ワード:「運送」

労働者性が否定された裁判例①旭紙業事件|指揮監督・事業者性・専属性の判断を会社側弁護士が解説

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運送業の皆勤手当・無事故手当は除外賃金になる?会社経営者が知るべき「臨時に支払われた賃金」の判断基準

[toc] 1. 除外賃金とは何か―割増賃金計算との関係  運送業において皆勤手当や無事故手当が問題となるのは、それが割増賃金の計算基礎に含まれるかどうかという点です。  時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金は、「通常の労働時間の賃金」を基礎として算定されます。そして、この基礎賃金から除外できる賃金の範囲は、法律で限定的に定められています。  この点を定めているのが、労働基準法です。同法……

手待時間は労働時間になるか?休憩時間との境界線【会社側弁護士が解説】

 「休憩時間として扱っているのに残業代を請求された」——手待時間を巡るトラブルは、会社経営者にとって想定外の多額請求につながりかねない問題です。労働基準法上、手待時間は原則として労働時間に該当します。  手待時間と休憩時間の区別の核心は、労働者が業務から解放されているかどうかです。「何もしていない=休憩」という理解は法律上通用しません。実態として指揮命令下に置かれていれば、それは手待時間です。 ……

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 勤務時間外の企業外行動における懲戒処分の考え方  勤務時間外における企業外での行動は、本来は労働者の私生活上の行為であり、使用者が懲戒をもって臨むことはできないはずです。しかし、労働者は信義則上、使用者の業務利益や信用・名誉を毀損しない義務を負っていますので、原則として企業外での行動を規制することはできないものの、それが「企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるときなど企業秩序に関……

労災保険法上の労働者性が否定された裁判例を教えてください。

[toc] 労災保険法上の労働者性が否定された裁判例  労災保険法上の労働者性が否定された裁判例として,横浜南労基所長(旭紙業)事件最高裁第一小法廷平成8年11月28日判決があります。この裁判例は,自ら持ち込んだトラックを運転する形態の運転手として運送業務に従事していたAが,労災保険法上の労働者に該当するか否かが争われた事案です。なお,労災保険法上の労働者と労基法上の労働者は同一概念と考えられ……

懲戒解雇する場合には,退職金を支給しなくても良いですか。

 有効に懲戒解雇できるからといって,当然に退職金を不支給にできるわけではありません。
 退職金を不支給とするためには,就業規則に退職金を不支給とする規定を定めることが必要ですし,規定があったとしても退職金を不支給とするためには,労働者のそれまでの勤続の功績を抹消する程の著しく信義に反する行為があったと認められる必要があります。
 裁判例には,鉄道会社の職員が電車内で3度……

運送業で「給料日前にお金を貸してほしい」と言われたら?会社経営者が知るべき貸付リスクと適切対応

結論 ドライバーへの金銭貸付は、会社側弁護士の立場からは原則としてお勧めできません。貸付は「回収不能リスク」「関係悪化リスク」「残業代請求誘発リスク」という三重のリスクを抱えており、返済を求めた途端に残業代請求という反撃を受けることが実務上珍しくありません。どうしても対応するなら、貸付ではなく給与前払いという整理を検討してください。 目次 01 運送業で起こりがちな……

「休みなしで働きたい」と言う運転手への正しい対応|運送業の会社経営者が守るべき法的義務とリスク管理

この記事の要点 ✓ 「本人が望んでいるから問題ない」は通用しない——労働時間規制は強行法規であり当事者の合意で変更できない 本人の同意があっても、恒常的な長時間労働は法令違反になります ✓ 会社経営者には労契法5条の健康配慮義務がある——本人の希望があっても過労・事故リスクを放置することはできない 運送業では交通事故が重大な結果を……

