労働審判手続において、労働審判員に支障が生じた場合どうなりますか?
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労働審判は審判官1名・審判員2名で行う必要があり、残りだけでは進められない 労働審判手続は、労働審判官と労働審判員2名で組織する労働審判委員会で行う必要があります(労働審判法7条)。審判員の一方に支障が生じても、審判官と他方の審判員だけで手続を行うことはできません。 |
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一時的なら期日変更、長期的なら審判員を交替。従前の手続の効力は失われない 支障が一時的なら期日変更で対応することもありますが、長期的な場合は審判員が交替します。交替により委員会の構成が変わっても、それまでの手続の効力には影響しません。 |
労働審判手続は、労働審判官(裁判官)と労働審判員2名で組織する労働審判委員会で行う必要があります(労働審判法7条)。そのため、労働審判員の一方に支障が生じたときに、労働審判官と他方の労働審判員だけで労働審判手続を行うことはできません。労働審判は、労使双方の実務に精通した審判員2名が関与する合議体で判断することに意味があるためです。
会社側専門の弁護士の立場から、労働審判員に支障が生じた場合に手続がどうなるのか、そして従前の手続の効力への影響を解説します。
01労働審判委員会の構成(労働審判法7条)
労働審判委員会は、労働審判官1名と労働審判員2名で構成されます(労働審判法7条)。労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者から任命され、中立かつ公正な立場で審理・判断に加わります。この3名の合議体で審理を行うことが制度の前提となっているため、審判員の一方を欠いたまま、審判官と他方の審判員の2名だけで手続を進めることは認められていません。
02審判員に支障が生じた場合の対応
労働審判員の一方に支障が生じた場合の対応は、その支障が一時的なものか、長期的なものかによって異なります。支障が一時的なものであれば、労働審判期日を変更して対応することも考えられます。他方、支障が長期的なものである場合には、その労働審判員の指定を取り消したうえで、新たな労働審判員が指定されることになります。
03審判員の交替と従前の手続の効力
新たな労働審判員が指定され、労働審判委員会の構成が変わったとしても、労働審判員が変更される前までに行われた労働審判手続の効力には影響はありません。すなわち、それまでに整理された争点や実施された証拠調べなどの手続が、審判員の交替によって無効になったり、やり直しになったりするわけではありません。手続の連続性は維持されるため、会社側としては、審判員の交替があっても、それまでの手続を前提に対応を続けることになります。
04会社側が押さえておくべき視点
労働審判員の支障は、会社側がコントロールできる事柄ではありませんが、支障が生じた場合に手続がどう進むのかを理解しておくことで、予定外の期日変更や審判員の交替にも落ち着いて対応できます。一時的な支障による期日変更があった場合でも、答弁書の準備や証拠の整理は当初の予定どおり進めておくべきです。また、審判員が交替しても従前の手続の効力は維持されるため、会社側の主張立証をやり直す必要はありません。手続の進行に不明な点があれば、会社側専門の弁護士に確認しながら対応することが安心です。
05よくある質問(FAQ)
Q. 労働審判員が1人欠けたら、残りの2人で審理を進めてもらえますか。
できません。労働審判は、労働審判官と労働審判員2名で組織する労働審判委員会で行う必要があります(労働審判法7条)。審判員の一方に支障が生じても、審判官と他方の審判員だけで手続を進めることはできません。
Q. 審判員に支障が生じると、手続はどうなりますか。
支障が一時的なものであれば、期日を変更して対応することが考えられます。長期的なものである場合には、その審判員の指定を取り消したうえで、新たな審判員が指定されることになります。
Q. 審判員が交替すると、それまでの手続はやり直しになりますか。
やり直しにはなりません。新たな審判員が指定されて委員会の構成が変わっても、変更前までに行われた手続の効力には影響しません。それまでの争点整理や証拠調べは維持されます。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。労働審判への対応でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日