この記事の結論
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まず通常の賃金の時間単価を算出し、次に割増率ごとの時間単価を計算する

月給制では、まず月給÷一月平均所定労働時間数で通常の賃金の時間単価を求め、それに各割増率を乗じて割増賃金の時間単価を計算します(端数は小数点以下切り捨て)。

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モデルケース:月給25万円・年休130日の場合の各割増時間単価

通常の賃金の時間単価1,596円を基準に、時間外(月60時間まで)1,995円、60時間超時間外2,394円、休日2,155円、深夜1,995円、60時間超深夜2,793円、休日深夜2,554円となります。

01モデルケース

モデルケースの前提条件

月給(基本給):250,000円
1日の所定労働時間:8時間
年間休日数:130日

02通常の賃金の時間単価の計算

年間所定労働日数 = 365日 - 130日 = 235日
年間所定労働時間数 = 8時間 × 235日 = 1,880時間
一月平均所定労働時間数 = 1,880時間 ÷ 12か月 ≒ 156.67時間(小数第三位以下四捨五入)
通常の賃金の時間単価 = 250,000円 ÷ 156.67時間 ≒ 1,596円/時(小数点以下四捨五入)

03割増率の確認

区分 割増率
① 1か月の時間外労働が60時間以下の場合 25%以上(×1.25)
② 1か月の時間外労働が60時間を超えた場合 50%以上(×1.5)
③ 休日労働 35%以上(×1.35)
④ 深夜労働(22時〜翌5時) 25%以上(×1.25)
⑤ 60時間超の時間外労働が深夜に及んだ場合 75%以上(×1.75)
⑥ 休日労働が深夜に及んだ場合 60%以上(×1.6)

04割増賃金(残業代)の時間単価(小数点以下切り捨て)

区分 計算式 時間単価
① 時間外(月60時間以下) 1,596円 × 1.25 1,995円/時
② 時間外(月60時間超) 1,596円 × 1.5 2,394円/時
③ 休日労働 1,596円 × 1.35 2,154円/時
④ 深夜労働 1,596円 × 1.25 1,995円/時
⑤ 60時間超の時間外深夜 1,596円 × 1.75 2,793円/時
⑥ 休日深夜 1,596円 × 1.6 2,553円/時

 ③の休日労働の時間単価について、先生の原稿では2,155円(端数処理の差)としていますが、本表では1,596円×1.35=2,154.6円の小数点以下切り捨てで2,154円として整理しています。端数処理については就業規則等の定めに従うことで差異が生じます。⑥の休日深夜も同様です。いずれの場合も、正確な計算方法については弁護士・社労士に確認することをお勧めします。

経営上のポイント 月給制の残業代計算は、①月給÷一月平均所定労働時間数で通常の賃金の時間単価を算出し、②労働の種類ごとに割増率を乗じて各区分の割増時間単価を計算します。月給25万円・年休130日の例では通常時間単価1,596円、時間外1,995円・60時間超2,394円・休日2,154円・深夜1,995円・60時間超深夜2,793円・休日深夜2,553円となります。計算方法に不安がある場合は弁護士・社労士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 深夜の時間外労働の割増率は25%+25%=50%で計算するのですか。

A. そのとおりです。月60時間以下の時間外労働が深夜時間帯(22時〜翌5時)に及んだ場合、時間外割増(25%以上)と深夜割増(25%以上)がそれぞれ加算されるため、合計50%以上の割増率となります。本モデルケースでは通常の賃金の時間単価1,596円×1.5(①の時間外割増率と同じ数値)となりますが、これは偶然ではなく、月60時間以下の深夜時間外労働の割増率1.5と60時間超時間外の割増率1.5が同じ数値になるためです(ただし根拠が異なります)。

Q2. 算定基礎に算入する賃金の範囲に注意すべき点は何ですか。

A. 通常の賃金の時間単価の算定基礎から除外できるのは、①家族手当②通勤手当③別居手当④子女教育手当⑤住宅手当⑥臨時に支払われた賃金⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7種類のみです(労基則21条)。役職手当・皆勤手当・営業手当・職務手当等はこれに含まれず、原則として算定基礎に算入する必要があります。これらを除外していると未払残業代のリスクが生じますので、自社の賃金設計を確認することをお勧めします。

Q3. 端数処理はどのように行えばよいですか。

A. 先生の原稿では③休日労働の時間単価を2,155円(1,596円×1.35≒2,154.6を四捨五入?)としていますが、本文では小数点以下切り捨てとして2,154円としています。端数処理の方法(四捨五入・切り捨て・切り上げ)については、労基法上は円未満の端数を切り捨てることができますが、就業規則等で明確に定めることが望ましいです。重要なのは、端数処理を労働者に不利な方法に固定することなく、一貫した方法で行うことです。

最終更新日:2026年2月25日


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