この記事の結論
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事前通知を怠ると「知らされていなかった」という主張で退職の効力が争われるリスクが高まる

法律上の明確な義務規定はありませんが、事前通知を怠ると休職期間満了退職の効力が争われるリスクが高まります。

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休職命令発令時・満了1〜2か月前・満了直前の3段階で書面通知し記録化する

本人の受領サインまたは内容証明郵便による送付で証拠化することが、後の紛争リスクを大幅に低減させます。

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 休職期間満了日の通知とは、私傷病休職中の社員に対し、休職がいつまでに終了し、その時点で復職できなければどのような法的効果(自動退職または解雇)が生じるかをあらかじめ知らせる会社側の実務対応をいいます。精神疾患を発症して休職に入った社員に対し、会社が休職期間満了日をどのように通知するかは、後の退職・解雇トラブルを防止する上で非常に重要なポイントです。「満了日を知らされていなかった」という主張は、休職期間満了退職の有効性を争う際によく用いられる主張の一つです。

 事前通知を怠ると、休職期間満了退職の効力が争われるリスクが高まります。本ページでは、休職期間満了日の通知の重要性とその実務上の対応方法について、会社側専門の弁護士が解説します。

01なぜ休職期間満了日の事前通知が重要なのか

 結論:休職期間満了日を事前に通知しないまま突然退職を告げると、社員が「不当な扱いを受けた」と感じやすく、休職期間満了退職の効力を争う紛争リスクが高まります。精神疾患を発症して休職に入った社員が、債務の本旨に従った労務提供ができる程度にまで精神疾患が改善しないまま休職期間が満了すると、自動退職または解雇という重大な法的効果が発生します。

 社員にとって退職・解雇は人生に大きな影響を与える重大な出来事です。「いつまでに回復しなければ退職になるのか」を事前に明確に知らされていれば、本人も主治医も治療の目標時期を把握することができます。他方、事前に知らされないまま突然「本日で退職となります」と告げられた場合、本人は「不当な扱いを受けた」と感じやすく、休職期間満了退職の効力を争う訴訟・労働審判のリスクが高まります。事前通知は、休職期間満了退職の有効性を高める重要な実務対応です。

02通知のタイミングと記載内容

 結論:通知は休職命令発令時・満了の1〜2か月前・満了直前という3段階で行い、それぞれの時点で満了日と満了時の取扱いを具体的に伝えることが重要です。まず、休職を命じる際に書面(休職命令書)で休職期間の始期・終期・満了時の取扱い(自動退職または解雇)を明記します。「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日までの休職を命じます。この期間内に債務の本旨に従った労務提供ができる程度に回復しない場合は、就業規則第〇条に基づき〇年〇月〇日をもって退職となります」という形で明示してください。

 次に、休職期間満了の1〜2か月前に改めて満了日と満了時の取扱いを書面で通知します。「〇年〇月〇日が休職期間満了日です。この日までに復職できる程度に回復されなかった場合は、就業規則に基づき退職となります。復職を希望される場合は、主治医の診断書を〇月〇日までにご提出ください」という形で具体的に伝えます。さらに、満了の1〜2週間前にも本人の状況を確認し、復職意向・診断書の提出状況を把握します。連絡が取れない場合は内容証明郵便で通知します。

03通知は必ず書面で記録を残してください

 結論:通知は必ず書面で行い、本人の受領サインまたは内容証明郵便によって記録化することで、「知らされていなかった」という主張を防ぐことができます。口頭での通知は「言った・言わない」の争いになるため不十分です。

 後に「満了日を知らされていなかった」という主張を封じるためにも、書面での通知と記録の保存が不可欠です。書面での通知を徹底することは、社員との間での認識の齟齬を防ぐという観点からも重要です。会社として明確な書面を交付することで、後の紛争リスクを大幅に低減することができます。

04就業規則の整備と弁護士への早期相談が重要です

 結論:休職期間満了退職の有効性を確保するためには、就業規則に休職事由・休職期間・満了時の取扱いを明確に定めておくことが大前提であり、早期の弁護士相談が重要です。就業規則の規定が不明確であったり、実態と乖離していたりする場合は、休職期間満了退職の効力が争われるリスクが高まります。

 休職中の社員への対応・復職の可否判断・休職期間満了退職の手続など、休職に関する対応は多くの法的問題が伴います。弁護士法人四谷麹町法律事務所では、精神疾患社員への休職対応・就業規則の整備について豊富な経験を有しており、会社側の視点から実務的なアドバイスを提供しています。早期の段階からご相談ください。

通知の比較|適切な対応/NGな対応

○ 適切な対応 ✕ NGな対応(退職効力が争われるリスク)
休職命令書に満了日・満了時の取扱いを明記する 満了日を口頭のみで伝え、書面を残さない
満了1〜2か月前に改めて書面で通知する 満了直前まで一切連絡しない
本人の受領サインまたは内容証明郵便で記録化する 通知の証拠を残さない
連絡が取れない場合は内容証明郵便で通知を試みる 連絡が取れないことを理由に通知自体を諦める

05よくある質問(FAQ)

Q. 休職期間満了日の通知は法律で義務付けられていますか。

法律上の明確な義務規定はありませんが、事前通知を怠ると休職期間満了退職の効力が争われるリスクが高まります。「満了日を知らされていなかった」という主張は実際の紛争でよく用いられます。法的リスクを低減するためにも、休職命令書・満了1〜2か月前の通知書・満了直前の確認書を書面で交付することを強くお勧めします。

Q. 社員が連絡を取れない状態の場合はどうすればよいですか。

連絡が取れない場合は内容証明郵便で通知します。内容証明郵便は送付した事実と内容を証明できるため、後の紛争における重要な証拠となります。また、社員が最後に届け出た住所に送付することが基本ですが、転居の可能性がある場合は複数の方法で通知を試みることも検討してください。

Q. 休職命令書にはどのような事項を記載する必要がありますか。

休職命令書には、休職開始日・休職終了日(満了日)・休職事由・満了時の取扱い(自動退職または解雇)・休職中の連絡方法・復職手続の概要・給与の取扱いを記載することが望ましいです。また、就業規則の根拠規定の条文番号を明記することで、休職命令の法的根拠を明確にすることができます。具体的な文書の作成については弁護士にご相談ください。

経営上のポイント 休職期間満了日の事前通知を怠ると、「知らされていなかった」という主張により休職期間満了退職の効力が争われるリスクが高まります。休職命令発令時・満了1〜2か月前・満了直前の3段階で書面通知を行い、受領サインまたは内容証明郵便で記録化しておくことが、後の紛争予防に直結します。精神疾患を否定する社員への休職命令の可否とあわせて、休職命令書のひな形・通知文書の作成について会社側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。休職期間満了退職・休職対応でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月9日


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