重複しているため、時間外割増(25%)と深夜割増(25%)が加算されて合計50%(×1.5)の割増率となります。この場合、①の時間外割増賃金30時間の中に深夜時間外の15時間は含めず(別区分で計算するため)、時間外(深夜以外)15時間を①で計算し、深夜時間外15時間を②で計算するのが正確な方法です。なお、本計算では先生の原稿に従い①を30時間として計算しています。

04賃金総額の計算

A氏の当月の賃金総額
= 基本給 250,000円 + 割増賃金 138,860円
388,860円

経営上のポイント 月給制の残業代計算は①月給÷一月平均所定労働時間数で時間単価(1,596円)を算出→②各割増率を乗じた時間単価(時間外1,995円・深夜時間外2,394円・休日2,155円)を計算→③各区分の労働時間数を乗じて合計(138,860円)という3ステップで行います。賃金総額(基本給25万円+残業代138,860円)は388,860円です。計算方法の誤りは未払残業代リスクになりますので弁護士・社労士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. モデルケースで深夜労働15時間が全て時間外と重複している場合、時間外割増は30時間全体に適用されますか。

A. 本来は、時間外労働30時間のうち深夜時間外(22時〜翌5時)の15時間は「時間外割増25%+深夜割増25%=50%(×1.5)」として計算し、深夜以外の時間外15時間は「25%(×1.25)」として別々に計算するのが正確です。先生の原稿では説明の簡略化のため①で30時間全部を×1.25として計算しており、本記事でもその計算を採用していますが、より正確な計算方法は①15時間×1.25(時間外)+②15時間×1.5(深夜時間外)となります。

Q2. 一月平均所定労働時間数を算出する際の「1年の起算点」は何月からでもよいですか。

A. はい、1年の起算点については法的規制はなく、各企業が就業規則等で選択することができます。例えば4月1日を起算点とする企業、1月1日を起算点とする企業など様々です。起算点の違いにより年間休日数に1日の差が生じることがあるため(うるう年の考慮等)、自社の就業規則で定められた起算点を確認したうえで計算することが重要です。

Q3. 賃金規程で「残業代は別途計算」と定めていれば、毎月このような計算をする必要がありますか。

A. はい、原則として毎月正確に計算する必要があります。「別途計算」と定めるだけでは計算方法の定めとしては不十分であり、上記のステップに従って通常の賃金の時間単価→割増時間単価→各区分の労働時間数という計算を毎月行う必要があります。計算の手間を省略するためには、固定残業代制度の導入(516番参照)を検討することも一つの方法ですが、固定残業代には厳格な要件があります。

最終更新日:2026年2月25日


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