この記事の結論
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月〜土各9時間勤務(日曜が法定休日)の時間外労働は合計14時間

1日単位の5時間(月〜金各1時間)と、週単位の9時間(土曜9時間)を合わせた14時間が時間外労働です。この14時間に25%以上の割増賃金が必要です。

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1日単位で判定した時間を週単位で二重カウントしないことが計算の要

週単位の判定では、月〜金の所定内40時間(8時間×5日)が既に週40時間に達しているため、土曜の9時間全体が週40時間超の時間外労働となります。

 残業代(割増賃金)の計算において、時間外労働時間の算定は「1日単位」(1日8時間超)と「1週間単位」(週40時間超)の二つの基準で行い、両者を重複させずに合算します。この二つの基準の関係を正しく理解するために、具体的な計算例を用いて解説します。

 特に注意が必要なのは、1日単位で時間外労働と判定された時間を、週単位の計算でも重複してカウントしないという点です。会社側専門の弁護士の立場から、具体例を用いて正しい計算方法を解説します。

01具体例の設定

 日曜日が法定休日の企業において、月曜日から土曜日まで毎日9時間ずつ労働させた場合を例に考えます。日曜日は法定休日で休み、月曜から土曜までは各日9時間労働(うち1日8時間を超える1時間が1日単位の時間外労働)です。週の総労働時間は9時間×6日=54時間となります。

021日単位の時間外労働の集計

 月曜日から金曜日の各日について、1日8時間を超えた1時間が、1日単位の時間外労働として確定します。各日1時間ずつ、月から金の5日間で合計5時間が1日単位の時間外労働です。土曜日については、この時点では判定を保留し、次の週単位の判定で扱います。

03週単位の時間外労働の判定

 週単位の判定では、週の総労働時間から1日単位で時間外労働と判定された時間を除いた残りが、40時間を超えているかどうかを確認します。計算すると以下のとおりです。

計算例|月〜土各9時間・日曜が法定休日(通常事業場・週40時間)
週の総労働時間 9時間 × 6日 = 54時間
1日単位の時間外労働(月〜金各1時間) 5時間
1日単位分を除いた残り 54時間 − 5時間 = 49時間
週単位の時間外労働(40時間超) 49時間 − 40時間 = 9時間(土曜9時間)
時間外労働の合計 5時間 + 9時間 = 14時間

 この9時間は、土曜日の労働時間9時間にすべて当てはまります。月から金の所定内部分(8時間×5日=40時間)が既に週の法定労働時間40時間に達しているため、土曜日の勤務を開始した時点から週40時間超の時間外労働となります。

04誤った計算例(二重カウント)との比較

 誤った計算として、「月から木に9時間×4日=36時間労働させているから、金曜日に4時間を超えて労働した時間から週40時間超の時間外労働になる」と考えるケースがあります。しかし、これは1日単位で時間外と判定した時間(各日の超過1時間)を週の計算に再び含めてしまう二重カウントの誤りです。

正しい計算と誤った計算の違い

誤り(二重カウント) 各日の1時間(1日単位の時間外)を含めた54時間から40時間を引き、週単位でも1日単位でも同じ時間を数えてしまう。

正しい計算 月〜金の所定内部分8時間×5日=40時間が既に週の法定労働時間に達しているため、土曜の9時間はすべて週40時間超の時間外労働となります。1日単位の5時間と週単位の9時間は重複しない別々の時間です。

05正しい計算の結論と実務対応

 この例の場合、時間外労働の合計は、1日単位の5時間(月〜金各1時間)と週単位の9時間(土曜9時間)の合計14時間となります。この14時間分に対して25%以上の割増賃金を支払う必要があります。なお、土曜日は所定休日(法定休日である日曜日以外の休日)にあたるため、休日割増1.35ではなく時間外割増1.25が適用されます。

 給与計算において時間外労働時間の算定方法が誤っている場合、退職した社員から過去3年分の差額を請求されるリスクがあります。会社側・使用者側専門の弁護士に相談のうえ、給与計算の適正性を定期的に確認することをお勧めします。

06よくある質問(FAQ)

Q. 月〜土の各日9時間労働させた場合の時間外労働の合計は何時間ですか。

1日単位(月〜金各1時間×5日=5時間)と週単位(土曜9時間:週の所定内部分40時間を超えた分)の合計14時間が時間外労働となります。この14時間分に対して割増賃金を支払う必要があります。

Q. なぜ土曜日の勤務を開始した時点から週40時間超の時間外労働となるのですか。

月〜金の1日8時間以内部分(8時間×5日=40時間)がすでに週の法定労働時間40時間に達しているためです。土曜日の勤務はこれに上乗せされるため、最初の1分から週40時間超の時間外労働となります。

Q. 土曜日の時間外労働(週40時間超分)には休日割増(1.35)は適用されますか。

土曜日が法定休日でなければ適用されません。この例では日曜日が法定休日のため、土曜日は所定休日(法定休日以外)です。所定休日の労働には休日割増1.35ではなく、時間外割増1.25が適用されます。

Q. 時間外労働の計算で間違いやすい点は何ですか。

最もよくある誤りは「1日単位の時間外労働を週の計算にも重複して含める(二重カウント)」ことです。1日単位の時間外労働は週単位の判定から除外して計算しなければなりません。また、法定休日と所定休日の区別を誤ることも多い誤りの一つです。

経営上のポイント 月〜土の各日9時間勤務(日曜が法定休日)のケースでは、時間外労働は1日単位の5時間と週単位の9時間を合わせた14時間になります。ここで押さえるべきは、月〜金の所定内40時間(8時間×5日)が既に週の枠を使い切っているため、土曜日は最初の1分から週40時間超になるという点です。逆に、各日の超過1時間を週の計算にも重ねて数える二重カウントをすると、過大な残業代を負担してしまいます。土曜が所定休日(法定休日でない)なら適用は時間外割増1.25で、休日割増1.35ではありません。給与計算ソフトの設定を含め、1日単位と週単位の切り分けが正しいかを点検してください。二重カウントが誤りとなる理由とあわせて、給与計算の適正化について会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

 

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。時間外労働の算定や残業代計算の適正化でお悩みでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日


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