この記事の結論
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所定就業時間=始業時刻から終業時刻までの時間

所定就業時間とは、所定の始業時刻から終業時刻までの時間をいいます。休憩時間を含んだ時間帯全体を指します。

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所定労働時間=所定就業時間から休憩時間を差し引いた時間

所定労働時間とは、所定就業時間から休憩時間を差し引いた時間をいいます。残業代計算の基準となる労働時間です。

01所定就業時間とは

 所定就業時間とは、所定の始業時刻から終業時刻までの時間のことをいいます。休憩時間を含んだ時間帯全体のことであり、従業員が会社にいなければならない時間帯(拘束時間)に相当します。

所定就業時間の計算例

始業時刻:午前9時 終業時刻:午後6時(18時) 休憩:1時間
所定就業時間=18時-9時=9時間

02所定労働時間とは

 所定労働時間(労働契約上の労働時間)とは、所定の始業時刻から終業時刻までの所定就業時間から休憩時間を差し引いた時間のことをいいます。実際に労働する時間であり、残業代の計算や法定労働時間(1日8時間・週40時間)との比較に用いる基準となります。

所定労働時間の計算例

始業時刻:午前9時 終業時刻:午後6時(18時) 休憩:1時間
所定労働時間=所定就業時間9時間-休憩1時間=8時間

03両者の違いと実務上の意義

所定就業時間 所定労働時間
定義 始業〜終業の時間帯全体 就業時間-休憩時間
例(9時〜18時・休憩1時間) 9時間 8時間
休憩時間の含まれ方 含む 含まない
残業代計算との関係 直接使わない 計算の基準となる

 会社経営者として重要なのは、残業代(時間外割増賃金)の計算に用いる「労働時間」は所定労働時間であり、所定就業時間ではないという点です。法定労働時間(1日8時間・週40時間)との比較も、休憩を除いた所定労働時間で行います。

 例えば、所定就業時間が9時間(始業9時〜終業18時・休憩1時間)の会社では、所定労働時間は8時間であり、法定労働時間と一致します。この場合、終業後の残業はすべて法定時間外労働(25%以上の割増対象)となります。一方、所定就業時間が8時間45分(始業9時〜終業17時45分・休憩1時間)の場合、所定労働時間は7時間45分であり、法定時間(8時間)より短くなります。この場合、所定終業後の15分は法内残業(割増なし)、それを超えた部分が法定時間外労働(割増あり)となります(610番参照)。

経営上のポイント 所定就業時間は始業〜終業の時間帯全体(休憩込み)、所定労働時間は就業時間から休憩を差し引いた実際の労働時間です。残業代計算に用いるのは所定労働時間です。この区別を誤ると残業代の計算誤りや未払いリスクにつながります。計算方法に不安がある場合は弁護士・社労士に相談することをお勧めします。アドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。問題社員、労働審判、残業代トラブルでお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

Q&Aよくある質問

Q1. 就業規則に記載すべきなのは所定就業時間ですか、所定労働時間ですか。

A. 就業規則には、労基法89条の規定により、始業・終業の時刻と休憩時間の定めが必要です。これらを記載することにより、自動的に所定就業時間と所定労働時間の両方が確定します。「始業9時、終業18時、休憩1時間(12時〜13時)」と記載すれば、所定就業時間は9時間、所定労働時間は8時間と明確になります。

Q2. 「拘束時間」という言葉を聞きますが、所定就業時間と同じですか。

A. 実質的に同じ概念です。拘束時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間帯(休憩を含む)のことを指し、所定就業時間(始業〜終業の時間帯全体)と同様の意味で用いられることがほとんどです。トラック運転手等の運輸業では、拘束時間に上限(最大16時間)が設けられており、労働時間管理上の重要な概念となっています。

Q3. 残業代の計算で「時間単価」を求める際の分母は所定就業時間ですか、所定労働時間ですか。

A. 所定労働時間です。残業代の時間単価(労基法施行規則19条1項5号の月給制の場合)は、月額賃金を1か月の所定労働時間数で除して計算します。所定就業時間(休憩込み)で除することは誤りです。所定労働時間を正確に把握したうえで計算する必要があります(残業代の計算式については593番参照)。

最終更新日:2026年2月25日


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