問題社員59 定年後再雇用者が契約不更新に納得しない。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)は、希望者全員につき65歳までの雇用の確保を義務付けていますので、定年後再雇用された一般的な社員は65歳まで契約更新できると期待するのが通常です。特段の事情がない限り、契約更新に合理的期待があるといえるでしょう。となると、高年齢者の意思に反して雇止めを行うためには、雇止めに客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが必要になります。
客観的な証拠が不十分であること等の理由から雇止めまで踏み切れない場合は、当該労働者との間で「本契約を最後とし、次回更新しない」という不更新条項を定めて、次回の契約期間で契約を更新せずに終了することに合意してもらうことなどが考えられます。不更新条項の説明をし、当該社員が納得した上で契約更新をすることができれば、更新の期待が否定される結果、嘱託社員が契約更新を争うリスクを減らすことができます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
(勤務弁護士作成)