ワード:「雇い止め」

有期労働契約における不更新条項や更新限度特約について、裁判例ではどのような判断がなされていますか。

この記事の結論 1 明確な説明と労働者の署名押印があれば、有効性が認められやすい 不更新条項について、事前に説明会を実施し、労働者がこれを了承した上で署名押印・確認印を押印している場合は、意思表示が明確かつ客観的なものとして、合意による契約終了が認められる傾向にあります。 2 説明が曖昧だと、その有効性が否定されることもある 更新……

雇止め法理とはどういうものですか。

この記事の結論 1 有期契約でも、一定の場合は解雇権濫用法理が類推適用される 民法上は期間満了により契約関係が当然に終了しますが、判例は、一定の場合に解雇権濫用法理を類推適用し、合理的理由のない雇止めを無効と判断してきました。この「雇止め法理」は労働契約法19条として条文化されています。 2 2つの類型のいずれかに該当し、拒絶に合理……

有期労働契約の期間の上限と下限を教えてください。

この記事の結論 1 上限は原則3年、例外的に5年や上限なしとなる場合がある 有期労働契約の期間の上限は、原則3年です。ただし、一定の事業完了に必要な期間を定める場合、高度専門職の場合は5年、満60歳以上の労働者との契約には上限がありません。 2 下限に法令上の制限はないが、使用者には配慮義務がある 有期労働契約の期間の下限について……

個別労働関係民事紛争の範囲と労働審判の対象について教えてください。

この記事の結論 1 労働審判の対象は「特定の労働者と会社との労働契約上の権利義務紛争」に限定 解雇・残業代・安全配慮義務違反が典型類型です。組合が関与していても個別の権利請求として構成されれば対象になり得ます。「組合が絡めば労働審判ではない」という単純化は誤りです。 2 M&A・合併後に承継会社が過去の労務問題の当事者となる……

労働契約が終了する原因には、どのようなものがありますか。

この記事の結論 1 労働契約の終了原因は多様で、類型ごとにリスク・対応が大きく異なる 解雇・辞職・合意退職・雇止め・休職期間満了・定年・死亡など、終了原因は多様です。どの原因に該当するかによって、会社が負う法的リスクや求められる対応が大きく異なります。 2 「会社の一方的意思」か「労働者の意思」か「双方の合意」かの区別が重要 終了……

あっせん手続を利用して労働紛争を解決するには、どうすればよいですか。

この記事の要点 ✓ あっせんの対象は労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用を除く)。解雇・配置転換・労働条件変更・いじめ・嫌がらせ等、対象範囲が広い 幅広い労働問題が対象となるため、会社経営者として制度を正確に理解しておく必要があります ✓ 手続が迅速・費用不要・非公開・専門家担当。低コストで手軽に利用できるため労働者側に積……

就業規則や労働契約で民法536条2項を排除することは、原則として認められませんか。

この記事の要点 ✓ 理論的には60%で足りるはずだが、裁判所は就業規則や労働契約による民法536条2項の適用除外について慎重に判断する傾向がある 単に「休業期間中は平均賃金の60%の休業手当を支払う」と定めるだけでは不十分とされたケースがあります ✓ いすゞ自動車(雇止め)事件(東京地裁平成24年4月16日):「休業手当として60%……

再雇用後の雇用期間を1年とし、65歳になる前に雇止めをすることはできますか。

この記事の結論 1 再雇用後の雇用期間を1年とすること自体は可能だが、65歳までは契約更新への合理的期待がある 高年法9条が65歳までの雇用確保措置を要求していることが根拠です。 2 65歳になる前に雇止めをする場合は労働契約法19条が適用される 客観的合理的理由と社会通念上の相当性がなければ、雇止めは無効となるリスクが高いです。……

会社の業績が悪いのに賃金減額に同意しない。

[toc] 1 はじめに  会社の業績が悪いため賃金原資を確保することが難しい場合、労働者の賃金を減額したり、辞めてもらう必要があることもあります。しかし、賃金を減額するにしても、辞めてもらうにしても、自由に行うことはできず、一定のルールを守らなければなりません。
 本FAQでは、会社の業績が悪いのに賃金減額に同意してもらえない場合の対処法について解説します。 2 業績が悪いこ……

有期契約社員の雇止めの判断基準は、正社員の解雇と同じですか。

この記事の結論 1 雇止めの判断基準は、正社員の解雇と比較すれば緩やかに客観的合理的理由・社会通念上の相当性が認められる 日立メディコ事件・日本航空事件がこの点を示しています。 2 「緩やか」であっても経営者の主観的判断のみでは足りず、客観的証拠の準備が必要 「緩やかだから何を理由にしても大丈夫」という誤解は危険です。 ……

