1年単位の変形労働時間制の要件を教えてください。
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労使協定の作成と労基署への届出が必須 1年単位の変形労働時間制を実施するためには、労使協定を作成し、これを管轄の労働基準監督署へ届け出る必要があり、就業規則に明記しただけでは足りません。 |
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労使協定に5つの事項を定める必要がある 対象労働者の範囲、対象期間、特定期間、労働日及び労働日ごとの労働時間の特定、労使協定の有効期間の5つを、労使協定に定める必要があります。 |
839の記事で解説した3種類の変形労働時間制のうち、季節による繁閑差が大きい業種に適しているのが、1年単位の変形労働時間制です。もっとも、840の記事で解説した1か月単位のものとは、要件が異なる点に注意が必要です。
会社側専門の弁護士の立場から、1年単位の変形労働時間制の要件を解説します。
011か月単位との違い(届出義務)
1年単位の変形労働時間制を実施するためには、労使協定を作成し、これを管轄の労働基準監督署へ届け出る必要があり、就業規則に明記しただけでは足りません。840の記事で解説した1か月単位の変形労働時間制は、労使協定又は就業規則のいずれかで足りるとされていましたが、1年単位の場合は、労使協定の作成と届出の両方が必須となる点で、より厳格な要件が課されています。
02労使協定に定めるべき事項
労使協定には、次の事項を定めておかなければなりません。
③の特定期間は、繁忙期における労働時間規制の一部緩和(連続労働日数の上限延長等)に関わる重要な事項であり、対象期間全体のうち、特に忙しい期間を明確に区分しておく必要があります。④の労働日・労働時間の特定は、840の記事で解説した1か月単位の場合と同様、事前の具体的な特定が求められます。
03会社側が押さえておくべき視点
会社側が1年単位の変形労働時間制を導入する際には、労使協定の作成にとどまらず、労働基準監督署への届出を確実に行う必要があります。届出を怠ると、就業規則に定めがあっても制度自体が有効に成立しません。
また、対象期間が1年と長期にわたるため、労働日・労働時間の事前特定を、年間を通じて具体的に行っておく必要があります。年度途中で業務の実態が想定と大きく変わった場合の対応(協定の変更手続等)についても、あらかじめ検討しておくことをお勧めします。
04よくある質問(FAQ)
Q. 就業規則に1年単位の変形労働時間制を明記していれば、それだけで有効ですか。
有効になりません。労使協定を作成し、管轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。就業規則への明記だけでは足りません。
Q. 「特定期間」とは何ですか。
対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいいます。労使協定で明確に定める必要があります。
Q. 1年単位の変形労働時間制は、1か月単位のものと要件が違いますか。
違います。1か月単位は労使協定又は就業規則のいずれかで足りますが、1年単位は労使協定の作成と労基署への届出の両方が必須です。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。変形労働時間制の導入でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日