労働問題689 企画業務型裁量労働制を導入するにあたり、労使委員会で決議すべき健康・福祉確保措置及び苦情処理措置の具体的内容を教えてください。
1.健康・福祉確保措置
「労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針」(以下、指針といいます。)では、健康・福祉確保措置は、次のいずれにも該当する内容のものであることが必要とされています。
① 使用者が対象労働者の労働時間の状況等の勤務状況(以下「勤務状況」という。)を把握する方法として、当該対象事業場の実態に応じて適当なものを具体的に明らかにしていること。その方法としては、いかなる時間帯にどの程度の時間在社し、労務を提供し得る状態にあったか等を明らかにし得る出退勤時刻又は入退室時刻の記録等によるものであること。
② ①により把握した勤務状況に基づいて、対象労働者の勤務状況に応じ、使用者がいかなる健康・福祉確保措置をどのように講ずるかを明確にするものであること。
健康・福祉確保措置については、労基法38条の4第1項の決議がなされた日から起算して6か月以内に1回、及びその後1年以内ごとに1回、様式第13号の4により、実施状況を所轄労働基準監督署長に報告しなければならず、当該報告は同条項4号に規定する労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況について行うものとされています(労基法38条の4第4項、労基法施行規則24条の2の5)。
2.苦情処理措置
苦情処理措置について、指針では、苦情の申出の窓口及び担当者、取り扱う苦情の範囲、処理の手順・方法等その具体的内容を明らかにするものであることが必要とされています。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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