運送業の労働時間管理の実務ポイント|会社経営者が押さえるべき休憩時間管理と残業代リスク対策

この記事の要点 ✓ 出社・退社時刻の把握だけでは不十分——休憩時間が不明確なままでは実際の労働時間を算定できない 労働時間は拘束時間から休憩時間を差し引いて算定されるため、休憩時間の把握が核心です ✓ 残業代請求訴訟では「休憩は取れていなかった」という主張がほぼ必ず出てくる——休憩記録がなければ反論できない 「それなりに休憩を取っ……

運送業で見落としがちな割増賃金とは?会社経営者が注意すべき「日当」と休日労働の落とし穴

この記事の要点 ✓ 日当制を採用している場合でも、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金の支払義務は免除されない 賃金形態が日当制であっても、労基法の割増賃金規定(37条)はそのまま適用されます ✓ 休日に支払った「日当」が通常賃金相当額なのか休日労働の対価なのかを整理しないと、割増賃金の計算が狂う 月給制の感覚をそのまま日当制に……

運送業の配送手当・長距離手当は残業代になるのか?会社経営者が押さえるべき割増賃金の判断基準

この記事の要点 ✓ 「業務手当」「配送手当」「長距離手当」という名称だけでは、割増賃金(残業代)として認められない——名称から残業代と読み取れない手当は、いくら払っていても残業代として評価されない 「残業代のつもりで払ってきた」という会社経営者の主張は、裁判では通りにくいのが現実です ✓ 割増賃金として認めてもらうためには、①賃金規……

運送業の固定残業代は有効か?会社経営者が押さえるべき割増賃金手当設計の重要ポイント

この記事の要点 ✓ 「業務手当」「配送手当」「長距離手当」は、そのままでは残業代(割増賃金)の支払として認められない——「実は残業代だった」という事後的な主張は認められにくい 残業代の趣旨で支払うのであれば「時間外勤務手当」等の明白な名称と賃金規程の整備が不可欠です ✓ 通常賃金部分と割増賃金部分が金額として明確に区分されていないと……

運送業を営む会社が残業代(割増賃金)請求を受けるリスクが特に高いのはどうしてだと思いますか。

この記事の要点 ✓ 「1日いくら払えば残業代は発生しない」という誤解が業界に広く浸透している——日当制・歩合制という賃金慣行と労基法のズレが最大のリスク源 実態として労働者性が認められる以上、賃金形態にかかわらず割増賃金の支払義務は生じます ✓ 長距離運行・手待時間・深夜運転という三重の要素が重なり、未払いがあった場合の請求額が……

休憩時間の一斉付与とは?適用除外業種・労使協定による例外

この記事の要点 ✓ 原則として休憩時間は事業場ごとに全労働者に一斉に与えなければならない(労基法34条2項) 原則では、交代で休憩時間を与えることは認められません ✓ 運送・販売・飲食店・保健衛生・官公署など特定の業種は一斉付与の適用が除外されている これらの業種では、労使協定がなくても交代で休憩を与えることができます ……

労基法上の労働時間に該当するかどうかが問題となりやすい時間には、どのようなものがありますか。

 ① 出社後始業時刻までの時間(朝礼や仕込み等の時間)
 ② 出社後作業現場までの移動時間や作業現場から会社に戻るまでの移動時間(会社から自動車で作業現場に向かう場合等。)
 ③ 休憩時間、待機時間(手待時間)
 ④ 終業時刻後退社までの在社時間
 ⑤ スキルアップのための研修・訓練の時間
等の労働時間性について、労使の認識に齟……

残業代請求リスクが高い業種と会社側が取るべき対策【会社側弁護士が解説】

[toc] 1. 残業代(割増賃金)請求が増加している背景  近年、残業代(割増賃金)請求は特定の業種に限らず、あらゆる業界で増加傾向にあります。会社側としては「自社は大丈夫」と考えがちですが、実務の現場では規模や業種を問わず未払い残業代請求がなされています。  その背景の一つは、労働時間管理の厳格化です。働き方改革関連法の施行以降、労働時間の客観的把握が強く求められるようになりました。これ……

懲戒解雇の意思表示は普通解雇の意思表示でもある?岡田運送事件と実務対応を会社側弁護士が解説

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