この記事の結論
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週休2日でなくても判定基準は同じ。週6日×8時間は週48時間で、8時間分が毎週時間外

1日8時間以内でも、週の総労働時間が40時間を超えれば時間外労働です。週6日×8時間=48時間なら、週40時間を超える8時間分に25%の割増賃金が必要です。

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月60時間超になりやすく50%割増や上限規制に抵触しやすい

週8時間の時間外が月4〜5週で32〜40時間となり、繁忙期はすぐ月60時間超に達します。上限規制(月45時間等)にも抵触しやすいため注意が必要です。

 完全週休2日制を採用していない会社(週休1日・隔週休日制など)でも、時間外労働時間の判定基準は変わりません。週休2日でない会社の時間外労働とは、1日8時間を超えた時間に加え、週の総労働時間が40時間を超えた分をいい、週休1日であってもこの週40時間超の部分に割増賃金が発生します。

 「週休1日でも1日8時間以内に収まっていれば問題ない」という誤解がよく見られますが、これは誤りです。会社側専門の弁護士の立場から、週休2日制でない会社の時間外労働の算定方法を、具体例を用いて解説します。

01週休2日でない場合の時間外労働の考え方

 完全週休2日制を採用していない会社でも、時間外労働時間は1日8時間超と1週間40時間超の両方で判定します。週6日×8時間の場合、週の総労働時間は48時間となり、法定の週40時間を8時間超過しています。この8時間分が毎週発生する時間外労働であり、25%の割増賃金が必要です。

 1日単位では8時間以内に収まっていても、週単位で40時間を超えていれば割増賃金が発生します。週6日勤務の職場では、この週単位の計算を見落としているケースが多く、退職者から多年分の未払い残業代を請求される根拠になることがあります。

経営者が陥りがちな誤解

誤解 「1日8時間を超えていないから、週6日勤務でも残業代は不要だ」
正しい理解 週単位で40時間を超えていれば割増賃金が発生します。週6日勤務の職場ではこの週単位の計算を見落としているケースが多く、退職者から多年分の未払い残業代を請求される根拠になることがあります。

02週6日×8時間勤務の場合の具体的な計算例

 時間単価1,500円の社員が週6日×8時間勤務した場合の時間外労働と割増賃金を計算すると、以下のとおりです。

計算例|時間単価1,500円・週6日×8時間勤務
週の総労働時間 8時間 × 6日 = 48時間
1日単位の時間外 各日8時間以内のため 0時間
1週間単位の時間外 48時間 − 40時間 = 8時間
1週間の割増賃金 1,500円 × 1.25 × 8時間 = 15,000円
月4週での割増賃金計 15,000円 × 4週 = 60,000円

 月に4週、週休1日で8時間勤務した場合、毎月60,000円の割増賃金が発生します。これを支払っていない会社が退職者から3年分(2020年改正後の時効)を請求されると、60,000円×36か月=216万円という計算になります。ここに付加金や遅延損害金が加われば、負担はさらに膨らみます。

03月60時間超の50%割増が発生しやすいリスク

 週休1日の職場では、週8時間の時間外労働が月4〜5週で32〜40時間となります。ここに繁忙期の残業が加わると、月60時間超の時間外労働が生じやすくなります。

 2023年4月1日から中小企業にも、月60時間を超える時間外労働については50%以上の割増率が適用されています。週休1日の職場では、この50%割増が発生しているかどうかを毎月確認する必要があります。

04上限規制と経営者が取るべき対応

 2019年施行の上限規制により、時間外労働は原則月45時間・年360時間が上限です。週6日×8時間勤務を継続すると、時間外労働は月約32〜35時間となり、繁忙期に少し残業が加わると月45時間に達します。特別条項付き36協定がなければ、この時点で違反が生じます。

 特別条項付き36協定があっても、休日労働を含め月100時間未満・複数月(2か月から6か月)平均で月80時間以内という制約があります。週休1日の職場でさらに残業が重なると、この上限に抵触するリスクが高くなります。経営者として取るべき対応は、現状の労働時間の実態を正確に把握したうえで、36協定の内容が実態に合致しているかを確認することです。未払い残業代が発生していると判明した場合は、弁護士に相談しながら対応方針を決める必要があります。

05よくある質問(FAQ)

Q. 1日8時間以内に収まっていれば週6日勤務でも時間外労働は発生しませんか。

発生します。1日の判定(8時間超)をクリアしていても、週の総労働時間が40時間を超えれば時間外労働となります。週6日×8時間=48時間の場合、週8時間分が時間外労働として25%割増賃金の対象です。

Q. 週休1日で36協定(特別条項なし)を締結していますが、上限規制に引っかかりますか。

非常に引っかかりやすい状況です。特別条項なしの36協定は時間外労働の上限が月45時間です。週6日勤務で毎週8時間の時間外が発生すると月約32〜35時間となり、少しでも残業が加わると月45時間を超えます。36協定の内容と実態を今すぐ確認することをお勧めします。

Q. 週の起算日はいつになりますか。

行政解釈上、就業規則その他に別段の定めがない限り、1週間は日曜日から土曜日までとされ、日曜日が起算日となります。就業規則に「週の起算日は月曜日」と定めている場合は月曜日が起算日です。起算日の設定によって週単位の時間外労働の計算が変わるため、就業規則の確認が必要です。

Q. 週6日勤務の従業員から未払い残業代を請求されました。どれくらいの金額になりますか。

時給換算・時間外時間数・請求期間(最大3年)・付加金の有無によって大きく異なります。まず弁護士に相談し、実際の労働時間記録・賃金台帳をもとに請求額の妥当性を検証することが先決です。早期解決が遅延損害金の積み上がりを防ぐことにつながります。

経営上のポイント 完全週休2日制でない会社では、「1日8時間以内なら残業代は不要」という思い込みが最も危険です。週6日×8時間=週48時間のように、1日8時間以内でも週40時間を超えれば、超過分に25%の割増賃金が発生します。時間単価1,500円の例では毎月6万円、3年分で216万円に及び、付加金・遅延損害金が加わればさらに膨らみます。加えて、週休1日の職場は時間外労働が月32〜40時間に達しやすく、繁忙期には月60時間超の50%割増や、月45時間等の上限規制にも抵触しがちです。まずは労働時間の実態を正確に把握し、36協定の内容が実態に合っているかを点検してください。時間外労働時間の判定方法とあわせて、給与規程・36協定の整備について会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。週6日勤務など変則的な勤務体系の残業代計算でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日


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