有期労働契約の実態評価では、どのような要素が考慮されますか。

この記事の結論 1 裁判例は6要素(業務の客観的内容・契約上の地位・主観的態様・更新手続・他労働者の状況・その他)を総合評価する 「有期労働契約の反復更新に関する調査研究会報告」が示した分析枠組みです。 2 実務上特に重視されやすいのは「更新の手続・実態」と「当事者の主観的態様」 この2点がリスク管理における最重要の対策ポイントと……

有期労働契約には、どのような類型があり、雇止めリスクはどう違いますか。

この記事の結論 1 有期労働契約は「純粋有期契約タイプ」「実質無期契約タイプ」「期待保護タイプ」(2類型)の4つに分類される 「有期労働契約の反復更新に関する調査研究会」が38件の雇止め裁判例を分析して整理した類型です。 2 会社が目指すべきは「純粋有期契約タイプ」。自社がどの類型かの把握が雇用管理の出発点 業務の臨時性・厳格な更……

労契法19条により雇止めが制限された場合、どのような法律効果が生じますか。

この記事の結論 1 雇止めが制限されると、従前と同一条件(契約期間含む)で有期契約が更新される 無期労働契約が成立するわけではありません。 2 雇止め制限は永続するものではなく、再び満了時に問題が生じ得る。無期転換(18条)も視野に入れる必要がある 有期契約の長期管理には、雇止め制限(19条)と無期転換(18条)の両方を視野に入れ……

有期契約労働者を契約期間満了で雇止めしたところ、雇止めは無効だと主張してくる。

[toc] 1 労契法19条  有期労働契約は契約期間満了で契約終了となるのが原則です。
 しかし、労契法19条の要件を満たす場合は、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で有期労働契約者からの有期労働契約の更新の申込み又は有期労働契約の締結の申込みを承諾したものとみなされるため、雇止めをしても労働契約を終了させることはできません。 (有期労働契約の更……

労契法19条の「更新の申込み」は、どの程度のものがあれば認められますか。

この記事の結論 1 「更新の申込み」「締結の申込み」は要式行為ではなく、非常に緩やかに解釈される 使用者による雇止めの意思表示に対して、労働者による何らかの反対の意思表示が伝わるものでよいとされています。 2 雇止め面談での「辞めたくない」等の口頭発言だけで申込みが成立し得るため、記録が重要 雇止め面談は事前に弁護士と進め方を確認……

労契法19条に「更新申込み」要件が規定されたのはなぜですか。

 労働契約法19条では、有期労働契約者による有期労働契約の更新または締結の申込みが要件として規定されています。従来の雇止め法理では申込みは要件とされていませんでしたが、なぜ労契法19条では新たに要件として明示されたのでしょうか。  本ページでは、労契法19条に「更新申込み」要件が規定された理由と実務上の注意点について、会社側・使用者側専門の弁護士が解説します。 01従来の雇止め法理との比較……

労契法19条2号の「合理的期待」は、いつの時点を基準に判断されますか。

この記事の結論 1 「満了時」の判断は、最初の契約締結時から満了時までのあらゆる事情を総合的に勘案する趣旨 「合理的期待の有無は満了時のみの事情で決まる」という意味ではありません。 2 合理的期待が既に生じている場合、満了前の一方的な上限宣言だけで直ちに否定されるわけではない 雇止めを計画するなら、合理的期待が生じてしまう前の段階……

労働契約法19条は、従来の雇止め法理と同じ内容ですか。

この記事の結論 1 厚生労働省通達は、労契法19条が従来の雇止め法理の内容・適用範囲を変更しないと説明している 東芝柳町工場事件・日立メディコ事件等の判例の蓄積は、そのまま参照できると解されています。 2 法的構造は「解雇権濫用法理の類推適用」から「承諾みなし」に変わったが、判断基準は実質的に同じ 雇止めを検討する場合は、条文と従……

労契法19条による雇止め制限が認められるかどうかは、どのように判断すればよいですか。

この記事の結論 1 判断は2段階。第1段階で「実質無期」(1号)・「合理的期待」(2号)のいずれかの該当性を判断する 第1段階のいずれにも該当しない場合は、雇止めに客観的合理的理由や社会通念上の相当性は要求されません。 2 第1段階に該当した場合のみ、第2段階として雇止めの合理性・相当性を判断する この基準は正社員の解雇と同様です……

有期契約労働者の雇止めには、労働契約法19条上どのようなリスクがありますか。

この記事の結論 1 労働契約法19条の要件を満たす場合は、契約期間が満了しても雇止めが認められない 「有期契約だから安心だ」という認識は非常に危険です。有期契約社員の雇用管理は、正社員の解雇と同様のリスク意識で臨むことが必要です。 2 労契法19条は東芝柳町工場事件・日立メディコ事件等の雇止め法理を制定法化したもの 法律に明文化さ……

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