企画業務型裁量労働制が適用される業務の具体例を教えて下さい。
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対象となり得るのは、経営企画・人事・財務等での調査分析と計画策定業務 指針では、経営企画・人事労務・財務経理・広報・営業企画・生産企画の各部署で、調査・分析を行い全社的な計画を策定する業務が、対象業務となり得る例として示されています。 |
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庶務・定型事務・個別の実行業務は、対象業務となり得ない 会議の庶務、人事記録の作成・保管、金銭の出納、原稿の校正、個別の営業活動や製造作業などは、企画・立案・調査・分析の性質を持たないため、対象業務にはなりません。 |
企画業務型裁量労働制の対象業務は、「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって…」という抽象的な条文の文言だけでは、実際にどの業務が対象になるのか判断が難しい面があります。そこで、厚生労働大臣が定める指針では、対象業務となり得る例・なり得ない例が具体的に示されています。
会社側専門の弁護士の立場から、指針が示す具体例をもとに、対象業務の判断基準を解説します。
01条文の定義と指針による具体化
企画業務型裁量労働制が適用される業務について、労働基準法は、「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」と定めています(労働基準法38条の4第1項1号)。
この抽象的な要件を実務で判断しやすくするため、厚生労働大臣の指針(平成11年12月27日労働省告示第149号、平成15年10月22日厚生労働省告示第353号による改正を含む)では、対象業務となり得る例・なり得ない例が、部署ごとに具体的に列挙されています。
02対象業務となり得る例
これらに共通するのは、部署単位の狭い視点ではなく、企業全体または事業場全体の運営に影響を及ぼす計画の策定に関わっている点です。単に「経営企画部に所属している」ということではなく、実際に調査・分析を経て計画を策定する業務に従事しているかどうかが判断の核心になります。
03対象業務となり得ない例
これらに共通するのは、企画・立案・調査・分析という性質を持たない、定型的な事務作業や、既に決定された方針・計画を個別に実行する業務であるという点です。専門性や重要性が高い業務であっても、それが「調査分析を経た計画策定」という性質を持たない限り、対象業務には該当しません。
04会社側が押さえておくべき視点
これらの例は、あくまで典型例であり、部署名や肩書きだけで機械的に当てはめられるものではありません。同じ「経営企画部」に所属していても、実際に調査・分析を経た計画策定を担っている社員もいれば、会議の準備や資料作成などの庶務を中心に担当している社員もいます。導入にあたっては、対象労働者が実際に従事している業務の内容を、担当業務の実態に即して個別に精査する必要があります。
また、企画業務型裁量労働制の対象業務であることが認められても、それだけで制度を導入できるわけではありません。労使委員会の設置・決議など、専門業務型とは異なる導入手続を満たす必要があります。対象業務の判定を誤ったまま制度を運用すると、後に制度の有効性そのものが否定され、多額の未払残業代が発生するリスクがあるため、導入前の慎重な確認が不可欠です。
05よくある質問(FAQ)
Q. 人事部の社員であれば、対象業務に当たりますか。
当たるとは限りません。現行の人事制度を調査分析して新制度を策定する業務は対象になり得ますが、人事記録の作成・保管、給与計算、採用・研修の実施といった定型的な事務は対象業務となり得ません。実際の担当業務の内容次第です。
Q. 個別の営業担当者は、対象業務になりますか。
なりません。個別の営業活動の業務は、対象業務となり得ない例として指針に明示されています。営業成績等を調査分析し、全社的な営業方針や計画を策定する業務(営業企画部門)とは区別されます。
Q. 対象業務に該当すれば、すぐに制度を導入できますか。
できません。対象業務に該当することに加え、労使委員会の設置・決議など、専門業務型とは異なる導入手続を満たす必要があります。手続を誤ると制度の有効性が否定されるおそれがあります。
監修者
弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎
東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)
日本全国各地の会社経営者の皆様へ
弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。裁量労働制の導入や運用でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。
最終更新日:2026年7月13日