ワード:「解雇権濫用」

試用期間14日以内であれば自由に解雇できますか。

この記事の結論 1 14日以内なら解雇予告は不要だが、自由に解雇できるわけではない 雇入れから14日以内の試用期間中の労働者には、解雇予告義務・解雇予告手当支払義務は生じません(労基法21条)。しかし、これは手続的な義務が免除されるにすぎず、解雇の有効性は別途問われます。 2 解雇権濫用法理は試用期間中も適用される 試用期間中であ……

自律的な判断ができず指示された仕事しかしない。

[toc] 「指示待ち人間」とは  1981年にも,言われたことはこなすが言われるまでは何もしない新入社員を表現する造語として,「指示待ち世代」「指示待ち族」といった言葉が流行したことがあります。現在においても,命令したことしかしない,あるいはしようとしない若者の対応に頭を悩ませる管理職は多く,そういった若者は「指示待ち人間」等と呼ばれることがあるようです。
 新人社員が,上司か……

労働契約法19条は、従来の雇止め法理と同じ内容ですか。

この記事の結論 1 厚生労働省通達は、労契法19条が従来の雇止め法理の内容・適用範囲を変更しないと説明している 東芝柳町工場事件・日立メディコ事件等の判例の蓄積は、そのまま参照できると解されています。 2 法的構造は「解雇権濫用法理の類推適用」から「承諾みなし」に変わったが、判断基準は実質的に同じ 雇止めを検討する場合は、条文と従……

精神疾患社員が休職と復職を繰り返す場合に備えて、就業規則にはどのような規定を設ければよいですか。

この記事の結論 1 復職取消し・再休職・期間通算の規定を置くことで、繰り返しへの対応枠組みを確保できる 復職後すぐに再発した場合でも、前回休職期間の残余期間を適用して期間満了で退職扱いにできる枠組みが確保できます。 2 規定がなければ、休職・復職を繰り返す社員への普通解雇の有効性が争われるリスクが高まる 「休職期間満了→退職」とい……

精神疾患を発症した社員を、休職させずに直ちに解雇することはできますか。

この記事の結論 1 休職制度がある会社が休職させずに直ちに解雇することは、解雇権濫用として無効となるリスクが高い 休職制度は「直ちに解雇するのではなく、まず療養機会を与える」という趣旨の制度であり、これを使用せずに解雇することは制度趣旨に反します。 2 回復見込みが客観的に乏しい場合等の例外はあるが、そのハードルは高い 専門医によ……

退職勧奨と解雇の違いとは何ですか。実務上の選択指針について教えてください。

この記事の結論 1 解雇は法的ハードルが極めて高く、無効時のバックペイリスクは甚大 客観的合理性と社会通念上の相当性がなければ解雇権濫用として無効になります(労契法16条)。紛争が長期化すれば数百万円から数千万円規模の負担になることも珍しくありません。 2 実務の定石は、解雇を直ちに選択するより退職勧奨による合意退職を先に検討するこ……

精神疾患を発症した社員について、私傷病に関する休職制度を適用せず、直ちに普通解雇してはいけないでしょうか。

この記事の結論 1 休職制度があるのに即解雇すると、専門医の「回復見込みなし」の診断がない限り解雇権濫用のリスクが高い 私傷病休職制度があるにもかかわらず、精神疾患の発症を理由にいきなり普通解雇することは、休職させても回復の見込みが客観的に乏しい旨の専門医の診断・意見がある場合でない限り、解雇権濫用(労契法16条)として無効となるリスクが高いです。 ……

業務上のミスが多く、改善の見込みがない社員を解雇する際の注意点について教えてください。

この記事の結論 1 業務ミス解雇は「裁判官が証拠で判断できること」が必要。単なる見込み違いでは認められない 長期雇用を予定した新卒採用者は例外的な場合でない限り認められにくく、地位・職種を特定して採用された社員は比較的認められやすい傾向があります。 2 何月何日にどのミスで会社にどのような損害が生じたかを、当時の客観的証拠で示せるこ……

勤務態度が悪い問題社員を解雇する際に考慮すべき点について教えてください。

この記事の結論 1 有効性は4要件で判断される。①解雇事由該当、②濫用に当たらない、③解雇予告、④解雇制限に非該当 勤務態度不良を理由とする解雇は、就業規則の解雇事由に該当するだけでは足りません。特に②の客観的合理的理由と社会通念上の相当性を、証拠で示せることが重要です。 2 「客観的に合理的」とは、裁判官が証拠で判断できること。経……

能力不足を理由とした解雇の有効性は、どのように判断すればよいですか。

この記事の結論 1 判断基準は「労働契約で求められた能力が欠如しているか」。単なる見込み違いでは足りない 長期雇用を予定した新卒採用者・勤続が長い社員・低賃金の社員は認められにくく、特定の能力や地位を条件に高給で採用された社員は比較的認められやすい傾向があります。 2 いずれの場合も、具体的事実の記録と、労働契約書への能力・地位の明……

