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同意は労働者ごと・有効期間ごとに書面で取得。不同意による不利益取扱いは禁止 全員一括の同意書や口頭での同意は、後のトラブル時に証明困難になります。対象労働者ごとに個別の書面同意書を取得・保管することが必要です(労基法38条の4第2項)。不同意を理由とした不利益取扱いは法令違反です。 |
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決議有効期間は3年以内が望ましい。各種記録は有効期間中+満了後3年間保存義務 有効期間終了後は再決議・再届出・再同意取得が必要です。記録(労働時間の状況・健康措置・苦情措置・同意書)は有効期間中および満了後3年間保存する義務があります(労基則24条の2の3第3項)。 |
目次
01対象労働者の同意の必要性
企画業務型裁量労働制を適用するにあたっては、対象労働者の個別同意が必要です(労基法38条の4第2項)。同意の内容は、「対象労働者を対象業務に就かせたときはみなし労働時間労働したものとみなすこと」についての同意です。また、同意をしなかった場合でも不利益な取扱いをしてはならないことが法定されています(同条同項)。
02同意取得の方法と手続き
指針(平成11年労告149号)では、同意取得について以下のように定めています。
・決議の有効期間ごとに得られるものであること
・書面によること等その手続きを決議で定めること
・同意の撤回を認める場合は、その要件および手続きを決議で具体的に定めることが適当
全員一括の同意書取得や口頭での同意は、後のトラブル時に「同意があった」ことの証明が困難になります。対象労働者ごとに個別の同意書を書面で取得し、適切に保管することが実務上重要です。
03不同意の場合の取扱い
企画業務型裁量労働制の適用に同意しなかった場合の配置および処遇は、同意をしなかった労働者をそのことを理由として不利益に取り扱うものであってはなりません(指針)。
・同意しなかったことを理由とした降格・減給
・同意しなかったことを理由とした不利な配置転換
・同意しなかったことを理由とした昇進・昇格への影響
・同意しなかったことを理由とした解雇
不同意を理由とする不利益取扱いは法令違反となり、当該労働者から損害賠償請求等を受けるリスクがあります。
04決議の有効期間(3年以内が望ましい)
厚生労働省令で定める事項の一つとして、決議の有効期間の定めがあります(労基則24条の2の3第3項)。有効期間については法令上の上限規定はありませんが、行政通達(平成15年10月22日基発1022001号)では次のように示されています。
「決議の有効期間については、不適切に制度が運用されることのないように、3年以内とすることが望ましい。」(平成15年10月22日基発1022001号)
有効期間が終了した場合は、改めて労使委員会で決議を行い、労基署へ届け出る手続きが必要です。有効期間の管理もスケジュール化しておくことが重要です。
05記録の保存義務(有効期間中+満了後3年間)
使用者は、以下の記録を決議の有効期間中および当該有効期間の満了後3年間保存する義務があります(労基則24条の2の3第3項)。
| 保存すべき記録 | 保存期間 |
|---|---|
| 対象労働者の労働時間の状況 | 有効期間中+満了後3年間 |
| 健康・福祉確保措置として講じた措置の内容 | 有効期間中+満了後3年間 |
| 苦情処理措置として講じた措置の内容 | 有効期間中+満了後3年間 |
| 対象労働者の同意に関する対象労働者ごとの記録 | 有効期間中+満了後3年間 |
記録は労働審判や訴訟が提起された際の重要な証拠となります。紛争が発生した場合に備えて、記録を適切に整備・保管しておくことが会社側の防御にとって不可欠です。
06経営者として押さえるべき実務ポイント
② 有効期間終了前に再決議・再届出・再同意取得のスケジュールを組む
③ 不同意の労働者への処遇を誤らないよう人事部門に徹底する
④ 各種記録の保存体制(電子データ・書面)を整備する
⑤ 有効期間の管理は人事管理システム等で期限管理する
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。就業規則・裁量労働制の導入・整備でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
Q&Aよくある質問
Q1. 決議の有効期間が満了した後、新たな決議まで空白期間が生じた場合はどうなりますか。
A. 有効期間が満了した後は企画業務型裁量労働制の効力が失われます。空白期間中は通常の労働時間管理に戻る必要があります。有効期間の管理は非常に重要であり、期間満了前に余裕を持って再決議・再届出を行うことが不可欠です。
Q2. 対象労働者が途中で同意を撤回した場合、どのように対応すればよいですか。
A. 決議で定めた撤回の要件・手続きに従って対応します。撤回後は当該労働者への裁量労働制の適用ができなくなりますので、通常の労働時間管理に切り替える必要があります。撤回を理由とした不利益取扱いも禁止されています。
Q3. 電子署名での同意書取得は認められますか。
A. 電子署名法等に基づく適切な電子署名・電子文書の方法であれば、書面に代わる方法として認められる場合があります。ただし、実務上は後日の証明容易性を考慮し、印鑑等を用いた書面での取得も検討してください。
Q4. 記録を保存しなかった場合のリスクは何ですか。
A. 記録保存義務の違反となる上、紛争時に会社側に不利な状況をもたらします。特に「同意があった」ことを証明できない場合、裁量労働制の効力が否定されて未払い残業代請求を受けるリスクがあります。記録保存体制の整備は制度運用の根幹です。
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最終更新日:2026年3月1日