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7時間30分〜8時間の30分間は法内残業(割増なし)、8時間超が法定時間外(割増あり) 所定7時間30分の会社では、7時間30分〜8時間の30分間は法内時間外労働(割増不要・通常賃金のみ)、8時間を超えた部分が法定時間外労働(25%以上の割増必要)となります。 |
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月給制の時間単価は「月給÷一月平均所定労働時間数」で算出する 一月平均所定労働時間数は(365日-年間休日数)×7.5時間÷12か月で計算します。所定時間が7.5時間であることが分母に反映されます。 |
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就業規則の文言を確認し、法内残業の取扱いを明確に定めておくことが重要 「残業にはすべて割増を支払う」等の曖昧な規定があると、法内残業(7.5h〜8h)にも割増義務が生じるリスクがあります。就業規則の文言確認をお勧めします。 |
目次
01法内時間外労働と法定時間外労働の違い
所定労働時間が7時間30分の会社では、7時間30分を超えて労働させた場合でも、8時間に達するまでの30分間は法内時間外労働となり、8時間を超えた部分が法定時間外労働となります。この区別は、残業代コストと法的リスクの両面で重要です。
所定7時間30分の場合の時間区分
| 時間帯 | 区分 | 割増賃金 |
|---|---|---|
| 〜7時間30分 | 所定労働時間内 | 不要(通常賃金) |
| 7時間30分〜8時間(30分間) | 法内時間外労働 | 不要(通常賃金のみ) |
| 8時間超の部分 | 法定時間外労働 | 必要(25%以上の割増) |
法内時間外労働(7時間30分〜8時間)については、割増賃金の支払義務はありませんが、就業規則や個別合意で定めた賃金を支払う必要はあります。大星ビル管理事件(最高裁平成14年2月28日)では、「労働基準法上の労働時間に該当すれば、通常は労働契約上の賃金支払の対象となる」とされているため、法内残業時間についても通常の賃金の支払いは必要です。
02月給制の通常の賃金の時間単価の計算方法
月給制社員の通常の賃金の時間単価は「月給額÷一月平均所定労働時間数」で算出します。所定労働時間が7時間30分(7.5時間)の場合、計算は次のとおりです。
計算式(例:年間休日120日の場合)
年間所定労働日数 = 365日 - 120日 = 245日
年間所定労働時間数 = 7.5時間 × 245日 = 1,837.5時間
一月平均所定労働時間数 = 1,837.5時間 ÷ 12か月 ≒ 153.13時間
通常の賃金の時間単価 = 月給 ÷ 153.13時間
所定労働時間が7時間30分の場合、所定時間が8時間の場合(例:年休130日で156.67時間)と比べて一月平均所定労働時間数が少なくなるため、時間単価は相対的に高くなります。これは法内残業・法定時間外労働のいずれにも影響しますので、正確に計算することが重要です。
03割増賃金(残業代)単価の考え方
労基法37条1項により、法定時間外労働(8時間超)については、通常の賃金の時間単価に25%以上の割増率を乗じた賃金を支払わなければなりません。法内時間外労働(7時間30分〜8時間)には割増率を掛ける必要はありません。
各区分の割増率
・法内時間外労働:時間単価 × 1.0(割増なし・通常賃金のみ)
・法定時間外労働:時間単価 × 1.25(月60時間以下の場合)
・休日労働:時間単価 × 1.35
・深夜労働(22時〜翌5時):時間単価 × 0.25を加算
・法定時間外+深夜:時間単価 × 1.5(1.25+0.25)
04就業規則の文言と残業代コストへの影響
就業規則の記載が「残業にはすべて割増を支払う」等の曖昧な表現になっている場合、法内残業(7時間30分〜8時間)にも1.25倍の支払義務が生じるリスクがあります。就業規則に「8時間までの時間外労働については通常の賃金(割増なし)を支払い、8時間を超える時間外労働については25%以上の割増賃金を支払う」等と明確に定めておくことで、不要な人件費増を防ぐことができます。
また、「所定労働時間を超えたらすべて割増」という誤った運用は不要な人件費増を招きます。経営者としては、自社の計算ロジックが法的根拠(労基法および就業規則)に基づいているかを定期的に確認することが重要です。所定労働時間が7時間30分の場合の詳細な計算例については、固定給と歩合給を併用している場合も含めて627番を参照してください。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 法内残業(7時間30分〜8時間)の30分間に対して、全く賃金を支払わなくてもよいですか。
A. いいえ、通常の賃金は支払う必要があります。法内残業に対して割増賃金(25%以上の割増)の支払義務はありませんが、実際に労働した時間ですから通常の賃金(時間単価×1.0)の支払いは必要です。大星ビル管理事件(最高裁平成14年)では、労基法上の労働時間に該当すれば原則として賃金支払の対象となるとされています。法内残業をゼロ円とすることはできません(610番・584番参照)。
Q2. 週40時間超の計算では、法内残業の30分はどう扱いますか。
A. 週40時間超の計算において、1日8時間超の部分(法定時間外)は既に時間外として計算されているため、週計算から除外します。法内残業(7時間30分〜8時間の30分)は8時間以内に収まるため週計算には算入されます。ただし、その日の勤務で既に8時間に達している場合、その後の労働は法定時間外として扱われます(610番参照)。
Q3. 所定7時間30分の場合、月給制の時間単価は所定8時間の場合より高くなりますか。
A. はい、一般的に高くなります。一月平均所定労働時間数が7.5時間ベースで計算されるため(8時間ベースより少ない)、月給を除する分母が小さくなり、時間単価は相対的に高くなります。同じ月給250,000円・年間休日130日でも、所定8時間なら156.67時間で約1,596円/時、所定7.5時間なら(365日-130日)×7.5時間÷12か月≒146.88時間で約1,702円/時となります(端数処理の方法により差異あり)。
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最終更新日:2026年3月1日