「仕事を休みます。」とだけ連絡して長期間欠勤する社員を、解雇できますか。

この記事の結論 1 欠勤を理由に処分する前に、残っている年次有給休暇を使い切らせるのが実務上の最善策 「仕事を休みます」という連絡が年休取得か欠勤かは曖昧になりがちです。年休が残っていると「年休を取得したのだから欠勤はない」という主張を封じられず、欠勤解雇の有効性が揺らぎます。 2 年休取得を妨げるのは逆効果。申請用紙を書留郵便で送……

改善の見込みがない社員であっても、解雇に先立ち注意指導は必要ですか。

この記事の結論 1 明らかな問題社員でも、解雇前の注意指導・懲戒処分の積み重ねが原則として必要 労働契約法16条の解雇権濫用の判断において、注意指導や懲戒処分歴の有無は重要な考慮要素です。「改善の見込みなし」は会社の思い込みではなく、客観的に示す必要があります。 2 注意指導なしでは「改善の見込みが乏しい」ことの立証が難しい よほ……

問題社員を解雇する際、最初に理解すべき注意点は何ですか。

この記事の結論 1 解雇には「客観的に」合理的な理由が必要。経営者の主観的判断だけでは足りない 労働契約法16条の解雇権濫用法理により、客観的合理的理由と社会通念上の相当性の両方がなければ解雇は無効です。「この社員はダメだ」という経営者の感覚は、解雇の有効性を支える証拠にはなりません。 2 抽象的説明では不十分。5W1Hの具体的事実……

懲戒解雇では無効リスクが高い場合に、普通解雇を選ぶ際にはどのような対応が必要ですか。

この記事の結論 1 懲戒解雇の無効リスクが高い場合は①普通解雇を選択するか②解雇通知書に予備的普通解雇を明記すること 懲戒解雇のみに踏み切ることは非常に危険です。懲戒解雇が無効となった後に普通解雇として救済される余地がなくなると、会社は極めて厳しい状況に置かれます。 2 訴訟中に懲戒解雇の有効性に疑義が生じた場合も予備的普通解雇の意……

懲戒解雇の意思表示は、普通解雇の意思表示でもあるといえますか。岡田運送事件と実務対応について教えてください。

この記事の結論 1 懲戒解雇の意思表示が普通解雇を内包するかは事案ごとの解釈問題。懲戒解雇のみが明らかな場合は内包不認 一般論で「認められる・認められない」と断定できません。懲戒解雇のみを行ったことが明らかな場合は、普通解雇であれば有効な事案でも普通解雇の意思表示の内包は認められません。 2 実務上の最善策は解雇通知書に「懲戒解雇と……

懲戒解雇とは何ですか。定義・普通解雇との違い・退職金の取り扱いについて教えてください。

この記事の結論 1 懲戒解雇は制裁としての最も重い懲戒処分。就業規則の懲戒事由への該当が絶対的前提 使用者の懲戒権の発動による制裁罰として企業秩序に違反した労働者に行われる解雇です。就業規則がない・懲戒事由の規定がない・規定に該当しない場合は懲戒解雇として行うことは原則としてできません。 2 退職金の不支給・減額には就業規則・退職金……

整理解雇に臨む際のスタンスとは何ですか。合意退職を中心に据えるべき理由について教えてください。

この記事の結論 1 整理解雇は合意退職が成立しない場合の「例外的手段」。合意退職の追求を中心に据えることが基本スタンス 丁寧な説明と退職条件への配慮により合意退職(希望退職募集・退職勧奨)を目指すことを優先し、整理解雇は誠意ある交渉によっても合意退職が成立しない場合に限定して実施するというスタンスが重要です。 2 合意退職の優先は解……

整理解雇における「手続の相当性」とは何ですか。説明・協議の進め方と記録について教えてください。

この記事の結論 1 労働協約に協議義務がある場合は協議なしで原則無効。ない場合でも信義則上の説明・協議義務がある まず自社の労働協約に整理解雇前の組合協議義務が定められているかを確認することが第一歩です。組合がない場合も、裁判所は整理解雇の必要性・時期・規模・方法について誠実に説明・協議すべき信義則上の義務を負うとする傾向にあります。 2 ……

整理解雇における「人選の合理性」とは何ですか。選定基準の設定と文書化について教えてください。

この記事の結論 1 人選の合理性は「基準の合理性」と「基準適用の合理性」の二段階審査。いずれかが欠けても無効リスクがある 第一の「人選基準の合理性」は使用者の恣意が入らない客観的なものであること、第二の「基準適用の合理性」は設定した基準が実際に公正に適用されたこと、の両方が必要です。基準を設定しても恣意的に運用すれば合理性が否定されます。 2……

整理解雇における「解雇回避努力」とは何ですか。具体的な措置の種類と記録の重要性について教えてください。

この記事の結論 1 解雇回避努力は4要素の中で裁判所が最も重視。「検討」すらしていないと要素が否定される 整理解雇をめぐる紛争では解雇回避努力の不足が無効原因として指摘されるケースが最も多く見られます。すべての措置を実施しなければならないわけではありませんが、少なくとも「どのような措置が可能か」を検討し、その事実を記録しておくことが必要です。 ……

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